ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

麩兵 (2) @岐阜県岐阜市

2016年03月21日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

岐阜市の金華山の麓、「御鮨街道」沿いにある創業が天保7年(1836年)という「麩兵(ふひょう)」。その名の通り、麩や湯葉を扱っている老舗。前回は基本の「あわ生麩」を買って食べたが、シンプルな中にもちっとした食感が、そのままでも焼いても旨く、日本酒のつまみにぴったりだった。今回は別のをと店に入る。小奇麗な売り場の中にガラスのショーケースがあり、その中に沢山の種類の麩や湯葉がならんでいる。もちろんそれぞれ生のもの以外も売っている。色々な種類があって迷うが、この日選んだのは「さしみゆば」と「よもぎ麩」。勘定をする際にカウンターに「ご自由に」とおからが置いてあったので、それも一緒に包んでもらい、車での移動を考慮して少しだけ保冷剤を入れてもらって帰った。

早速「各務油屋」で購入した酒(この日は「美丈夫特別純米」高知)を準備し、「さしみゆば」から。湯葉は長いものが折り畳まれて容器に入っている。まな板の上で適当な大きさに切って器へ。用意したのは醤油と土佐酢。もちろんそのままでもしっかりした豆乳の香りと舌の上の独特な食感。儚い食べ物だが、これがめっぽう酒に合う。食べようと思えば一口で食べられてしまうものをチビチビと…。でもうちの娘は自分が酒を呑んでいると必ずつまみを横取りに来るので油断ならない(笑)。「よもぎ麩」はビニール袋に入っているが、空気が抜いてあるのでひっついて出てこない。説明通りに少し水を入れて取り出す。こちらも適当な大きさに切り、まずはそのまま、そして醤油。フライパンに油を薄くひいて焼くのもいい。だんだん膨らんできて、少しこんがりとしたところに塩を振ったり、醤油を付けたり。おからは出汁と野菜、それに鶏ひき肉で炊いてつまみにした。酒が進んで仕方がない(←こんな時の顔はきっとすごくだらしないんだろうなァ…)。(勘定は¥900程)

前回の記事はこちら

この後の記事はこちら

 

↓ 近くの路地を入ると風情ある旧店舗がそのまま残っている。屋根の上には「麩兵」の文字が入った灯篭があった。

麩兵

岐阜県岐阜市米屋町15

( 岐阜市 岐阜 ぎふ ふひょう 麩 ふ なまふ 生麩 湯葉 生湯葉 生ゆば 御鮨街道 鮎鮨街道 おすしかいどう あわ麩 よもぎ麩 黒ごま麩 汲み上げゆば ) 

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Greatest Hits 1969-1999 / John Williams

2016年03月20日 | サウンドトラック

Greatest Hits 1969-1999 / John Williams (1999)

数々のハリウッド映画で心に残るスコアを書いたジョン・ウイリアムス(John Williams)のベスト盤。映画のオリジナル・サウンドトラックという訳ではなく、ジョン・ウイリアムス本人が指揮を担当した演奏を収録している(オーケストラは全て同じではない)。全体を通して音楽、音質に統一感があり、発表年代の差を感じさせない感触の近さはこういう事情からくるものなのかもしれない。中でも圧倒的に知名度が高いものが多いのが70年代~80年代初め。「ジョーズ」「スターウォーズ」「未知との遭遇」「スーパーマン」「レイダース」「E.T.」と超の付く名曲が目白押し。これだけですでに殿堂入りの資格充分といった感じ。

収録された曲の中で自分が見た映画で一番古いのは「ジョーズ」かな(映画自体は「続・激突!カージャック」の方が古い)。昔、映画館で見て、その後も「日曜洋画劇場」などで繰り返し見た「ポセイドン・アドベンチャー」や「タワーリング・インフェルノ」もメイン・テーマはジョン・ウイリアムス作曲だが、ここには収録されていない(どちらも暗い曲だったしな)。映画、特に90年代以降の作品は見ていないものも多いが、久しぶりに聴いて一番印象に残っていたのが、意外にも1984年のロサンゼルス・オリンピックのテーマだった。ベートーベンやモーツァルトのクラシック・オーケストラ演奏曲が後世にこれだけ評価されているのなら、彼の作った音楽も同様に、あるいはそれ以上に評価されてもおかしくない(と個人的には思う)。

