ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Brand New Boot And Panties : A Tribute To Ian Dury / Various Artists

2014年08月11日 | パンク・ニューウェーヴ

Ian_dury

Brand New Boot And Panties : A Tribute To Ian Dury / Various Artists (2001)

2001年に発売されたイアン・デューリー(Ian Dury)のトリビュート盤。イアンが亡くなったのが2000年だから翌年に発売されたことになる。収録曲数は少ないが、参加メンバーはとても豪華。何しろ筆頭はポール・マッカートニー(Paul McCartney)。その他にもマッドネス(Madness)、ビリー・ブラッグ(Billy Bragg)、シェーン・マゴウワン(Shane McGowan)など「イギリス」を強く連想させるアーティストばかり。当のご本人も身体に障害があり、遅咲きであるなど異例のキャリアでありながら、そのクールな低音ヴォーカルを駆使し、アクセントや視点、辛辣であけすけな歌詞など、まさにイギリスを感じさせる稀有なアーティストだった。もちろん、バックを務めたブロックヘッズ(The Blockheads)のファンキーなサウンドがそれを支えていて、アーティストの中でも支持者が多かったので、イアン・トリビュートならではのこの豪華メンバーにも納得だ。

やはり目立つのは御大マッカの3。一発録りのようなラフなヴォーカルながら、シャウトしていてご機嫌な雰囲気。まるでウイングス(Wings)時代を思わせるような仕上がり。自分はポールとイアンとの繋がりに関しては全然知らなかったのだが、生前に何か交流ってあったのだろうか。他にも、自分にとって意外な人選の1、キャラとは違い決してシャウトはしないが、味のあるサッグス(Suggs)のヴォーカルが聴ける4、いつもの酔いどれヴォーカル・シェーンの9など聴きどころは多い。本当にリスペクトしてたの?って疑問を持つような、時代を追ったような旬の流行アーティスト(強いて言えば2と8か)を無理やり入れなかった事が、このトリビュート・アルバムの品を上げている。

オークションにて購入(¥520)

  • CD (2001/10/9)
  • Disc: 1
  • Format: Import
  • Label: Gold Circle Records
  • コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    そーれ @名古屋市中区・栄

    2014年08月09日 | 名古屋(中区)

    2_2

    「名古屋メシ」と呼ばれるこの地方独特の食べ物のひとつ「あんかけスパゲッティ」は、太い麺にとろみのついたスパイシーなソースをかけたもの。いわゆるイタリアンのパスタとは全く別物の食べ物だ。その元祖の店「ヨコイ」には以前訪問したのだが、こちら「そーれ」はその発祥の店とのこと。創業は昭和36(1961)年。「元祖」「発祥」という言葉では分かりにくいかもしれないが、「そーれ」に勤めていた時にメニューを開発した方(そーれの共同経営者)が、独立して開いたお店が「ヨコイ」なのだとか。面白い。奇しくもどちらもビルの2階にある。階段を上がってお店へ。お店の前には待ちが出来た時の為だろうか、椅子とご自由にと書いた飲み物が用意してある。すごい。店に入ると壁に向かったカウンターやテーブルが並ぶ店内。いろんなバリエーションがあるメニューの中から先頭の「そーれ」を選択。発売当時の味を再現したという「クラシック」ソースが選べるということだったので、それを注文してみた。

    自分の座ったテーブル席からは調理場は見えないので、以前ヨコイでやっていたような調理作業なのかどうかは分からない。しばらくして平皿に盛られたスパゲッティが運ばれた。トッピングはポロポロのそぼろ状になった玉子と赤いソーセージとシンプル。ソースはもう固まる寸前というくらい練りの強い餡で、少しだけスパイシー。色は他の一般的なあんかけスパよりも焦げ茶色っぽい。そのソースを太い麺に絡ませながら口の中へ。ソースはモタっとしているし、もとより繊細な味ではないが、なるほどこれが当時の味か。確かにこれに比べると、現在巷で食べられているあんかけスパの多くは、もっとトマトソースの酸味が強く、口当たりもサラリとしていて洗練されていると言えるかも。あっという間に完食した。でもこうなるとクラシックでない現在のそーれのソースでも食べてみないと…。それにしても店名の「そーれ」って変な名前だが由来は何なのだろう?(勘定は¥600)

