かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

出雲を原郷とする人たち

2017年04月04日 | Books


本書は、新聞の書評で知った。
題名からしてそう多くは売れそうな本ではないが、即ゲット。

出雲と大和朝廷の関係については、古来から議論されていて、話自体、空想ではないかと考えられていた時代もあったが、今は、出雲に何らかのパワーがあったことは認識されている。
それが、どう大和朝廷と関わっていたのか、敵対していたのか、共存していたのか。
よくわからないが、中国の王朝のように、根絶やしにして、政権交代ということではなかったらしい。
そして、その出雲出身の人たちが、日本の各地でどう生きていったかを足で調査したのが本書。

本当に、頭が下がる。著者の出身が出雲でなければ、これぼどの思いれのある調査はできなかったろう。
そして、その出雲の日本各地への影響力たるや、驚くべきものなのだ。
日本海側はもちろんそこから、瀬戸内海、信濃を通って、関東まで、当時の大和朝廷の勢力範囲全てに及んでいる。
その範囲だけ見ると、大和=出雲とも思いたくなるが、やはり地域によって強弱があり、場所によって忘れられつつある地域もある。
地方の過疎化によって、出雲の痕跡が薄れるどころか、消えつつあるのがわかる。特に、本書のための取材の時には、まだ痕跡があったのが、今いったら、たぶん分からなくなっているところが既にあるものと思われる。

もちろん、本書に書かれていることが全てではないだろうが、現時点でのベストの記録として、貴重な一冊と思う。



今日の桜。
七分咲きぐらい?
背景は、最近、よくテレビに出るT社のビル。
コメント
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