ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

コロムビア @岐阜県岐阜市 (4) (※閉店)

2016年12月24日 | 岐阜県(岐阜)

9月一杯で閉店してしまった喫茶レストラン「コロムビア」。使い勝手の良い昔からの繁盛店だったので「コロムビア・ロス」(昭和歌謡のグループ名みたい・笑)に陥っている貴兄もおられるだろう。訪れたのは閉店まで約1週間といったあたり。午後2時か3時の半端な時間だったが駐車場はいっぱい。店に入ってもほぼ満員で、普段使われていない奥の部屋には団体客もいるようだ。きっとみんなこの店との惜別に来ているのだろう。いろいろ迷ったが、結局注文したのは「カツカレー」。

週刊誌を読みながら待っていると、カツカレーがサラダ付きで運ばれる。少し淡い色をしたカレーはほぐれた肉片が溶け込んでいる。辛さは控えめの、あくまでも昭和の喫茶店カレー。でもその辺のしれっと業務用ルーを使ったカレーよりもやさしい味わいで、旨さは数段上。カツは薄めの肉をカラッと揚げてあり、細目にカットされてのせられている。カレーと合わさった時に起きるあのケミストリー(化学反応)が最高。旨い。カレーとカツってどうしてこうも合うのだろう。福神漬を挟みながら、名残り惜しいこの店での最後の食事を終えた。まだ食べていないメニューも沢山あったが残念。惜しまれて盛況のうちに店を閉めるというのは、ある意味最高の終わり方だろう。今までお疲れ様でした。(勘定は¥850)

以前の記事はこちら (1)(2)(3

 

コーヒー&レストラン コロムビア

岐阜県岐阜市北一色7-25-17

 

( 岐阜市 ぎふ 北一色 きたいっしき コロンビア コーヒー&レストラン コロムビアランチ 洋食 喫茶店 食堂 生姜焼き定食 しょうが焼き定食 スープ 閉店 廃業 )

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At Newport 1960 / Muddy Waters

2016年12月24日 | ブルーズ

At Newport 1960 / Muddy Waters (1960)

御大マディ・ウォータース(Muddy Waters)の名ライヴ盤。1960年のロードアイランド州で開催された「Newport Jazz Festival」でのライヴ録音。ちなみにマディが抱えているギターはセミアコだが、自分のフェンダーをステージに置いてきてしまったので、ジョン・リー(John Lee Hooker)のを借りて撮影したのだとか。この時のラインナップは以下の通り。

Otis Spann (piano,vocals)
Pat Hare (guitar)
James Cotton (harmonica)
Andrew Stevens (bass)
Francis Clay (drums)

ライヴは7月に開催され、同年11月に8曲入りで発売されているのだから、かなり素早いプロダクションだ。このCDでは音源がリマスターされ、曲数も増やされての登場。1960年と言えばマディの年齢は47歳。この頃の映像を見ると後年の聖人然としたどっしり感はまだ出ていないものの、逆に(女性ファンを)ブイブイ言わせていた頃だろう勢いの良さがある。バックの面々もそれぞれが単発でいけるほどのメンバーだから文句無しにいい。どちらかと言うとカントリー・ブルース色の強いマディが、完全にエレクトリック・シカゴ・ブルースの頂点として君臨している様子を捉えた記念すべきライヴ盤だ。

とはいえ、実際にはアメリカ本国での彼らブルース・マンの扱いは今ひとつで、1963年にストーンズ(The Rolling Stones)の連中がアメリカに渡ってチェス・スタジオで録音した時も、マディは建物のペンキ塗りをしていたっていう逸話が残っているくらいだからヒドイものだ。後年のインタビューでも「イギリスの若い連中に曲を盗まれて悔しくないか」という質問に、彼らが発掘してくれなかったらアメリカでは無視されたままだった旨の発言を残している。だからマディはストーンズの連中との共演でも、彼らホワイト・ボーイを「Son(息子)」と呼んだのだろう。

中古店にて購入(¥540)

  • CD (2001/2/27)
  • Disc : 1
  • Format: CD, Original recording remastered, Import, Live
  • Label : Chess
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丸市 @岐阜県岐阜市 (6)(※閉店)

2016年12月24日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

今年も残すところあとわずか。最も印象に残った店2店を思い返す。夏(8月末)に閉店してしまった岐阜市花沢町の老舗食堂「丸市」と、北一色の喫茶レストラン「コロムビア」。もう味わうことが出来なくなってしまった貴重な戦前からの食堂の味と、皆に愛された昭和の喫茶店の味をいくつか記憶として記しておこうと思う。

ある夏の夕方に伺って注文したのは「冷やし中華」。この日は女将さんだけで、主人の姿は見当たらない。鋳物コンロの上に置かれた昔ながらの下駄のような木の蓋(正式名称何だろう?)がのった羽釜で麺が茹でられる。いつものように静かに包丁で刻まれた具材は、キュウリ、ハム、カマボコ。それに刻み海苔が振られている。麺は細ストレート麺。中華そばの時と同じ麺じゃないかと思う。スープの酸味もほどほど。市販のマヨネーズとカラシが置かれたが、カラシだけちょこっとつけていただいた。(勘定は¥480)

別の日には、始めてこの店に入った時に食べて、そのクラシックなスタイルと素朴な味に感動した「オムライス」をもう一度注文。白い平皿に盛られたシンプルな姿のオムライスには少なめのケチャップがたらされている。薄皮玉子に包まれた中身は、いつにも増してあっさりとした味付け。いつも女将さんがウスターソースを置いてくれるので、この日は少し垂らしていただいた。(勘定は¥500)

また別の日にいただいたのは「ヤキソバ」。テレビの音だけが流れる静かな店内に、いつもの静かな調理と違い、珍しく炒める音が響く。白い平皿に盛られたヤキソバは、キャベツと、下味の付けられた(苦手な味付けの)豚小間切れ肉、それに紅生姜がのっている。細ストレート麺なので、例の中華麺と同じだろうか。ウスターソースの容器も一緒に置かれたが、ソースで味付けはされている。優しい味。(勘定は¥450)

そして壁に貼られた閉店の告知に記されていた8月31日。何とか営業終了時間(午後8時)までに店にたどり着けそうだったので、思い切って車を走らせる。最後にあの旨いハヤシライスを食べておきたい。近くに車を停めて勇んで店まで歩くが…、無情にも回転灯は消え、暖簾はしまわれ、カーテンが引かれていた…。あぁ、最終日は早仕舞いだったか…。無念。

少しだけ開いていたカーテンの隙間からはテーブル席で老齢の御主人と女将さんが仲良く2人だけでテレビを見ながら食事していらっしゃる姿が見えた。これで店の歴史は終わりとなるが、何も特別なことはせず、今まで通り、いつものように過ごしていらっしゃったんだろう。長い間お疲れ様でした。ほんの少しの間とはいえ、この店を味わうことが出来て幸せでした。

以前の記事はこちら (1)(2)(3)(4)(5

 

丸市(丸市食堂)

岐阜県岐阜市花沢町3-25

 

( 岐阜市 ぎふ まるいち まるいち食堂 洋食 麺類食堂 大衆食堂 戦前 戦後 洋食 中華そば 天ぷら中華 やきそば 焼きそば オムライス 閉店 廃業 )

コメント (4)
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