酷暑の中、かつては色街(旭遊郭)だったという大垣市の藤江町近辺を遺構や名残を探しながら自転車でウロウロ(←まるで不審者)。数は多くないが残った建物や、街の雰囲気を感じながら走って探索範囲を拡げると「朝日屋」の店の前に出た。まだ午前10時過ぎだったが暖簾が掛かっている。そうか10時開店だったか。どうせ朝食も採っていないし、強い日差しで暑いしと暖簾をくぐることに。自分だけかと思いきや、すぐに車が停まって客が中へ入っていく。しかも先客まで居た。テーブル席に腰を下ろして注文したのは「酢なし中華」。調理を待っている間にも次々と客がやってきて、自分のテーブルもすぐに相席になった。朝から人気だなァ。
運ばれた「酢なし中華」は見た目普通の中華そばと変わらない。湯気が全く立っていないのはスープも冷たい中華そばだから。スープはほとんど油が浮いておらず、麺も具も冷たい。いわゆる”冷やし中華”と区別するためにこのネーミングになったのかな。スープはビッと塩分が効いていて、汗を流して自転車を漕いでいた体に滲み渡っていく。温かい麺ではあまり感じなかったのだが、この麺旨いなァ。冷やされてコシも出ているのだろうが、ちゃんとアシ(伸び)もあってツルンとした口当たりがとても良い。水面には他にチャーシュー、小さく軟らかいメンマ、カマボコ、刻みネギ。チャーシューは切り出してそのまま冷たいスープに浮かんでいるので脂の部分がどうしてもアレだが、暑い夏にぴったりの冷たい麺を、いいタイミングで食べることが出来た。(勘定は¥520)
↓ 店の向かいにもべんがら塗りの建築が(建築詳細不明)◇。道を挟んだはす向かいの建物も角面が囲われていて分かり辛いが2階を見るとそういった類の建物だったように見える。
↓ 藤江町に残る遊里らしい建築(建築詳細不明)◇。現在も住宅として使われていて、緑色に塗られた壁と丸窓、軒下に付けられた照明などが綺麗に残っている素晴らしい建物。
↓ 一方こちらは上の建物のすぐ近くにある崩壊寸前の建物(建築詳細不明)◇。壁面にべんがら塗りが微かに残るものの放置されていたらしく、後は崩れ落ちるのを待つのみか…。
↓ かなりの大店だったと思われる建物(建築詳細不明)◇。瓦屋根ののった塀、べんがら塗りの2階壁面、玄関の唐破風の細工も精緻を極めている。ぴったりとくっついた隣の棟にも別の破風が。こういう建物がずっと続いていたのだろうか。
↓ 後から出来たバイパスを横切って西へ渡ったところにある建物(建築詳細不明)◇。こちらの唐破風も細工は素晴らしい。ただ大きい建物の西側はちょっと傷みが激しいようだ。
名代手打 朝日屋
岐阜県大垣市東長町40
( 大垣 おおがき あさひや 麺類食堂 大衆食堂 手打専門 かつ丼 カツ丼 中華そば ラーメン 丼ぶり 近代建築 遊郭 妓楼 遊郭跡 赤線 三業 )