15期生の美宅です。
先日あるセミナーに行ってきました。
講師は日経新聞の記者をされていた方で、「記者は毎日どんな手法で記事を書いているのか?」といった事を中心に話を聞きましたので、何点か紹介します。
- 特ダネは欲しいが毎日あるわけではない。駆け出しだったころは先輩記者が何を書いているか不思議だった。しかし、観察しているうちに、トレンド記事を書き続けていることに気付いた。トレンド記事とは、ネタを集めてキーワードを探り、大きな流れをつかんで先を予測する記事のこと。点(ネタ)をつないで線(流れ)にする記事。
- トレンド記事がなぜ必要か。点のままで終わると読者はあやふやな「点」の理解で終わってしまう可能性があるため(「へーそうなんだ」で終わる)。
- 例えば、(少し前の記事になるが)2012年6月の「トヨタ、BMWにハイブリッド車技術を供与 燃料電池車でも提携」というネタの場合、事実も書くが、世界を代表するカーメーカーのエコカー戦略のトレンドを分析した記事も書く。「次世代車 陣営作り急ぐ、枠組み替える契機に」といった見出しで、自動車大手の環境技術をめぐる提携関係の流れを図示しながら解説する(これがトレンド記事)。
→ 今朝(2016/2/3)の日経トップは資生堂の国内工場新設でしたが、工場新設と合わせて書かれている、「生活関連メーカーが増産投資に乗り出している...」という部分がセミナーで言うトレンド記事に当たるのでは、と思いました。
- また、次につなげていくには、(ホンダがいないな...でも、エコカーは開発費膨大だから1社単独は厳しいはず。単独では難しいのでは?)という仮説を立てて、様々な取材を重ねる。メインバンク、ディーラー、部品メーカー、社長、役員、顧問etc...そして、たまたま仮説が当たると、1年後くらいに、「ホンダ、GMと提携 燃料電池車を開発 エコカー、独自路線転換」という特ダネにつながることもある。
- 仮説はたいていはずれる。だが、仮説を立てれる記者だけが特ダネがとれる。
- 新聞記者の行動
- ニュースを書く
- トレンドを読み、記事に
- トレンドの先を読み、仮説を立てる
- 仮説は常に足元の事実で修正する
- 仮説が当たればニュースが取れる
- 1.以下の繰り返し
ネタを集めて大きな流れを読み、この先の変化を自分なりに予測し提案していく。ビジネスにも適用できる思考と思います。
その他、セミナーではヒット商品からキーワードを抽出する、原油価格の急落の影響を先読みする、シャープの失敗をいつ読めたか、などがあり、非常に興味深かったです。
現場で格闘していると目の前の事で精一杯になってしまいますが、自分なりに先を読んで動いていく姿勢が非常に重要だと感じました。