オークションにて購入(¥500)

  • CD (1999/11/5)
  • Disc : 2
  • Format : CD, Soundtrack, Import
  • Label : Sony
コメント (2)
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尾毛多セコ代 @名古屋市中村区・柳橋

2016年03月19日 | 名古屋(中村区・西区)

名古屋の台所「柳橋中央市場」。名駅(名古屋駅)からも徒歩ですぐの場所にあり、特に最近は新しい飲食店の進出も目覚ましく活気が出ている。柳橋中央市場は明治43年(1910)の創設で、民営の市場としては最大級なのだとか(東京の築地市場は都営)。まだサラリーマンの皆さんが登社しようかという時間、うっかり休市日に来てしまい、途方に暮れているのを救ってくれたのがこの24時間営業(!)という居酒屋「尾毛多セコ代」。運営しているのは創業して20年くらいの居酒屋グループで、意味不明な店名は別として普段ならあまり興味の沸かない業態の店だけれど、朝にやってる居酒屋となると話は別。店は市場の外れ、笹島中学校の隣(…罪悪感・笑)にあり、店の前まで来るとちゃんと看板が出ている。朝早くから何やってんだかと躊躇するも、なんと先客がおり(!)、アル中の所業でつい店の中へ。店の中は最近の居酒屋らしさ一杯の明るい感じで音楽が鳴り、若い女性2人で切り盛りしている。

ドラム缶の上に板を敷いた簡易テーブル席に腰を下ろし、メニューを眺める。名物は「とんちゃん」らしいが、朝っぱらから七輪の煙で燻されるのも嫌なので、篠島の岩牡蠣(焼き)、どての味噌煮、それにお酒(新潟の「能鷹」)を注文した。店を見回していると、店員からの説明は無かったが「バンチャン・コーナー」と書かれた一角があり、そこにあるキムチやメンマ、ナムルが好きに取れるようになっている。これがメニュー端に小さく書いてある「席料」に相当するのだろう。肉類を焼いて食べている人にはいいだろうな、きっと。さてお酒。朝から胃の腑に入れるアルコールは効きます。決して安くないし、味をどうこう言う状況じゃない。でも(もとより期待はしていない)岩牡蠣は別として、意外にもどての味噌煮はいい味だった。自分の後にもひとり客が。すごいことだなァ。(勘定は¥1,800程 ※うち席料¥400)

 

↓ 昭和初期建築の銭湯だったという建物を再利用した創作料理の店「そら豆」と、漆喰で仕上げられた虫籠窓(むしこまど)の石屋「奈古埜」。この辺りにはまだ少しだけ古い建物が残っている。

 

 

尾毛多セコ代 柳橋市場店

愛知県名古屋市中村区名駅4-15-30

( 名古屋 なごや 名駅 めいえき 柳橋 やなぎばし 柳橋市場 柳橋中央市場 朝飲み 朝呑み 昼飲み 昼呑み 居酒屋 近代建築 銭湯 )

 

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From The Vault : Live At The Tokyo Dome (Tokyo 1990) / The Rolling Stones (DVD+CD)

2016年03月18日 | DVD

From The Vault : Live At The Tokyo Dome (Tokyo 1990) / The Rolling Stones (DVD) (2015)

