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キャリアプランニングで悪戦苦闘

2013-08-15 12:58:14 | 13期生のブログリレー

こんにちは、松田越百(まつだ・こすも)です。

実は最近、ものすごく煮詰まっているのです。何に煮詰まっているかというと、経営コンサルタントとしてのキャリアプラン、事業計画です。

育成塾では2回連続で、コンサルタントとしてのキャリアの整理をやってきました。実は私自身のやりたいこと自体は(少なくとも私の意識の中では)比較的はっきりしていて、「経営者のための真の経営コンサルティング=トップマネジメント・コンサルティング」なんです。これがどういう意味かを少し解説します。

トップマネジメント・コンサルティングとは

一言で「経営コンサルタント」と言っても、色々なタイプの方がおられます。営業・マーケティングを専門にする人、製造現場の業務改善を専門にする人、販促を専門にする人、医療機関・小売・飲食など業種を特化する人、などなど…セミナーや研修の講師を専門にする人もいますし、「先生」と呼ばれる比較的高齢の方で、中小企業経営者に精神論を叩き込んでいるような人もいます(よくありますよね、「XXの経営者10日間研修」とか。ああいうのをやっておられる方々です)。本当に百花繚乱です。

私がやりたいのは、一言で言ってしまえば、「大手戦略コンサルティングのミニチュア版」です。「大手戦略コンサルティング」と言っても、プロジェクトによって内容は様々で、中には「何だこれ!?」というとんでもない成果の失敗プロジェクトもありますし、「なるほどねえ。さすが戦略コンサルタントだ」と唸るような成果が出るプロジェクトもあります。(過去に働いた職場、現在の職場でそれらの成果物を幾つか見てきた感想です。)

しかし、それらに一点だけ共通するのは、「後ろに判を押す人がいない、経営者(トップマネジメント)のためのサービスであり、経営者を最終的な顧客にしている」という点です。これが何を意味するかと言うと、少なくともプロジェクトの開始時点では、問題解決の領域を限定できない、全方位で問題解決に立ち向かわなければならない、という事です。というのは、経営者は配下の全てのファンクション(機能)を束ねる立場であり、会社の業績はそれら全てのファンクションの活動を組み合わせた結果だからです(実際にはこれに外部の経営環境という要素も加わります)。その一切合切に、最終的な責任を持つのが経営者です。その経営者の悩みに答える人間は、「私はXX専門なので、それしかわかりません」とは言えないのです。(診断士の皆さんには、くどくどとこのあたりの説明をしなくとも、だいたいお分かり頂けるとおもいます。)

戦略コンサルタント、トップマネジメント・コンサルタント批判

戦略コンサルタントに対して否定的なイメージを持っている方も沢山おられることは承知しています。例えば、こんな批判です。

  • あんなの机上の空論。経営者とコンサルタントの自己満足
  • 事件は現場で起きているんだ。社長室やプロジェクト・ルームじゃない
  • 偉そうにすんな。何がMBAだ
  • 業界経験も専門知識もないのに、何ができるの?

多分、皆さんもこういう批判は聞かれたことがあると思いますし、そう思っておられる方もいると思います。しかし、私が思うに、これらの批判の多くは個々の戦略コンサルタントの資質に起因するものであって、戦略コンサルタントという生業に対する批判にはなり得ません。また、正直言うと、私は「現場至上主義」にも批判的です。現場だけで事業が成り立つなら、社長というポジションは不要なはずです。経営者によって会社がガラッと変わった事例は沢山あります。

なぜトップマネジメント・コンサルタントを目指すのか

多くの批判があるにもかかわらず、私が「戦略コンサルティング=トップマネジメント・コンサルティング」をやりたいのは、以下の理由によります。

経営者は孤独

上で述べたとおり、経営者の後ろには判を押す人はいません。また、経営者と従業員の間には、意識や情報レベルにおいて深くて大きな溝があり、従業員に相談しても常に良い答えが返って来るとは限りません。経営者は「誰か自分と同じか上のレベルで相談できる人」を潜在的に求めていると思います。

問題の所在を勘違いしている経営者が多い

これは、これまで複数の企業で経営に比較的近いポジションで仕事をしてきた経験から思うことです。経営者たるもの、問題の本質を掴んで、その根本の原因を徹底的に解決すべき、なのですが、実際にはそうではないケースが大変多い。原因でなくて結果に対する対処療法に腐心したり、そもそも問題の所在に気づいていなかったり、などなど…問題の本質を提示できることが、戦略コンサルタントの非常に重要な価値になります。

自分が経営者に近い位置にいた時間が長かった

米国のMBAプログラムのエッセンスは、一言で言うと「毎日毎日、学生に社長業のシミュレーションを強いる」です。専門知識の習得もありますが、基本は社長業のシミュレーションです。

また、10年以上経営企画の仕事をしてきましたので、経営レベルで何が起こっているのかは、比較的長く見てきた方だと思います。

トップマネジメント・コンサルタントの悩み

前置きが長くなりました。

ということで、私がやりたいのは「(中小企業向けの)戦略コンサルティング=トップマネジメント・コンサルティング」なのですが、これを個人で展開するうえで最大の問題は、「いかにして顧客の信頼を得るか」です。

トップマネジメント・コンサルティングの依頼とは、その定義どおり、会社の経営レベルの課題解決を外部に依頼することであり、クライアントにとっては心理的なハードルが非常に高い行為です。かつ、そのようなレベルの課題を解決できる人材は非常に限られています。しかも、コンサルティングというサービスの性質上、「実際に仕事を頼んでみないと、質の善し悪しが判断できない」という特性があります。

そのようなサービスをネームバリューのない個人が受注するのは、よほど経営者に信頼されていないと困難だと思うのです。

これまで、実際に個人で経営コンサルタント業を営んでいる方数名に相談して来ましたが、この点に関する感触は様々でした。はっきりと「それは非常に難しいから、まずは何か特化されたサービスを打ち出すべき。トップマネジメント・コンサルティングはそこで信頼を得てから」という人もいましたし、「中小企業の同友会で知り合った経営者から、コンサルティングの仕事を貰ってますよ」と軽く言う人もいました。

複数の方に聞いたお話を総合すると、「経営者がトップマネジメント・コンサルタントを雇うハードル」の高さは、クライアントの企業規模との関係が強いようです。小さな企業ほど経営レベルの相談が多くなり、大きな企業ほど現場レベルの相談が多くなるという話も聞きました。ただ、あまり企業サイズが小さいと、予算の制約から、経営レベルの問題にとことん取り組むような余裕はなくなり、業として成立しなくなります。

まあ、最近こういうことをあれこれ悩んでいるわけですが、私の悩みは実は経営者の悩みと同じなのです。「一人で考えていても良い知恵が出てこない。誰かに相談したい。」…

コメント (5)
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