    この後の記事はこちら (2

     

    スパゲッティハウス そーれ

    愛知県名古屋市中区栄4-9-10 愛信プラザビル 2F

     

    ( あんかけパスタ あんかけスパゲッティ あんかけスパゲッティー )

    コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    金鯱山 @岐阜県岐阜市 (※閉店)

    2014年08月08日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

    Photo_4

    最近のお気に入りは、自動車のトランクに折りたたみ自転車を積んで訪問先の駐車場に入れ、そこから街の路地を走りまわること。以前よりぐっと行動範囲が拡がったし、どこにでも入っていける便利さ。大きな通りからではなかなか分からない、街の雰囲気と人々の動線を知る事が出来る。名古屋市内や犬山市内でも何度かやっているが、この日は岐阜市内へ。昔は週末の夜ともなると、人にぶつからないように歩くのも大変だった柳ヶ瀬近辺(自分はギリギリ体験している世代)。すっかり寂れてしまったが、まだまだ昔からの店はいくつも残っている。訪れたのは洋食屋「金鯱山」(きんこざん)。創業が昭和27(1952)年という老舗だ。力士だった主人の義兄の四股名から取られた店名だとのこと。県内に支店もあるようだ。県外にもいくつか同名の洋食店があるのだが何か関係があるのだろうか。

    店に入ると左側が、幅のある立派な木製カウンターと厨房、右側がテーブルと小上がり。カウンターにはコック・コートを着た主人が常連さんと歓談中。給仕は女将さんがやっており、「暑いですねぇ」とやさしい笑顔で冷たいお茶を出して下さった。厨房の中にはしっかりこれもしっかりコック・コートを着た若い方。老齢の主人の指示・指導に緊張した面持ちで「ハイッ」と返事をして作業している。手渡されたランチ・メニューから筆頭のカニコロ・ハンバーグ定食を注文した。調理が始まり、ほとんどの作業は若いお弟子さんがやっているが、カニコロッケはその場で主人自ら手で丸め、衣をつけて揚げている。

    しばらくして女将さんから赤だしの味噌汁と漬物、それにご飯が先に運ばれ、平皿にのったカニコロとハンバーグがポテトサラダを挟むようにして出てきた。やや小ぶりのハンバーグはデミグラス・ソースの酸味のバランスが良く、旨い。ソースだけでご飯がいけてしまいそう。大きいのを頬張りたい。カニコロには濃厚なタルタルソースがついているが、これもマヨネーズから手作りとのこと。滑らかなコロッケの中身がカリッとした衣に包まれ、これまた旨い。女将さんからご飯のお代わりを勧められるが、最近食べ過ぎなのでグッと我慢。滑らかな口当たりのポテサラも綺麗に片づけ完食。どれもしっかり旨いのが嬉しい。ランチにはコーヒーも付いているようで、女将さんから勧められたが、外がとても暑く、自転車に乗ったあと汗まみれになりそうだったので遠慮させていただいた。

    客にはとても温かく家庭的なもてなしをして下さるお二人。でも若いお弟子さんには厳しい態度で臨んでいる。こうして老舗の味と技術がしっかりと受け継がれていくのだろう。まだまだ食べたいものばかり…。(勘定は¥980)

    Photo_5

    金鯱山 (きんこざん)

    岐阜県岐阜市弥生町1

    ※H28.3 店の前を通ったら、看板が下ろされておりました。残念ながら閉店されたようです。

     

    コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    だんごや @岐阜県岐阜市

    2014年08月07日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

    Photo_6

    岐阜県岐阜市の茶所駅近くに歴史のある和菓子屋があるというので行ってみた。その名も「だんごや」。その歴史は江戸時代にまで遡れるらしく、現在は5代目というからすごい。ここの場所は中山道の大宿場町「加納宿」にあたる場所のはずなので、その頃から旅の人がここでひと休みしていったのかもしれない。駅名の「茶所」もそういう歴史から名付けられたのだろう。昔の街道なので、自動車こそすれ違えるものの道幅が狭い。

