Let's Get Stoned With The Silent Stone - Bill Wyman Sampler / Bill Wyman (1995)
元ストーンズ(The Rolling Stones)のベーシスト、ビル・ワイマン(Bill Wyman)のプロモーションCD。ミック(Mick Jagger)とキース(Keith Richards)という2大フロントマンを擁するストーンズにあって常に”Silent Stone”などと言われてきたが、その実は全然サイレントじゃなかったビル(笑)。ストーンズの楽曲で最も早くソロ作品(「In Another Land」- Their Satanic Majesties Request・1967)が取り上げられたメンバーであり、最初にソロ・アルバム(1974年)を発表したメンバーでもある。オフステージでは片っ端からファンから誰からハメまくり(苦笑)、冗談抜きで千人切りを自負していた暴れん坊(下半身のみ)。ストーンズでは何をやっても全部ミックとキースの手柄にされてしまうので嫌気が差し、とうとう89年の「Steel Wheels」以降バンドに参加しなくなった。あんなビッグなバンドに居ながら永年ほとんど破産状態だったというから穏やかでない。自伝も読んだが、ミックとキースに対する恨み節満載(笑)。
そんなビルが過去に発表したソロアルバム「Monkey Grip」(1974)、「Stone Alone」(1976)、「Bill Wyman」(1982)から抜粋されたのがこのプロモCD。アルバムのCD再発にあたって作られたもののようで一応非売品だが、ある程度数も出回っていてそんなに珍しい物ではない。ジャケット写真は「Stone Alone」のバック・カバーに載っていた怪しげな写真。彼の音楽性はなかなかクセが強く、シンセを多用したり、南米ラテンのエッセンスが入っていたり、いわゆるオールド・タイムなロックンロールとは違う複雑なもの。もちろん数多のブリティッシュ・ミュージシャンと同様に”アメリカ”というものに対してのシンパシーというか傾倒は見られるが、飄々としたヴォーカルといい、全体的にクール(というかロック特有の熱が伝わってこない)な曲調といい、ちょっと醒めた雰囲気が特徴か。バッキング・ヴォーカルにポインター・シスターズ(The Pointer Sisters)を使ったりと何となく西海岸寄りで、ロン・ウッド(Ron Wood)の音楽性に通じるものもある。なぜか小ヒットした(失礼)81年の「(Si Si) Je Suis un Rock Star」を始め、彼のベスト盤と言っていい内容。このまま売れば良かったのに…って売れる訳ないか(←ホントに失礼だ)。
オークションにて購入(¥1,281)