おっと、ちゃんと予約して昨年購入したのにこれをレヴューするのを忘れていた。ストーンズ(The Rolling Stones)のアーカイヴ映像を蔵出しするシリーズ「From The Vault」の第4弾は、初来日時の東京ドーム公演。特に珍しくもない映像なので、正直発売が発表された時は残念感が先に来たが、世界的、あるいはバンド的に見たらキャパのでかい東京ドーム10公演を連日超満員にして異常な盛り上がりを見せた日本公演は記念碑的な扱いになってもおかしくはない。チケット争奪戦も凄まじかったこの来日公演、実は自分は参戦していない。当時東京に住んでいたにも関わらず。ちょうど公演時は兄が住んでいたオーストラリアのシドニーに長期居候するために来日直前に離日していたのだ(タイマー録画で来日公演のテレビ放送はVHSに録画した)。でも暇にまかせて遊びに行っていただけだから行こうと思えば日程をずらすだけ。1982年頃からではあるが、熱心なファンを自負しているにも関わらず、この時期は一番ストーンズに対して盛り下がっていた頃で、この一大イベントに全く乗っかることが出来なかったのだ。

来日に至る流れは追っていたので、もちろんニュー・アルバム(当時)や全米公演も音や写真、映像を含めて把握はしていたのだがずっと冷めたままだった。当時自分が一番ハマっていたのはニューヨーク、ロンドンの各オリジナル・パンクの後追いで、対極にあるキーボードたっぷりのビッグバンド的なストーンズの演奏にうんざりしていたこともある。再結成(といって差し支えない状態だった)したストーンズの演奏やアレンジ、プロダクションは明らかにミック(Mick Jagger)のソロ・ツアーを下敷きにしており、何だかしっくりこなかった(ミックのソロ・コンサートは名古屋市国際展示場に見に行ったが…)。ミックのコンサート衣装がダサかったのはこの時だけじゃないけれど(笑)、ニコニコと愛想の良いキース(Keith Richards)、下手くそな絵で個展まで開いてしまうロン・ウッド(Ron Wood)、装飾過剰なマット・クリフォード(Matt Clifford)やチャック・リヴェール(Chuck Leavell)のキーボード、何から何まで気に入らなかったのだ。シドニーで知人のオーストラリア女性と喋っていた時に来日公演の話になり「そんなにファンなのにわざと行かないなんて意味が分からない」とまで言われたことを思い出す(←ごもっとも・笑)。

で、今回の映像発売で久しぶりにそのライヴ映像を拝見(正確に言うとオフィシャル音源は既にネット・ダウンロードで聴いていた)。うーん、やっぱりダメだ…。のめり込めない。音だけならそうでもないんだけれど。ミックのあの「昨日床屋さんに行ってきました」的なヘアー・スタイルが駄目なのかナ(笑)。行かなかった事を後悔しているか?…ハイ、もちろんしています。ビル・ワイマン(Bill Wyman)を見逃してしまったことは特に(ビルはこの後脱退)。意地を張り過ぎたかも。結局、自分のストーンズ・ライヴ初体験は、1995年の「Voodoo Lounge Tour」のオーストラリア・シドニー公演までお預けになったのだった…。

シリーズの記事はこちら 1981年 1975年 1971年 

amazonにて購入(¥5,399)

  • Format : CD+DVD, Dolby, Limited Edition(2015/10/14)
  • Language: 日本語
  • Region : Region2
  • Size : 1.33:1
  • Disc : 4
  • Label : ワードレコーズ

 

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岩村醸造(蔵開き) @岐阜県恵那市

2016年03月17日 | 岐阜県(東濃・老舗)

岐阜県恵那市の岩村町の古い町並みを引き続き散策。城跡にある城下町は江戸時代に造られ、変わっていないという。電線も地中に入っているので無粋な電信柱が目に入らず、趣のある町並みを当時に近い形で楽しむことが出来る。この日、通りの中心部は人でごった返していたが、「女城主」という銘柄で有名な地元の酒造「岩村醸造」の蔵開きの日に当たったからかもしれない(最近、知らずに行った先で蔵開きに当たることが多いナ)。酒造は天明7年(1787)の創業で、当時は藩の運送業の副業だったんだとか。バスでの団体観光客が多いようで、蔵から出てくる人は赤ら顔。もちろん自分も中へ。トロッコレールの敷かれた土間を進むと入場券を売っていた。猪口が付いた入場券を300円で買うと、中で幾種もの酒を試飲出来る。しかも入場券はクーポンにもなっているので、店内での買い物が200円引きになるという仕組み。女城主という文字と市松模様の入った利き猪口を手に店の奥に進むと、沢山の人達が試飲場所で酔っぱらっていた。