    店は予想とは違いモダンで、まだ新しい。こちらは国内産の材料を厳選しているという話だったが、中に入るとショーケースの中にはほとんど菓子が残っていなかった。この日は休日の午後だったが、早々と売れて出てしまったのだろうか。横の焼き台に少しだけみたらしだんごが残っていたのでそいつをもらう。こちらのみたらしだんごは甘辛いタレがかかったものではなく、飛騨高山などに行くと売っている醤油味のシンプルなもの。最近はどちらのタイプでもいけるようになったけれど、昔はこういう醤油味のみたらしだんごが断然好みだった。この日いただいたものは残念ながら焼いてからかなり時間が経って冷えてしまったものだったので、正直、味はいまひとつだった。残念。今度は熱々のだんごや和菓子をいただきに行ってみよう。(勘定は¥80/本)

    この後の記事はこちら

     

    だんごや

    岐阜市加納八幡町6

    コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    The A&M Recordings / Iggy Pop

    2014年08月06日 | パンク・ニューウェーヴ

    Iggy_am_2 

    The A&M Recordings / Iggy Pop (2006)

    イギー・ポップ(Iggy Pop)のA&M時代の作品86年の「Blah-Blah-Blah」と88年の「Instinct」のそれぞれのアルバムにボーナストラックを加えて、更に当時プロモとして発表されたライヴ「Live At The Channel 7-19-88」を足した3枚組デジパック。レーベルはHip-O。以前書いた事があるが、名門Rhinoに対抗して出来たリイシュー・レーベル。この3枚組の存在を知ったのは、ずいぶん前にイギーの熱心なファンである友人に見せてもらってから。3枚目のライヴはブートレグ(海賊盤)や半オフィシャルで長尺版が出ているので、ほとんど価値が無いが、2枚のオリジナル・アルバムに付けられたボーナス・トラックは当時の貴重な12インチ・シングルのヴァージョンが収録されている。自分はこういった80年代の様々なヴァージョンが好きなので、機会があったらと購入しようと思っていた。

    70年代後半にRCAレーベルで、ボウイ(David Bowie)の力添えもあって復活したイギーだったけれど、アリスタに移籍後はまた低迷し(個人的にはこの時期の作品大好きだけど…)、息を吹き返したのが「ブラー・ブラー・ブラー」。ここでも手を貸したのはまたもやボウイと、当時ボウイと組んでいたプロデューサーのDavid Richards。もちろん当時を反映してしっかりポップなのだが、同時に元セックス・ピストルズ(The Sex Pistols)のスティーヴ・ジョーンズ(Steve Jones)によってハードなエッジのギター音も復活し、その後の再復活の布石となった。自分はこのアルバムを愛聴していたので懐かしい。ボーナスのエクステンデッド・ヴァージョンも、正直今聴くと、気恥ずかしいところもあれど、原曲のイメージを残したこういうヴァージョンが大好きだったのです。

    ボウイとは離れた「インスティンクト」はイギー版80年代ヘヴィー・メタルとも言える内容で、実際にそっち方面からの影響やリスペクトが強かったような記憶がある。相変わらずギターはスティーヴ・ジョーンズなんだけれども。当時はスティーヴ自身がヘヴィー・メタルな音に傾いていた。まぁ、パンクの祖でも、ヘヴィー・メタルの祖でもどっちでもいいやね。ただ個人的にはこの頃のヘアー・メタル的なナリのイギーにはあまりのめり込むことが出来なかった覚えがある。その後の現在にまで至る長い活躍は周知の通り。

    オークションにて購入(¥1,673)

    • CD (2006/9/26)
    • Disc: 3
    • Format: Import
    • Label: Hip-O Select

    (The Complete A&M Recordings Iggy Pop)

     

    コメント (2)
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    丸市屋 @岐阜県岐阜市 (※閉店)

    2014年08月05日 | 岐阜県(岐阜)

