今日はしとしと雨、とても寒くなるとのことで、下着を密かに長袖にチェンジしました。皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
今回は、少しばかり地元の話題です。私は、生まれも育ちも荒川区は尾久のあたりです。よく、子供の頃タクシーに乗って家に帰る際、親が運転手に「尾久三業へ」と言うと、運転手がうなずいて幹線ではない通りをスイスイ走ったのを覚えてます。そういえば、昔は「尾久三業通り」という看板が立ってたようにも記憶しております。何の疑いもなく私も親を見習って、タクシーで帰宅の際は運転手に「尾久三業」と行き先を伝えておりました。
さて、この「尾久三業」という言葉、実は地名ではありません。荒川区は関東大震災以降、工業の町として発展しましたが、そのころ、このあたりには温泉が湧いていたそうです。その温泉を活かして、遊興娯楽地として、この尾久のあたりで盛んになりました。その遊興のための料亭、芸妓置屋、待合を指して三業と呼びました。私が幼少の頃には、宮前商店街と小台通りの間あたりにそれと思しき立派な門構えの料亭が何軒かあったと記憶していますが、今では料亭も普通の住宅となり、その面影もだいぶなくなっております。かの有名な阿部定事件もこの尾久三業の待合で起きております。
この尾久三業通りに続く形で、東電変電所から都電通りに向かって宮前商店街があります。ここも幼少の頃は、おいしいコロッケを売ってた肉屋や、小学校同級生の実家が営んでいるパン屋(これは今でもあります)、魚屋、八百屋などの店がずらっと並んでいて、とてもにぎわっていましたが、今ではいくつかの飲食店と、薬局が並んでいる感じで少々寂しい状況です。
この薬局が並んでいるのは、商店街に面している東京女子医大東医療センターに対応したものです。この病院で働いている関係者は1000人規模と聞きます。このあたりの消費を支えている存在と言えます。その病院が2021年に隣の足立区に移転し、代わりの病院が跡地に入る予定となっています。この商店街にとっては大打撃のようにも見えて心配です。事実をよく確認せずに一概にそう決めつけてはいけませんので、今後もよく動向を見守り、近隣の住民として何かできることはないか考えていきたいと思っております。
食べログで人気の燃える酒鍋や中華屋、ピザ屋、おにぎり屋、豆腐屋、喫茶店など、魅力のあるお店が多いのでお近くにお越しの際はぜひ立ち寄ってください。
追伸:東京女子医大東医療センターの行き先である足立区はといえば、大企業の移転跡地に大学や病院を誘致し、若返りを図りながら街の再開発に邁進しています。その足立区長の手腕に注目が集まっています。ご参考まで失礼いたしました。