Anthology / Pete Townshend (2005)
ザ・フー(The Who)の音楽の要であり、ほぼ全ての曲を手掛ける稀代のソングライター、ピート・タウンゼント(Pete Townshend)。それだけでも充分な音楽的功績だが、一方ソロ活動となると正直パッとしないイメージ。ヒット曲もあるにはあるのだが、誰もが知るという感じでもないし。ま、相手が巨大なザ・フーだからどうしようもないのだが…。この2枚組アンソロジーが発売されてもあまりピンと来ていなかったが、やっと聴いてみようという気になった。彼のソロ・アルバムは何枚も持っているがコンプリートはしていないし、以前発売されたベスト盤も所有はしているがあまり聴き込んだ覚えがない。デモ音源を集めた「Scoop」シリーズも結局ザ・フーの元曲ばっかり集めて再編集して聴いているとう体たらく(申し訳なし)。これでファンを自認しているのだから厚かましい。
1972年の初ソロ「Who Came First」から1993年の「Psychoderelict」まで時系列には並べずに収録。こうしてみるともっとソロ作品があったように思っていたが、意外に少ない感じがする。ザ・フーの復活に伴う活動や、アーカイヴ作品の連続でいっぱいいっぱいだったのかもしれない。何しろいまだにほぼ毎年ザ・フーに関する何かがリリースされている状態だから…。改めて聴くとどの曲もいいし、ヴォーカルだって力が入っている。シンセを使用している曲が多いにも関わらず、不思議なほど時代による音の違いを感じない。これはリマスターの成果なのかもしれないけれど。シンプルにアコギを使って作ったフォーキーなタッチの曲がなかなかに素敵。ただそれらがどのアルバムに入っていたか思いだせないというのはやっぱり当時から印象が薄かったんだろうなァ。後年の曲の出来が良いのに売れ行きが良くなかったのはピートもショックだっただろう。
オークションにて購入(¥910)
- CD (2005/10/5)
- Disc : 2
- Label : テイチクエンタテインメント