かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

三島由紀夫 ふたつの謎

2019年07月09日 | Books


本書は、本屋の平積みで見つけた。

とにかく、我々世代には謎だらけの三島由紀夫。
文庫化された作品は、学生の時全て読んだが、すばらしいと感じると同時に、謎が残った。
そしてその最後が、1970/11/25。
小六の時だが、親がテレビに齧り付きだったのを覚えている。
この時代錯誤的な事件を、知のトップであったはずの人が何故?

そしてその同日完結した豊暁の海。
卓袱台返しの結論に納得した人はない?
私もその一人で???という

著者は同年次の方だが、その洞察力に脱帽。
一方、先日のNHKでは川端康成との葛藤が描かれていたが、本書では触れられない。
小説家だから、結論をイメージしながら書き進めるはずなのだが、小説の結末にしても、自決にしても、なかなか論理的に説明するのは難しい。
著者は、実施的な処女作である、仮面の告白や、金閣寺に、その伏線があるというが、正直よくわからない。
ただ、その時から伏線があったとすれば、それは神の所業としか言いようがない。
三島が神でなければ、単なる天才&病人だったのか。
自殺の手段にあの事件を設定したとすれば、あまりにも愚かしい。
あまりにも突飛だ。

本当に、本人に聴いてみたい。
何が真の目的だったのか。
そして、豊暁の海の結末は、いつどういう気持ちで決めたのか。
まさかあの事件で、神格化されることを狙った訳でもあるまいが。
コメント
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