こんにちは。塾長の鴨志田栄子です。
16期も、次回は、「書く」スキルが始まります。ブログも順調にスタートしました。
今回は、これらに関連して、最近読んだ本を1冊紹介します。
近藤勝重著『書くことが思いつかない人のための文章教室』幻冬舎 780円+税
その中に、「何を書けばよいのか」という節があります。
「作文で課題が与えられました。でも書くことが何も浮かんでこない。どうすればよいのでしょうか?」
その答えとして、「思う」ことより「思い出す」ことと書かれています。
「真夏」というタイトルで作文を書いてください、と言われたとしましょう。
「思う」こと……「真夏」から何を思うか?
「思い出す」こと……具体的な自分の体験談を思い出し、それとかかわるデータも芋づる式で浮かんでくる。
と書かれています。
続いて、問題として「師走」について「思う」ことと、「思い出す」ことを書いてみましょうとあります。
私自身、「師走」について「思う」ことは、1年の残す日もわずか、じっくりと1年間を振り返りたい……でも、そんな余裕もなく、公私ともにやるべきことに追われて1年が終わる・・・です。
「思い出す」ことは、12月の忘年会真っ盛りの第3金曜日、空き巣に入られて、自宅がめちゃくちゃ荒らされたことです。
忘年会後、日付変更線が変わるか変わらないかの時刻に帰宅。玄関から2階にある自分の部屋に直行すると、いつもと景色が違う!「床が見えない???」どの書類の山が崩れたの?……???、 続いて、寝室に入ると、ドラマ等で良く見る風景……洋服ダンスの引き出しが、下の段から順々に引き出され、部屋の中央のベットにおしつけられるかのように、押し入れに保管していた50~60kgある金庫が引き出され、バールのようなものでこじ開けられ、中に保管していた印鑑や書類が部屋中に散乱。あわてて階下に降りて、リビングを覗くと、ソファの位置もダイニングテーブルの位置もずれていて、正面の出窓のカーテンから外気の風でゆらゆらと揺れています。
……やっと、空き巣だ!と確信し、すぐに外に飛び出し、夫に電話をかけ、警察に連絡をし、ずっと外で夫の帰り、警察官の到着を待っていたことを思い出します。家中の荒れた状態を目にして、一人でその家の中に戻るのは、怖くてできず、真冬の真夜中、終電の夫の帰宅を屋外で待ち続けていました。
たしかに、この問題について書いてみると、「思う」ことを書くのは、具体性に欠けてハードルが高くなりますが、「思い出す」ことを書くと、具体的な描写ができることを実感します。
この本に書かれていること、「なるほど」と思います。
ただし、この本は、「思う」ことは書かなくてもよいのか?と、問うています。応えは「ノー」です。
上記のようなつらい体験を書くにしても、「つらい」ということを表現する上で、「つらい」ということに対する自分の「思い」をどのように描写するのかということが大事であると著者は指摘しています。
ブログなど、今後、何を書こう?と思うかたは、「思い出す」ことを書くことで、説得力が出るのではないでしょうか?
そういう意味で、とても参考になる本でした。
ご参考まで。