1日半、休みが取れたので久しぶりに豊橋まで遠征。この日は生憎の雨模様だったが、急遽初めて豊橋で泊まってみることに。傘を持って豊橋駅に降り立った。宿にチェックインする前に歩いて向かったのは、ずっと一度は訪れてみたいと思っていた「立呑あさひ」。昭和2年創業の酒屋「旭屋酒店」に隣接する立呑みの店だ。立呑みの店も戦後の昭和23年(1948)創業というから長い歴史がある。こちらは日曜休みなので今まで1度も訪問が叶わなかった。正直今回豊橋に来たのはこちらに訪れるのが目的のようなもの(笑)。念願の店に到着し暖簾をくぐる。狭い間口で奥にカウンターが伸びている。カウンターの上にはサッポロビールの提灯が下がり、一番奥にはテレビ。土曜だったが午後の外れた時間とあって先客は2名のみ。あぁ、もう旨いに決まっている、とてもいい雰囲気。
主人が出てきて「何にしましょう?」と訊かれたので通常の品書きとは別に壁に貼られていた「英勲・しぼりたて」をお願いする。さっと蛇の目の1合利き猪口(←うちにもある)が置かれて、1升瓶からトクトクと擦り切りまでなみなみと注がれた。正1合。うかつにも猪口を動かそうとしてしまい、少しこぼしてしまう…(恥)。すぐに主人が布巾で拭いてくれた。お恥ずかしい。次は口から迎えにいきズズッと。あぁ旨い(外はまだ明るいしナ)。酒肴は「お刺身・アジ」をお願いした。「アジ」は生姜とわさびが添えてあり、千切りキャベツの上に放射状に並べられている。つまみながらずしりと重い猪口を口に運ぶ。
あっという間に1合呑み干し、次は「千代菊・新米新酒」と「湯豆腐」を。味噌か醤油かと訊かれたので味噌でお願いする。「湯豆腐」は半丁が半分にカットされ、上から味噌がたらされ刻みネギが散らしてある。コレ家でも時々やるのだが、この場所で食べたらサイコーだ。賑やかになった店内もいいだろうが、奥からテレビの音だけが聞こえてきて、先客も静かに喋っているこの雰囲気も堪らなくイイ。外からご高齢の大女将さんも「いらっしゃいませ。」と入っていらした。
自分の立っている入口近くにある冷蔵庫の上にサーバーの洗浄ボトルがあったので、ふと「生ビール」をチェイサー代わりにお願いした。グラスに注がれた生ビールは予想通り完璧な注ぎ。するっと喉を通っていく。最後は「牛すじ煮」と「いわし玉」を追加。「牛すじ煮」は三河なので当然味噌味かと思いきや、意外にも醤油味。こんにゃくも入っていてあっさり。どんなものか分からず注文した「いわし玉」は実は豊橋(東三河)のソウルフードとも言える名物なのだとか。いわゆるつみれで中には細かく刻んだ人参も見える。擦った生姜、それに紅生姜も添えられていて、醤油をつけていただく。日本酒にピッタリ。これもイイなァ。もうこの店だけで終わってもいいか、なんてふと頭によぎりつつ(笑)、まだ終わってしまうには早い時間だったので、再訪出来る事を願いつつ勘定してもらった。毎日でも通いたい。(勘定は¥2,800程)
立呑 あさひ
愛知県豊橋市駅前大通1-33
※令和5年6月末を以って建物の老朽化によって閉店されました
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