こんにちは。
稼プロ!19期生の太田一宏です。
冬本番が到来したようです。寒いですが季節感は嬉しいものです。
さて、『デパートを発明した夫婦』という本をご存知ですか。
講談社現代新書の1冊で、私は、この本に25年くらい前に出会いました。
それ以来、時おり手にとっています。
ご存知の方も多いとは思いますが、発明されたデパート、言い換えると世界最初のデパートは、
アメリカのメイシーズではなく、イギリスとのハロッズでもなく、また三越でもなく、
フランスはパリのボン・マルシェ百貨店です。
そして、”発明“した夫婦は、アリステッド・ブシコーとマルグリット・ゲランのご夫婦です。
この本は、ブシコー夫妻の成し遂げたことを語っていくものです。
デパートという小売業を発明した、ということですから、まずは営業面で成功することが欠かせません。
数々の新たな試みを行っていますが、
①季節別売り出し、②購買意欲を喚起する展示、③ライフ・スタイル提案、
といった施策が特筆すべきものと思います。
いずれも今でも小売業で広く用いられている施策立案の手法です。
これだけであれば、デパートを発明、という記述にはふさわしくないでしょう。
むしろ人事面での施策の方が、新しかったといえるのではないでしょうか。
それは④利益に連動した歩合給、⑤社員教育のマニュアル化、⑥昇進制度、
といった点に特徴づけられます。
これらも現代の経営で不可欠な要素だといえます。
加えて、労務・福利厚生面でも当時としては画期的な施策を行っています。
⑦社員食堂を作り、⑧養老年金を設け、⑨持株制度を通じて従業員を「社主」にすることで、
従業員のモチベーションをより引き出すことに成功したのです。
ブシコー夫妻の施策に共通しているのは、人間の感情に対する洞察だと私は思います。
それはほとんどのビジネスに今でも欠かせぬもの、私はそう考えています。