15期生の蛭川洋介です。
先日テレビ番組で「お客さんが来ないのにつぶれない店」というテーマの番組が
ありましたので、ご紹介します。
この番組では、婦人服店、日用品店、写真屋の3店舗を取り上げていました。
いずれの店舗も地域密着型の個人経営(家族経営)で、店舗の外観も決して褒められる
ようなものではありませんでした。(あくまで個人の感想。)
テレビカメラを店舗内に設置して来店状況などを撮影するのですが、いっこうにお客さん
が来店する気配がありません。日によっては一組のお客さんも来ないこともあるとのこと
です。。。
ただ、いずれの店舗も年商は数千万(3000~6000千万円程度)あり、経営者の方々の
表情も生き生きとしていました。
なぜか?
ここまで読まれた方は、2005年に出版され大ヒットとなった山田真哉氏の「さおだけ屋は
なぜ潰れないのか?」という書籍が記憶に蘇ってきたかもしれませんが、まさに、そう
いった話です。
山田真哉氏は公認会計士の立場から、日常の身近な疑問をテーマにして、少しでも会計
に興味をもってもらいたい、との思いから出版されたようですが、ここでは診断士の視点
から考えてみたいと思います。
つぶれない理由は共通していた!
いずれの店舗も最大の顧客は「学校」でした!!!
地域の小学校から大学まで、1店舗あたり10~15校程度の顧客(学校)と契約
しているとのことでした。
B2Cではなく、B2Bのビジネスモデルだったのです。
「婦人服店」は、学校指定の制服を中心に、Tシャツやジャージ等の運動着、靴、
靴下、上履き等、学校生活にかかせない商品を全て取り扱っています。
また、上履きには上履き入れ、といったようなクロスセルも展開しているよう
です。
「日用品店」は、石鹸、洗剤、トイレットペーパー、ティッシュ、掃除用具等の
品揃えを充実させて、学校からの依頼が入ると即座に納品します。
商品は一括大量仕入によりコスト削減を実現し、多品種小口配送によって学校側
のニーズに迅速かつきめ細やかに対応しています。
また、店舗の一部は在庫スペースとして活用しているようです。
「写真屋」は、学校ごとに個別の年間契約を締結し、入学式や運動会、卒業式と
いった学校行事に参加し、全生徒の様々な写真を撮影します。また遠足や修学旅行
等の学外の行事にも参加する等、全ての学校行事に参加しています。
店舗は、主に編集スタジオとして活用し、主要な成果物は、卒業アルバムとのこと
でした。
契約単位は1年ですが、一度入り込んでしまえば複数年の安定売上が見込める
ようです。
餅つき大会や花火大会など新規イベント企画の提案も行い、アップセルを実現し、
翌年の契約金額の向上を図るため、1年契約にしているのかと思います。
バラエティ番組でしたので、お客さんが来ないのにつぶれない、いやいや、
つぶれないどころか儲かっている、という展開でしたが、実際の現場では様々な
ご苦労があるかと思います。
ただ、みなさん笑顔でビジネスをされているのがとても印象深かったので、
投稿しました。