今はどんな街に行ってもバイパスが出来、アクセスは良くなったが、街を通り抜けるのも早くなってしまった。最近は、バイパス沿いに自分が惹かれる街の姿はほぼ皆無だと分かって、わざわざ旧道を探して移動することが多くなった。こちらも名古屋城と中山道の伏見宿(可児郡御嵩町)を結ぶ上街道(木曽街道)近辺をバイクで走っている時に見つけた店「藤屋」。後から調べたら創業は明治13年(1880)と長い歴史のある店だった。名物は表にも書かれているように「うす皮饅頭」のようだ。バイクだったので気付かなかったが、店の隣に駐車場もある。店に入るとすぐにガラスケースがあり、素朴な饅頭が並んでいた。奥には懐かしいガラス製菓子陳列ケースなども置いてあり、テーブルもあって座れるようになっている。アイスクリームもあり、夏季にはかき氷も売っている。
もちろん「うす皮饅頭」を購入して持ち帰る。艶のある皮は言うほど薄皮ではなく、やや硬めの食感を残した素朴な皮。自分で作るとこういった感じの皮になる。中はつぶ餡で小豆の粒がしっかりとしていて、甘さは控えめ。手作り感溢れる饅頭だった。場所柄、その昔は街道を行き来する人達の大切な休憩場所だったに違いない。(勘定は¥120/個)
↑ 店のすぐ近くの商店街にあった下見板張りの住宅と、昔ながらの床屋の典型的な意匠が懐かしい理容店。更地が増えていくとこの通りも…。
↑ 食料品店「萬長本店」は、日本家屋に洋風な看板壁を建て、看板建築にしてある。昔「シキシマパン」の販売店はこんな様式が多かったと記憶している。瓦屋根に「屋根神様」が祀ってあるのがいい。小牧市で完全な形で残っているものでは数少ないうちのひとつだとか。
愛知県小牧市小牧4-567
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