    Photo_7

    岐阜駅から長良橋通りを北上し、岐阜市役所を越え、伊奈波神社参道手前の道路沿いにある「丸市屋」。季節になると「みょうがぼち」のノボリが立てられる。みょうがぼちとは岐阜の郷土菓子で、小麦粉の皮の中に空豆の餡が入り、みょうがの葉でくるまれた饅頭とのこと。「ぼち(もち)」と言っておきながら餅菓子ではない。他でも「みょうがぼち」という名前は見かけるし、昔から名前は知っていた。この店の前の道はたまに自動車で通ることがあるのだが、食べる機会がなく、シーズンになったので今年こそ、とお店に行ってみた。

    近くに駐車場らしきものは見当たらなかったので、少しの間だけ路肩に車を停め店へ。小さなお店だが歴史は古いのかな? 饅頭などのお菓子類はガラスのショーケースに入って店頭で販売していて、店の右側はイートインのスペース。ここではお好み焼き(岐阜特有?の薄焼き←いつかこれについても書いてみよう)や焼きそばなどが食べられるようだ。車も心配なので、とりあえずささっとみょうがぼちをいくつか購入。家に持ち帰って食べてみた。

    皮は手作り感溢れるもの。表面がつるんとしていて、やや黄色みを帯びていて、上手く例えられないが、硬めで手作りの肉まんの皮のよう。中の空豆の餡は甘味控えめ。ぎっしりと入っていて素朴な味で旨い。みょうがの葉自体はそれほど和菓子に風味を与えるような香りとは思えず、どちらかというと雑草っぽい青臭い香り。みょうがの葉は大きくなるので、包むのに便利だったのだろうか。それとも保存などの効能があるのだろうか。この時期に豊富に手に入る材料で、農作業の合間などに食べたおやつだったというのがよく分かる。(勘定は¥135/個)

    ※2016年12月をもって閉店されたそうです。

    丸市屋

    岐阜県岐阜市泉町4丁目

    (丸市屋小川商店 まるいちや まるいちやおがわしょうてん みょうがぼち)

    コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    メツゲライ・トキワ @岐阜県関市 (※閉店)

    2014年08月04日 | 岐阜県(中濃)

    よく通っている岐阜県関市の人気ベーカリー「ブーランシェ・ペイザン」のすぐ近くに「メツゲライ・トキワ」という自家製ドイツハム・ソーセージのお店がある。自分の記憶が確かならば、この店は以前、同じ関市のユニー(現・ピアゴ)というショッピングセンターの近くにあり、母がわざわざここまで買いに行っていた記憶がある。昔からこだわりのある肉屋で、買う度に奥さんの説明が長いので、母はいつも「よく来るんだから、いい加減に顔覚えて欲しいわ」と嘆いていた(笑)。そんなお店がこちらに移ってからどのくらい経つだろうか(間違っていたらゴメンナサイ)。いつも買ってきてもらうばかりで、最近はあまり行っていなかったのだが、ペイザンでバゲットを買ったついでに久しぶりに店に入ってみた。

    店に入ると露ぶいて中が何も見えないショーケースがある。奥さんが布巾で拭いてくれた。ハムやソーセージ以外にもいろいろあって目移りしてしまう。ドイツハム・ソーセージの種類には全く詳しくないので、ひと言書かれたポップを眺め、いくつか品切れしていたものもあった中から「ポーリッシュ」という白いソーセージを選び、レバーペーストも購入した。ポーリッシュというからにはポーランド風?それとも違う意味なのかな。太いソーセージを茹でたのと焼いたのを用意してかぶりつく。噛み切った時に口に広がる脂が旨い。肉の食感も良く、さすがの味。久しぶりにここのを食べたけれど、やっぱり旨いわ。レバーペーストはもちろんペイザンのバゲットに塗りたくって食べる。舌触り滑らかで、風味良く、バゲットへの手が止まらない。結局この2つだけでピールとワインをたっぷり呑んでしまった。ペイザンとトキワのご近所タッグは最強か。(勘定は¥1,400程度)