自分もステンレス樽から竹杓で「絞りたて生原酒」「にごり酒」「樽酒」などをすくい少しづつ舐める。名前は知っていたが自分はこちらの銘柄の酒を呑むのは初めて。公共交通機関で来ている訳ではないので、もっと呑みたいが無理。本当は普段買うように一升瓶で買って帰りたかったが荷物に制約があったので四合瓶にしておいた。購入したのは「絞りたて生原酒」。

 

帰ってから口を開ける。利き酒用グラスに注ぐだけで微かなとろみが分かる。口に含むと生原酒らしい爽やかさと同時にしっかり甘味も感じられる。旨い。淡麗辛口の日本酒が全盛の仲、昔ながらのしっかりした甘さ、重さも感じられる酒だった。生原酒でこうなんだから、基本の銘柄「女城主」や創業以来の銘柄「ゑなのほまれ」は濃淳なタイプだろうか。次はそちらも買ってみよう。

 

↑ 賑やかな酒造前を抜けるとこんなにもひっそりとして落ち着いた雰囲気。しっかりと人が生活しています。(国の重要伝統的建造物群保存地区)

 

↑ 「旧・岩村郵便局」(昭和3年・1928・建造)(上左)は何にも再利用されていない様子。蔵造りの「岩村産業」(詳細不明)(上右)。

  

↑ 車で移動して「日本大正村」近辺も散策。移設展示されている「旧・三宅家」(元禄元年・1688・建造 ※移築)。建物脇に木製の小用便器(使用不可)があった。坂を登った外れにあるので誰もいないと思ったら、中の囲炉裏で火の番をしている人が。

 

岩村醸造株式会社

岐阜県恵那市岩村町342

( 恵那 恵那市 えな 岩村 岩邑 岩村町 岩村酒造 女城主 ゑなのほまれ 岩村城 城下町 蔵開き 近代建築 重要伝統的建造物群保存地区 平谷街道 )

 

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J.R. Monterose

2016年03月16日 | ジャズ

J.R. Monterose (1956)

一体どれだけいっぺんに買ったんだという「訳も分からずブルーノートのアルバムを激安で買っちゃったよ」シリーズの第8弾は、J.R.モンテローズ(J.R. Monterose)のブルーノートでの唯一のリーダー・アルバム。知ってる人のように書いているが、名前も初めて聞く白人サックス・プレイヤー。ジャズ界でも知る人ぞ知る存在のようで、同年発売のチャールズ・ミンガス(Charles Mingus)の「Pithecanthropus Erectus(直立猿人)」という名盤に参加していることで有名なくらい。今ではCDで簡単に入手可能なブルーノート1500番台の中でも、その昔は幻の名盤と言われた時期もあったようだ。

なんてことは全部後から調べて分かったこと(なんせ白人だということも後から知った)。真っ新な状態で聴いてみて…、これ、かっこ良かった。ジャズをレヴュー出来るほどの語彙を持たないことがもどかしいが、気持ちよくブロウしていて疾走感があり、バンドとの一体感もばっちり。メローな曲は無く、あくまでもムーディーなジャズには寄らない溌剌さが演奏から感じられる。こういうの好きだ。あっという間に1枚聴き通してしまい、またリピート。酒が旨くなる(それは関係ないか)。

J.R. Monterose - Tenor Saxophone
Horace Silver - Piano
Wilbur Ware – Bass
"Philly" Joe Jones - Drums
Ira Sullivan - Trumpet

