みなさん、こんにちは
稼プロ!19期生の森(宏)です。
さて、話題は今に始まったことではないですが接客業の受難についてです。
先日、ニュースで某携帯ショップの店員が客に関するメモに「ク〇野郎」などと書いてそれがうっかりその客の手元に渡ってしまい、SNSに晒され炎上するというニュースがありました。
まあこの件は論外ですが、日ごろ、特にこの日本においては接客業に勤めている方のストレスというのはかなり溜まっているのではないかと感じています。
「お客様は神様」は疑う余地のない金科玉条として接客業に根付いてきました。確かに商品やサービスを買ってくれる人は神様なのかもしれません。そのために言葉遣い、笑顔、その他のホスピタリティを尽くすことはもっともだと思います。とは言え、やたら上から目線の客、過度に丁寧な接客やサービスを要求する客、価格にしか興味のないような客にまで同じような態度で応じないといけないのは「しんどいよなあ」と思うところもあります。
以前見つけたブログ記事
内容は「フランスの店員の接客態度は世界一粗悪」ということについてですが、その理由として研修などがあまりないことを挙げつつ、一方でフランス人の接客は、そうしたマニュアル的なものではなく、店員も客もそれぞれ育った環境が異なる中で、接客は結局その「個人と個人とのやりとりである」という意識があることを指摘しています。日本では特に研修しなくても家庭の教育や自分がお店に行った時に受けた接客の体験から、どんなお客さんにも等しく丁寧な接客をするのが当然という意識が染みついているのではないかと思います。そうした環境要因が日仏の接客の違いに表れているというのは面白い考え方だなと思いました。
また、このブログではフランスの「失礼な客と戦うカフェ」が紹介されていて、注文時に
「コーヒー」なら5ユーロ
「こんにちわ。コーヒー」なら2.50ユーロ
「こんにちわ。コーヒー下さい」なら1.40ユーロ
という店内掲示を出して、顧客の態度によって料金を差別化していることが話題になり、実際賛同する動きはフランス国内に広まっているというようなことも書かれています。(ちょっと前の記事なので、今はどうかわかりませんが)
つまり「店員の態度が悪いのはお客さんの態度も悪いから」。さすがにそれは極論だとしても、普通クラスの欧米のレストランやホテルでも良いサービスを受けようと思えば店員やスタッフに気に入られろ、というのはある程度常識というのは聞いたことがあります。まあチップの習慣なんかはそのまんまですけど。
日本にも「魚心あれば水心」とう言葉がありますよね。
日本のサービス業は、過当競争によって、高級ホテルやレストランなどはともかく、100均に至るまで一定品質の接客マナーが要求され、その他24時間営業や、年末年始営業、当日配送・時間指定などサービス合戦は止まることなく進行してきた感があります。
それでもご存知のとおり、ここにきて働き方改革(あるいは人手不足)から、コンビニ等の24時間営業の見直しを始め、郵便局の土曜配達廃止の動きなど、サービス拡大一辺倒だった様相に変化が見られます。
そんな中で、接客に関しても、従来の顧客絶対優位の主従関係では提供側は疲弊してしまって、ますます「なり手」がいなくなり、結果的に質の低下という悪循環になりかねません。
そもそも売買契約自体には当たり前ですが接客態度は含まれていません。
提供側も受ける側もお互い気持ち良くサービスが消費されていくように、欧米並みとは言わないまでも、もう少し対等な関係に意識を変えていくことも必要なのではないかな、とまあ自分の仕事も言わばサービス行政なのでお為ごかしかもしれませんが、そんな風に思う、という話でした。