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働き方改革?~ガイアの夜明けから

2019-12-18 12:00:00 | 19期生のブログリレー

こんにちは。19期の森(宏)です。

 

今回は、テレビからのネタで恐縮ですが、前回(12/10)の「ガイアの夜明け」を観ての感想など書かせていただきます。

 

当該回の放送では定食系外食チェーン「OT屋」が、今年4月から施行された残業時間規制に対し、どのように働き方改革を行っているのか、ということを密着取材する回でした。OT屋は現在、営業面でも直前期で上場以来初の営業赤字を計上しており、その苦境の中で労働時間を削減しつつ業績も回復させなければならないとう状況にあります。

 そもそも残業規制は今どのようなルールになっているのでしょうか。(図は厚生労働省のサイトから)

ポイントとしては

・上限(月45時間・年360時間)が法律で規定されたこと(以前は大臣告示)

・月100時間、2か月~6か月平均で80時間以内などの上限が設けられたこと

(以前は36協定に特別条項を設けていれば年6か月までは事実上無制限であった。)

・加えてこれらに違反した場合は罰則規定が設けられた。

などがあります。

 

 番組では、OT屋が4月以降の社員(放送では特定の3店舗の店長)の残業時間をこの規制時間内に抑えるために、社長以下奮闘する様子に密着します。

 あらすじを紹介すると、

 社長の陣頭指揮のもと遅々として長時間残業を減らせない店長たちに「目が死んでいる」、「店無くなるよ」、「店長を降りてもらうしかない」等々社長が檄?を飛ばします(この辺が後に炎上したようです)。

 

 ある店長は残業を減らすにもバイトが確保できないので自分がやるしかないと言い、ある店長は残業を見込んだ生活設計をしているので正直困ると言う。またある店長は人が集まらないのでタイミー(単発バイトアプリ)に頼る(これにはマジか!とツッコミ)。

 

 また外国人バイトがより時給の高いところへ辞めて行ってしまう中、残った日本人バイトが店長に時給アップを提案し、さらに店長が社長に直訴する場面も(テレビ用かもしれませんが一応受け入れられた模様)。

 

 営業面では、メニュー改定という建前の値上げが顧客離れを起こして業績悪化、再びリーズナブルなメニュー開発を急ぐちぐはぐぶり。それも労働時間短縮のためには提供時間(調理時間)を短縮しなければならない制約の中、なんとか売り切れるほどの人気メニューを開発します。客足も少し戻った様子。

 

 社長はアルバイトから社長まで昇りつめた方で、当時の自分たちを「OT屋戦士」と言い、当時のがむしゃらなやり方は「今の時代には適応できない」と話します。

 それでもその経験から、直接現場にも指導に入り、開店前の仕込みの順序の一部を並行して作業するように工夫させて結果1時間短縮を実現するなどさすがの場面も。そういえばトイレ掃除も社長自ら店舗に出向いてやってましたね。

 また、収入減を心配する店長に「がんばった分、収入が減るなんてことにはならない」と言う場面もあります。この辺は具体的にどう報いるのか興味ありましたが残念ながら番組ではそこまで。

 

 もちろん各店長が残業を減らして早く退社できたことで、家族との時間が増やせたと肯定的なシーンもあります。

 

 結局、営業時間の短縮、本社からの支援要員や店舗間のアルバイトの融通、店長の仕事の一部をバイトにも任せる、前出のオペレーション改善など、とりあえず目前の法律違反は回避するという形で番組は終わります。

 

 観た直後の感想としては、よくこれだけ明け透けに見せたな、と単純に感心したのですが、世間的には結構厳しい意見(とくに社長の精神論・根性論みたいなものに対し)があったようで、見ようによっては「上からやれと言うだけで店長以下に押し付けている」、働き方改革を標榜した人件費削減だと感じたかもれません。Twitterの公式アカウントでは謝罪ではないですが、「皆様のご意見を真摯に受け止め・・・」のようなツイートをしていました。

 

 実は後で知りましたが、放送前は公式アカウントいわゆる“中の人”が放送を告知し、この番組が会社の“働き方改革”のアピールになると考えていた節があります。当然制作側とは打ち合わせや内容チェックもしていたでしょう。ただ実際の放送後は上記のとおり。とてもアピールにはならなかったようです。このテーマの扱いの難しさを感じました。

 

 診断士だったらどのような改善提案ができるのか、などいろいろ考えさせられる内容だったかなと思います。

コメント (3)
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