ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Blue & Lonesome / The Rolling Stones

2016年12月05日 | ブルーズ

Blue & Lonesome / The Rolling Stones (2016)

ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の新譜。新譜ですよ、新譜。齢70ウン歳のキャリア50年以上の爺さん達の新譜。11年ぶり。ジャケットは今までありそうで無かったベロ・マークのみ。ブルースだからとベタに青くしてシレっとしているところも含めて、プロダクションがインスタントに進んだことを伺わせる。既に録音は進んでいるらしいがオリジナル曲の収録は一切無く、全曲ブルースのカヴァー。選曲は有名曲ばっかりでもなく、ちょっと渋め。イメージとしてはシカゴ・ブルースの伝道者みたくなっているが、初期を除けばブルースのストレートなカヴァーは意外と多くないストーンズ。ストーンズ単体としては、海賊盤で聴けるものを除けばごくわずか。ただ以前ミック(Mick Jagger)が他のバンド(The Red Devils)と演ったブルース・カヴァー・アルバムは地下で出回っていて、ミック個人のベスト・アルバムに一部収録されたり、他の演奏者とのライヴ演奏が発表されたりすることはあった。

さて、このアルバム。ちょっとディープなストーンズ・ファンだと”海賊盤のかなり音がいいやつ”的な(笑)印象を持つ人も多いんじゃないか。アレンジに奇をてらうことなく、一発録りでオーヴァー・ダブ無しっていう録音方法が、まさにストーンズの海賊盤で聴けるスタジオ・アウトテイク的なテイストを作り出している。今回は普段「ブルース・カヴァー・アルバムなんてベタ過ぎだろ」って一番言いそうなミックに引っ張られて次々と録音されたそうだし、歌い込んでいない分、ちょっとオーヴァーな節回しもそのままで微笑ましい。いつもならダラダラと、長い時には1年もかけてレコーディングをするのが常のストーンズが、何と3~4日で完成させたというんだから、よほど興に乗ったんだろう。

オリジナル・メンバー以外の参加は、シカゴ出身のベースのダリル・ジョーンズ(Darryl Jones)とキーボードのチャック・リヴェール(Chuck Leavell)、ミックと懇意のマット・クリフォード(Matt Clifford)。ただどの曲でもあまり出しゃばってなくて、サラッとしているのもいい。そして隣のスタジオに居たという旧友・エリック・クラプトン(Eric Clapton)が2曲に参加。インタヴューなんかを見ると、この路線でのミックのやる気に、キース(Keith Richards)が嬉しくて嬉しくてしょうがないといった感じ。94年の「Voodoo Lounge」でもそうだったが、キースはミックのハープ演奏が大好きで、ミックがたくさん吹くとベタ褒めになる。分かりやすい(笑)。もうこの調子で新曲も発表しちゃえ。もう時間はあまりないんだ。

amazonにて購入(¥1,347)

  • CD (2016/12/2)
  • Disc : 1
  • Format: Import
  • Label : Universal Music
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