    メツゲライ・トキワ

    岐阜県関市池田町127

    ※閉店しています

    コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    大口屋 @愛知県江南市

    2014年08月03日 | 愛知県(尾張・老舗)

    2_2

    名鉄犬山線に乗ると、布袋(ほてい)駅近くに大仏が見える。でも布袋駅で降りたことはなかったので、その近くに布袋本町通りという古い街並みがあることは知らなかった。近くまで自動車で来てもバイパスばかり通ってしまうので、今までに自動車でも通ったことがない。道幅は狭く、距離も短い。昔はどういう街道に繋がっていたんだろう。数こそ少なくなっているものの、古い商店や建物がいくつか残り、昔は賑やかだったのかなぁと偲ばせるとてもいい雰囲気の通り。その中に和菓子の老舗「大口屋」があった。

    創業は文政元年(1817年)とのこと。凄い歴史だ。近くの駐車場に車を停めて店の中へ。歴史ある古い建物だが、中は意匠を残したままモダンに整備されていて、木の香りする素晴しい店舗。数多く並んだ和菓子の中から、この店の名物だという「餡麩三喜羅(あんぷさんきら)」という珍しい名前の麩饅頭を購入した。家に持ち帰り、包みを開ける。手に吸いつくようなもちもちとした生麩の皮の中に、こし餡が入っている。それを包むのが塩漬けされた山帰来という葉だそう。そこから当て字で商品名が作られたのだろう。皮にその葉の風味が少し移り、あっさりした生麩に風味を加えていて、とても上品な味だった。麩饅頭が大好きな嫁にも好評で、めでたし。(勘定は¥130/個)

    この後の記事はこちら

     ↓ 向かいの酒屋「丸井村瀬酒造場」も素晴しい建物と看板(今度お酒を買いに行こうっと)

    1

    大口屋

    愛知県江南市布袋町中67

    (大口屋本店 大口屋布袋本店 大口屋 布袋本店 おおぐちや おおぐちやほんてん)

    コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    The Route To Quadrophenia (MOJO Magazine) / Various Artists

    2014年08月02日 | 雑誌付録CD

    Quadrophenia

    The Route To Quadrophenia (MOJO Magazine) / Various Artists (2011)

    英音楽誌「MOJO」の2011年12月号の付録CDは「Quadrophenia(四重人格)への道」と題して、ザ・フー(The Who)の代表作である「Quadrophenia」のリイシューを記念したモッズ(Mod)文化の代表曲とも言える楽曲とザ・フーの未発表デモ2曲のコンピレーション盤。オリジナル盤のジャケットに合わせたような相変わらずセンスの良いジャケットと、素晴らしい楽曲群で、それぞれの音源は持っていても手に入れずにはいられない素晴らしい内容。

    当初、自分にはとてもとっつきにくい内容だった「四重人格」も年を経るにしたがって、(歌詞の壁はあれど)愛聴する盤になった。以前は理解を深めようとして映画「さらば青春の光」を見たまでは良かったが、ピート(Pete Townshend)の書いた本「四重人格」(原題Horse's Neck)を読んで訳が分からなくなってしまったこともあった。どういう事情だったか知らないが、あの本のタイトルを「四重人格」とするのは卑怯というか、違うでしょ。

    ザ・フーのメンバーは自分達がモッズだったかどうかについて、営業戦略があったことを認めて、過去には否定的な発言をしていた事が多かったと思うが、近年(物故者にとっては晩年)はその雰囲気が変わって、周囲の評価の変化とともに、確かにその文化の中に居たし、その一役を担っていた旨の発言に変わってきたような気がする。まぁ、ロック・アーティストの発言なんて、その時その時でいい加減なもん(特にピートは)だし、モッズというくくり自体が結構曖昧なので、定義する事自体、あまり意味の無い事なのかもしれない。

