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節電と省エネ

2018-09-22 19:15:00 | 18期生のブログリレー
みなさん、こんにちは!稼プロ18期の杉山 佳正です。

今年の9月は台風、地震と大きな災害が続きました。被災地の皆様には心からお見舞い申し上げます。

北海道で震度7を計測した大地震では、震源地近くにあった主力の火力発電所が緊急停止。道内全域で停電するブラックアウトが発生し、復旧した後も、経済産業省が10~20%の「節電」を呼びかける事態となりました。

ところで、みなさん「節電」と「省エネ」の違いってご存知でしょうか?

手元の辞書を引くと、「節電」とは、“電力の使用量を節約すること”、「省エネ」とは、“電力・ガスなどのエネルギーの総消費量を節約すること”とあり、あまり変わらないようにみえます。しかし、「節電」では、ピークカット(ピーク時の使用電力を抑えること)の取組みが重視されるという違いがあります。経済産業省の呼びかけも、電力会社の供給力に不安がある中、最大需要電力を抑えようとするものであり、総消費量の節約が主眼ではありません。

言葉だけではわかりにくいので図を用いて説明します。図は企業A社の1年間の電力の使用状況を示しています。A社では、8月の需要電力が100kWで最大となっており、これがA社におけるピーク電力となります。このピークを抑えることが「節電」では重要となります。




「節電」の目的には2つの側面があります。1つは供給者側からみた電力の需給バランスの安定という目的、もう1つは需要者側からみた経費削減の目的です。

ピーク電力を抑える取組みは、とくに経費削減効果の高いものといえます。なぜでしょうか。契約電力の基本料金は、過去1年間の最大需要電力に基づき決まります。先ほどのA社では、ピーク電力の100kWに基づいた基本料金を1年間払い続けることになります。A社で100kWの電力を使用するのは8月だけなのに…、です。

つまり、「省エネ」はそれでも実際使用した分を支払うことになるのですが、「節電」を怠ると使用していない月の分まで、ピーク電力に基づいた経費を負担しなければならず、全くモッタイない状態となってしまうのです!

報道によると、北海道における電力不安は、関係者のみなさまの努力により収束しつつあるようです。しかし、光熱費等の経費削減は企業の収支改善の重要なテーマです。緊急時だけでなく、平時においても「節電」を意識し、のちのち「モッタイなかった」と後悔することがないよう、収支の改善につなげていただきたいと思います。

ちなみに、公的な支援施策を調べると、経済産業省では中小企業の省エネ・節電を支援する補助事業を毎年実施しています。こうした施策の活用も検討してはいかがでしょうか。
<ご参考>下記は平成29年度補正予算の施策「平成29年度補正予算省エネルギー設備の導入・運用改善による中小企業等の生産性革命促進事業」のURLです(今年度は公募終了)。
https://sii.or.jp/kakumeisokushin29r/
コメント (5)
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