We're All Somebody From Somewhere / Steven Tyler (2016)
ベテランの新譜続き。エアロスミス(Aerosmith)のスティーヴン・タイラー(Steven Tyler)による初のソロ・アルバム。今までもソロ活動はしていたが、アルバムとしての発表は初めて。長い長いキャリアの中でむしろ今まで出ていなかったのが不思議なくらい。彼が今まで単発で発表してきたソロ曲やゲスト参加曲、サントラなんかに収録された曲なんかは出来の良いものが多かったので期待も大きかった(その割に購入が遅いが)。ただ「カントリー」アルバムだという情報が流れていたので若干の心配もあり…。個人的には2011年のソロ・シングル「(It) Feels So Good」の路線で行って欲しかったんだけどなァ。
アメリカにおいては日本では考えられないくらいカントリー・ミュージックの市場や影響がデカいので、やり過ぎて彼の良さがスポイルされていなければいいと思っていたが、アルバムを通して聴くと心配は杞憂に終わる。最初から最後までスティーヴン節は全開だし、音楽性もバンドの構成こそフィドルやバンジョーなんかが入っているのでカントリー色がかなり強い事に間違いないが、あまり「カントリー」と意識する必要もないくらい。でもある意味この中途半端さが批評家連中からの低評価につながっているのかもしれないナ。
2や5や11などのPVが作成されているシングル曲(もういわゆるシングル・カットという形態ではないのかもしれないが)の出来はさすがに抜きん出ている。エアロスミスの名曲14「Janie's Got A Gun」をカントリー(というかアコースティック)ヴァージョンでリメイクしていたり、ジャニス・ジョプリン(Janis Joplin)で有名な15「Piece Of My Heart」(オリジナルはErma Franklin)を演っていたりと、ちょっとしたフックも効いている。ミドルテンポの曲が多いので、ちょっと中だるみするきらいもあるが(出来ればあと2曲くらい削っても…)、総じて楽しめた。でも傑作!と言えるかというと正直ちょっと微妙なのは間違いない。バンドの面子がどんなだかは映像を見ただけではピンと来ないが、来年4月に予定されている来日公演がどんな内容になるのか楽しみ(大阪へ行くのか、東京に行くのか、それとも行けないのか…)。
amazonにて購入(¥1,135)
- CD (2016/7/15)
- Disc : 1
- Format: CD, Import
- Label : Universal