中古店にて購入(¥180)

  • CD (2004/12/8)
  • Disc : 1
  • Format: Limited Edition, Original recording remastered
  • Label : EMIミュージック・ジャパン

 

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若竹 @岐阜県関市 (※閉店)

2016年03月15日 | 岐阜県(中濃)

岐阜県関市の本町通りにある中華料理店「若竹」。ずっと前からある店で、50年以上の歴史があるようだ。通りはすっかり寂れてしまったが、以前はこちらの天津飯がお気に入りだった。濃い醤油味の餡がほとんどの中華料理屋の天津飯にあって、こちらは当時珍しく淡い色付けの塩味で、他ではあまり見なかったので気に入っていて、天津飯と餃子ばかり注文していたのだった(こちらの餃子は標準が”揚げ”で、とろっとした特製の甘酢タレでいただくもの※参照)。それがいつ頃からかよくある醤油味の餡に変わってしまってから永らく遠ざかっていた。裏の専用駐車場(店の裏以外にもたくさんあります)に車を停め、駐車場奥にある裏口から店の中へ。何年かぶりで店に入ると内装をやり替えたようで以前よりきれいになっていた。先客は3~4組。みんな勝手知ったるといった風情で常連ばかりのようす。厨房の面々は以前と変わらず、主人と息子さん、それに奥様ら女性が2人。カウンターに座り、何にしようか迷ったが、食べたことなかったオムライスが目に留まったので注文した。

若い衆が北京鍋を操ってご飯を炒め始める。こちらのオムライスは、焼いた薄焼き玉子に炒めたケチャップライスをのせ、皿をかぶせてひっくり返すやり方だった。ケチャップがのって、平皿が差し出された。さっそくきれいにまとめられたオムライスにスプーンを入れる。中のケチャップライスの味付けは濃くなく、上からかかっているケチャップがやや多め。肉はポーク。まぁ、間違いがない味なので特にどうという事はないが、中華料理屋にオムライスがあると何となく頼みたくなってしまいます(単にオムライスが好きなだけか・笑)。(勘定は¥800)

この後の記事はこちら

 

中華飯店 若竹

岐阜県関市出来町7

※令和4年2月末を以って閉店されました

 

( 関市 関 せき わかたけ 若竹中華飯店 中華料理若竹 餃子 揚げ餃子 ギョーザ ぎょうざ 天津飯 洋食 甘酢あん 初野屋 初野飯店 中華レストランわかたけ 閉店 廃業 )

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In The City / The Jam

2016年03月14日 | パンク・ニューウェーヴ

In The City / The Jam (1977)

オリジナル・ロンドン・パンクの名盤、ザ・ジャム(The Jam)のファースト・アルバム「In The City」をCDで買い直し。ジャムは初期と後期で随分音楽性に幅が出たが、自分がいつ聴いてもワクワクさせられるのは、やはりこのファーストと同じ年に出たセカンド「This Is The Modern World」だ。怒れる若者らしい疾走感がみなぎっており、ピストルズ(Sex Pistols)やクラッシュ(The Clash)とはまた違った雰囲気で当時のイギリスの若者の焦燥感を表現していた(彼ら自身はパンクの括りは嫌だったようだが)。彼らを最初に聴いたのは学生の頃「Strange Fruit」というレーベルから出ていた「Peel Sessions」というシリーズのEP(写真下)で。

英BBCの名物DJ、ジョン・ピール(John Peel)の番組で放送されたスタジオ・ライヴ音源のレコード・シリーズで、生の生き生きとした演奏と、12インチ45回転のリアルな高音質が魅力的だった。80年代中~後半にコツコツと買い求めたのでいくつものアーティストが揃っている。ジョン・ピールは60年代からのベテランでありながらパンク・ロック~ニュー・ウェーヴのアーティストを後押ししていたので、必然的にその周辺のアーティストを沢山聴くようになり、自分の音楽履歴にも大きく影響したものだ。そこで聴くジャムはかっこいいのなんの。そして次はこのファーストと、オリジナル・スリーブ付きのかっこいい輸入盤シングル(写真下)を中古レコード屋を廻って買い集め…と中毒症状が拡がっていった(当時でも中古で1枚¥2,000近くした覚えがあるけれど、よく買ったなァ…)。

