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「伝わる」ことの大切さ

2021-12-08 12:00:00 | 塾長からのメッセージ

こんにちは、塾長の山﨑です。

 

昨日は堀川さんが税理士資格試験のお話しだったので、私も資格がらみで。といってもレベルは全く違いますが。

皆さんは「防災士」というのをご存知でしょうか。

1995年の阪神淡路大震災では6千人を超す多くの死者が出ましたが、がれきの下敷きになった27千人もの人を近隣住民が救出したことが注目されました。このことがきっかけで「人」資源による地域防災力向上のために創設されたのが「防災士」です。

その講義と試験を土日で受けてきました。防災士のお話しはまた別の機会に譲るとして、今日はこの講座の中でとても印象に残ったお話しがあったのでご紹介したいと思います。

 

NHK報道デスクで江戸川大学メディアコミュニケーション学部教授、名古屋大学客員教授の隈本邦彦氏の「災害情報の活用と発信」というお話しです。

 

NHKでは「天カメ」、お天気カメラのことをそう呼ぶのだそうですが、を全国460ヶ所に設置しているそうですが、大部分が沿岸部に設置してあるそうです。それは、台風の打ち寄せる波の様子を伝えるためでもありますが、地震津波の第一波を捉えることが大きな目的だそうです。

 

そうして2011311日の東日本大震災においては、釜石に設置した「天カメ」がまさに津波の第一波をリアルタイムで捉え、生中継されたのです。地震発生からおよそ30分後のことです。

その後も襲い掛かる巨大津波を沿岸各地の「天カメ」から中継され、リアルタイムで報道されたので、ご記憶の方も多いと思います。

ここまでは災害報道デスクだった隈本さんの狙い通りで、この報道が避難行動に繋がることを期待したのですが、実際はまるで役に立たなかったのです。

 

多くの死者行方不明者を出した宮城県南部閖上地区では津波の到達は約1時間後だったので、釜石の様子を見てからでも十分逃げることができたはずなのですが、実際は誰も見ていなかったのです。停電していたから誰もテレビは見ていなかったのです。テレビで津波を見ていたのは被災地ではない人々だったのです。一番見て欲しかった人々には全く伝わらなかったのです。

報道は伝えることが使命ですが、より重要なことは伝えたい人に伝わったかどうかです。このことに隈本氏は後悔と反省の意味を込めて「メディアは災害の教訓を伝えるのが下手」とまでおっしゃってました。

 

先日の稼プロ!の講義はプレゼンテーションでした。ここでも大切なことは伝わったかどうかと教えていただきました。

企業診断においてもいくらいい提案であっても経営者に伝わらなかったら行動につながらず、生かされることはありません。

「伝わる」ことの大切さを改めてかみしめた「防災士」の講義でした。

 

ちなみに、NHKでは大震災など非常時にはすべてのメディアで総合テレビの情報を流すそうです。

つまり、停電でテレビが点けられなくなったときにはラジオで聞けるということです。

そのため非常時のテレビ放送は競馬や相撲の中継のように、アナウンサーが画像を全て言葉にして伝えるそうです。

コメント (2)
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