こんばんは、亀田です。
生活者研究のお話をしたいと思います。
2023年には人口の半分が50歳以上となる、超高齢社会を向かえ、シニアに企業は目を向けていますが、その一報で人口ボリュームが減少していく若者は、企業の注目度が下がってきています。
先行して行っている「シニア」研究に加え、最近では、上記の状況を踏まえ、若者が元気で安心した暮らしができるよう「若者」研究も行っています。
その若者研究では、いわゆるアンケート調査(定量調査)に加えて、月に1回、15人くらいの若者とワークショップ(≒定性調査)を行い、リアルな若者に直接触れあい、理解を深めています。
ここで、興味深かったエピソードを1つ紹介します。
「若者のビール離れ」がメディアでも話題になっているかと思いますが、実際にも、年々ビールの飲酒頻度や量は減っています。
その理由で一般的に言われるのは「今の若者は苦いものが苦手になった」というものです。
ワークショップの場を使い、理由が本当に「苦いものが苦手」だけなのか、他に何かあるのでは、
と子思い、「ビールを飲まない」、と答えた若者、合計15名程度にその理由を直接聞いてみました。
その結果、もともと言われいた「苦いものが苦手」という理由に加え、
「酔っている姿を人に見られたくない。」「酔った姿はかっこ悪い」という回答が多く上がってきました。
この点はアルコール全般に言えることでもありますが、「酔う」ということに対する価値観にも、「ビール離れ」の理由があるようです。
これは、これまでの定量調査では見えなかった「インサイト」に関連する内容でしたし、私にとっては意外な理由となりました。
なぜなら、私の時代(現在40歳)には、飲み会は「酔って乱れてナンボ」でしたし、「記憶をなくした」自慢、「起きたら公園のベンチにいた」自慢をするのが当たり前にいたからです。
定量的なデータやメディアの情報も重要ではありますが、それに加えて、
自分の目で実際に見て、聞いて、感じるなど、定性的な情報も複雑な時代だからこそ、
より重要になってきた気がします。