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パワーハラスメントを考える

2019-02-19 12:00:00 | 18期生のブログリレー
最近、様々な紙面や社内外で「ハラスメント」の話題を良く耳にする。セクハラ、パワハラ、モラハラと
いった従来より有った言葉から、ジェンダー・ハラスメントなど様々なハラスメントが存在する。種類は
様々だが、他者に対する発言・行動などが、本人の意図とは関係なく相手を不快にする、気分を害
する、尊厳を傷つける、不利益を与えることなどを指すのが「ハラスメント」である。相手がnegative
な印象を受ける表現や態度・行動を取らなければ何も問題が生じないのだが、現実はそうではなく、
様々なトラブルが引き起こされている。基本的には全て「アウト(有罪)」だが、唯一、線引きが必要
なのがパワハラだと認識している。

パワー・ハラスメント(パワハラ)は日本独自の造語である(当然ながら海外では通用しない)。
「職場のパワーハラスメント防止対策に関する検討会報告書(2018年3月)」によれば、職場の
パワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して 職務上の地位や人間関係などの職場内の
優位性を背景に 業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化
させる行為、と定義している。ポイントは業務の適正な範囲であり、その範囲内か範囲外かは、客
観的な判断に基づく必要がある。この議論をする際に、よくグレーゾーン(パワハラか否かの境目)
の話が出るが、そもそもパワハラの可能性・懸念自体を排除することが重要である。

パワハラが発生する組織では、様々な影響が生じる。職場の雰囲気が悪くなり、業績が悪化する。
組織の結束力も綻び、必要な人材が流出する。社員の心身の健康が悪化すれば、その家族にも
悪影響が出るし、訴訟などに発展すれば企業ののイメージダウンにも繋がる、等々。あるいは隠蔽
する組織体質を醸成して、事件が発生することも最近のニュースで明らかである。

一方でパワハラを意識するあまり、「叱る」ことを躊躇するマネジメントもいるのではないか。組織の
規律を健全に保つためにも、違反行為は適切な表現できちんと「叱る」必要はある。また効果的な
指導をする為にも、自分のやり方を押し付けるのではなく、相手の立場に立った“対等な存在”とし
て会話する必要がある。また組織内に問題ある可能性がある場合は先送りせずに迅速に処理する
ことも重要だ。内々で聞いた話は相手に配慮しつつ適切な関係者にエスカレーションする“勇気”
を持たねばならない。見て見ぬ振りも論外であり、加害者と同罪だと認識すべきである。

人間なので、マネジメント側といえで怒ることもあるだろう。アンガー・マネジメントで「6秒間考える」
等の指導があるが、自分なりの怒りをリセットする方法を見つけておくことも大切である。自分の場合、
6秒間考えても解消できないので、怒りの感情が自分の中で生じたら、すぐ自分の子供たちの笑顔
を思い浮かべるようにしている。これが不思議とリセット効果が高いのである。

普段から組織内でコミュニケーションをしていれば、かかる問題は生じないと考えている。マネジメン
ト側にはアカウンタビリティ(説明責任:自身が権限を持つ案件の状況やより詳細な内容を利害関係
者に説明する義務のこと)が常に付きまとう。一番身近な利害関係者は同じ組織で働く同僚である。
自分の“言葉”で、組織に合った表現で常に会話することを心がけていきたい。



コメント (3)
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