    収録された曲は、ザ・フー(特にピート)が影響された曲、カヴァーした曲、彼らと同時代の曲などで、どれもモッズ文化を代表するような名曲ばかりで素晴しい。デモの段階、つまりピートがデモを録音した段階で曲は完成されているザ・フーなので、デモの2曲の完成度もやはり高い。それでも「Scoop」シリーズなどは全部集めて聴いたが、やっぱりザ・フーで演奏したヴァージョンの方が好きなんだよなァ。

    01 SLIM HARPO - Got Love If You Want It
    02 BO DIDDLEY - Who Do You Love?
    03 MOSE ALLISON - Young Man Blues
    04 EDDIE COCHRAN - Summertime Blues
    05 JOHNNY KIDD & THE PIRATES - Shakin’ All Over
    06 JIMMY REED - Big Boss Man
    07 BENNY SPELLMAN - Fortune Teller
    08 THE YARDBIRDS - A Certain Girl
    09 SMALL FACES - Get Yourself Together
    10 THE ACTION - Climbing Up The Wall
    11 THE CREATION - How Does It Feel
    12 THE IMPRESSIONS - The Young Mod’s Forgotten Story
    13 BOOKER T. JONES - Progress
    14 THE WHO - Cut My Hair (Demo)
    15 THE WHO - Joker James (Demo)

    オークションにて購入(¥840)

    コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    日之出食堂 @岐阜県岐阜市 (※閉店)

    2014年08月01日 | 岐阜県(岐阜)

    Photo_2

    岐阜市の長良高校の近くにある食堂「日之出食堂」。盛りのいい店として知られていて、その筋(デカ盛りとか大食いの方達)ではけっこう有名。元は中華料理屋だったようで、今でも店の表のガラスにはうっすらと「広東料理」という文字を読む事が出来る。老齢のご夫婦で経営されていて、調理は御主人。様々な定食メニューの他に、なぜか長崎で有名な「トルコライス」があるというので行ってみた。

    雨の降る休日の昼どき、暖簾をくぐると店の中にはもうもうとした煙が。カウンター席にはすでに先客が数名いて、デカ盛りメニューとして知られる肉の天ぷら定食をやっつけている。おかずはもちろんのこと、ご飯はどんぶりだし、スープもラーメン丼。さすがの盛りっぷりだ。自分は最初から決めていたのでトルコライスを注文した。

    世間一般で知られるトルコライスは、長崎のピラフ、ナポリタンスパゲッティ、デミのかかった豚カツが平皿に盛られたもの。その他にも大阪や神戸にも内容が違うものが存在するとのこと。本場で食べたことがないので味については何とも言えないが、だいたいの想像はつく。でもこちらで提供されるトルコライスはどこのものとも違うとの事。カウンターの中では主人が黙々と調理を始めている。鶏の唐揚げも入るようで、次々と揚がった熱々の唐揚げを事も無げに素手で掴み、まな板の上へ(笑)。女将さんが普通の白いご飯を盛った平皿の上に、ネギの入った玉子薄焼き、鶏の唐揚げ、胡瓜、トマト、チャーシューが盛られ、運ばれてきた。すごい、どことも違うオリジナルなトルコライス。

    玉子焼きは中華っぽいやや塩の効いた味付けで、これに餡でもかかったら天津飯といったところ。それぞれの具を融合させるような特別なソースは無いのだが、食べ進めると、胡瓜やトマトがいい感じのアクセントに。生の胡瓜とご飯って新鮮(笑)。そういえば、鶏の唐揚げ以外の具は、まるで冷やし中華だ。どうしてこれがトルコライスという名前で岐阜県のこのお店に残ったのかとても興味深い。店が暇だったら主人にでも尋ねてみるところだが、地元に愛されているとみえて、この後もたくさん客が入ってきたので、また次の機会に。次は盛りのいいメニューにチャレンジしてみようか、それともメニューで気になる「チキングレー」か「エスカロップ」にしようか…。(勘定は¥700)

    この後の記事はこちらこちら

     

    日之出食堂

    岐阜県岐阜市長良真生町2丁目15

    ※残念ながら閉店されました(令和4年11月現在)

     

    ( 日の出食堂 日ノ出食堂 ひので食堂 ひのでしょくどう 閉店 廃業 )

    コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする