タイトルを見てピンと来た方は何の話かすぐにわかりますよね?
いわゆる「フェルミ推定」というもので、実際に調査するのが困難・非現実的なものの量を、少数の手がかりや仮説をもとに論理的に推論し短時間で算出する手法です。
ちなみにフェルミとは1938年のノーベル物理学賞を受賞したエンリコ・フェルミに由来するようです。
就職・転職活動時にコンサル系を受けると選考手段として面接時に質問を受けるためフェルミ推定を学ばれた方もいるのではないでしょうか?
例えばタイトルの問題の場合以下のような算出です。
1)日本の人口は約1億2,000万人
2)世帯数は1)の約半分 →6,000万世帯
3)2)の1/10がピアノを持っている → 600万台
4)定期的に調律が行われているのは3)の1/3→200万台
5)調律を行うのは1年に1回 →200万回
6)1人の調律師が年間で行う調律回数は3回/日×160日(平日の60%を調律の仕事)→ 480回
7)日本にいる調律師は5)と6)より200万/480≒4,000人
ほとんどが仮説に基づく計算ですが、実際に日本の調律師の数は約5,000人らしいのでかなり精度が高い算出となります。
ネットで調べればすぐにわかるのでは?
という結論に行きがちですが、スピーディーに、結論を算出するための要素の因数分解ができることがポイントで、算出値自体は重要ではないと考えます。
以前の私は、フェルミ推定は一部の天才達だけが使える手法で自分には関係ないとタカを括り避けるように生きてきたのですが、最近ふと本で読んでみると今更ながら面白い思考法と感じました。
考えてみると会社の業務でも一部の条件からビジネスプランを立案したりしていましたし、さらに中小企業向けのコンサルは、ヒトモノカネのリソース(=条件)が制限された中でどの程度のアウトプットが
期待できるのかという観点からより使う機会も多いのではないかと思います。
最近では、コンサル企業もフェルミ推定が候補者の能力をはかる手段として適当か懐疑的な見方もあるようですが、少なくともこういった考え方ができる方は優秀な思考能力の一つを持っているのではないかと考えながら本を読んでいます。
懸念点としては、フェルミ推定を学んでいるといつも「コンサル企業へ転職するの?」と聞かれることですが、興味のあるみな方はぜひ学んでみてください!