こんにちは。21期生の小林です。多様な背景を持つOB・塾生のブログを拝見し、日々学ばせていただいています。
今回私は、先日読んだ、日沖健著『中小企業診断士のリアル』税務経理協会 という本の内容を紹介します。
稼プロ!に入塾し、キャリアについて日々考える中で、診断士の世界の実像を知りたいという思いで、この本を読みました。その中で、特に診断士のリアルとして強く印象を受けたものを紹介します。
この本では、診断士は主に以下の5タイプに分けられるとしています。
①資格取得が最終ゴール型
②企業内診断士・自己啓発型
③企業内診断士・副業型
④プロコン・C型
⑤プロコン・D型
①資格取得が最終ゴール型、が多数を占めて、合格者が資格を必ずしも活かせていないのが実状であるとのこと。また、その次に多いのは②、③の企業内診断士であり、近年では③副業型が特に増加傾向にあります。
①⇒⑤の順番で従事している数は少なくなっていきますが、④、⑤のプロコンはC型とD型(この分類は著者の造語)に主に分けられるというのが面白い視点だと思います。
④プロコン・C型は、コネ・人間関係(Connection)で受注し、中小企業(Chusho kigyo)・零細企業にサービスを提供。
⑤プロコン・D型は、直接(Direct)受注し、大企業(Dai kigyo)・中堅企業にサービスを提供
と定義されます。
C型は、人の助けになり活動満足度は高いが、高収入を得ることは難しく、知識・スキルが高度化しにくい。一方、D型は、高収入を得られる可能性があり、知識・スキルの専門性を磨ける可能性はあるが、会社を変えるほどの貢献はしづらくCよりも満足感は得にくい。
と特徴づけています。
D型の受注チャネルとして、ホームページの閲覧者や、ビジネス書・雑誌記事の読者、セミナー参加者が重要という点もなるほどと思いました。
一口にプロコンと言っても、タイプにより異なることが分かり、キャリアを考えるヒントとなったと考えています。
また、もう一つ印象深い点は、診断士業界での「補助金バブル」、「コロナバブル」がどうなるのかという問題です。
先の安倍政権が中小企業支援の政策を拡充したことにより、診断士業界では、2015年頃から「補助金バブル」が生じ、コロナ禍で「コロナバブル」が起きているとのことです。ただ、日本の中小企業政策を批判するデービッド・アトキンソン氏に菅首相が心酔していることから、中小企業の公的支援は今後縮小する可能性が高いとのことです(本著書は2021年4月発行)。
今後、菅政権に代わる次の政権で、中小企業政策がどうなるか注視していきたいと思います。
本書は、中小企業診断士のリアルが、率直に分かりやすく書かれています。ここに書いた以外でも、各タイプの診断士がキャリアを考えるうえでのヒントが多種多様に書かれており、多くの診断士にとって非常に有意義な本であると思います。