事務局の佐々木(晋)です。こんにちは。Quiet Quittingという言葉をご存知でしょうか?直訳すると”静かな退職”という意味で、会社でエンゲージメントが低く必要最低限の仕事しかしない人々を指すようです。米国ではGallup社が「会社で働く人の半分がQuiet Quitter」と発表するなど、メディアでこの言葉が頻繁に取り上げられています。つい先日、日本のニュース番組でも国内での事例が紹介されていました。20代の8割が会社での出世を望まず、責任や仕事量が増えるのを避け、定時で帰宅する若者が増えていると。
Gallup社はQuiet Quitterが増えている原因を、”上司と部下の関係の悪化”と指摘しています。やはりコロナ禍のリモートワークが悪化を加速させたようです。だからと言って出社に戻すことは解決策になりません。米国での調査によると出社を強制した場合、2/3の人が転職を検討すると答えたそうです。どうしたら良いのでしょうか?
Gallup社は管理職と部下の関係を悪化させる要因として以下の4点を挙げています。
・上司からの期待が明瞭でない
・会社のミッションやパーパスと繋がりを感じられない
・一生懸命働いていることが認識されていない
・キャリア開発のサポートが足りない
私も管理職の一人として耳が痛いです。上記4点が大事なことであると認識していますが、忙しい日常のなかで十分にケアできてるとは言い切れません。部下のエンゲージメントを上げるためにもっと意識しようと思いました。
その一方で、原因は上司と部下の関係悪化だけではなく、若い世代の仕事に関する価値観の違いもあるのではないかと思っています。我々の世代でも若い時に、”上司や先輩のように仕事だけの人生にしたくない”と思う人はたくさんいました。でも今はその根拠が当時よりもシリアスである点に違いを感じます。格差や気候変動問題など、競争による成長の追求の見直し気運が高まっていることも関連しているような。以前職場で稼プロ!のキャリアアンカーを実施したことがあるのですが、20〜30代前半のメンバーで出世を重視する”経営管理能力”をアンカーにした人はゼロで、”生活様式”と”奉仕・社会貢献”に分かれました。世代間の考えの違いというのは、時に対処が大変ですが非常に興味深くもあります。