 

全部で30分ちょっとのこのアルバム。勢いだけで突っ走っていて、今聴くと微笑ましいところもあるが、気持ちのいいギターの音とモータウンなんかを連想させるコンパクトにまとまった曲群は魅力たっぷり。このスタイルのジャムは好きだったが、3枚目くらいから音楽性に幅が出てグッと作り込むようになり、それに伴って自分の興味はだんだん薄れ、後期、それにポール・ウェラー(Paul Weller)のソロはほとんど聴かずにきてしまった。世間的にはその時期の方が評価がずっと高いのだが…。

中古店にて購入(¥180)

  • CD (2006/12/20)
  • Disc : 1
  • Label : ユニバーサルインターナショナル
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大地のかりんとう(山本佐太郎商店) @岐阜県岐阜市

2016年03月13日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

ネットやTV、様々な媒体で取り上げられ、引く手あまたという「大地のかりんとう」を販売している明治9年(1876)創業の岐阜市の老舗油問屋「山本佐太郎商店」。いつ行ってもシャッターが閉まっていたが、日曜は休みのようだ(問屋だもんな)。この日は土曜だったのでシャッターは上がっていた。店の横に駐車場があるが、油の缶が積み上がっているし、店はすごく地味なので、ここが問屋さんなのだというのが実感できる。店に入っても作業場然としていて、小売りはしていなさそうだが、小さな台の上にお目当ての「大地のかりんとう」が何種類か置いてあった。そもそもこのお菓子は和菓子職人で本も出版している町野仁英(まっちん)氏と、この油問屋の4代目・山本慎一郎氏がコラボして作り上げたものだそうだ。このまっちんという人は、近く「大名古屋ビルヂング」にも出店するという同市の「ツバメヤ」のお菓子にも関わっているんだとか。黒糖、塩、天空古来茶(ほうじ茶)などがあり、試しに「塩」を選んで買ってみた。

家に持ち帰って家族で食べる。しっかりと硬いかりんとうは見た目はごく普通。さすがに一般的な黒糖由来の濃い甘さと苦さは無い。塩がまぶしてあるのかなと思ったがそうでもなさそうで、直接塩を舌に感じるわけではないが、しっかり塩っぽさを感じる不思議な味。米油で揚げられているらしく、べとつかない(福祉施設で手揚げされているんだとか)。密集した圧縮感とゴリッと噛み砕く硬めの食感が旨い。以前は長時間揚げることからあまりよろしくないお菓子というイメージがあったかりんとうだが、素材や油にこだわって作られているので安心だろう。今まで自分から選んでかりんとうを買う事は無かったが、他の味も試してみたいな。岐阜市は街を見ても昔日の繁栄から斜陽になって久しいが、足を使って周ってみると面白い事をやっている若者が沢山出てきていて、なかなか面白くなっている。(勘定は¥390/袋)

合名会社 山本佐太郎商店

岐阜県岐阜市松屋町17番地

( 岐阜 岐阜市 ぎふ 山本商店 大地のかりんとう ツバメヤ おやつやお 和菓子工房まっちん 本わらび餅 大地のどらやき 大地のかすてら 大名古屋ビルヂング )

 

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(Who's Afraid Of?) The Art of Noise! / Art of Noise

2016年03月12日 | テクノ・デジタル・ダンス

(Who's Afraid Of?) The Art of Noise! / Art of Noise (1984)

80年代に一世を風靡したトレヴァー・ホーン(Trevor Horn)のプロジェクト、アート・オブ・ノイズ(Art of Noise)。自身のバグルス(The Buggles)での1979年のヒットを始め、イエス(Yes)の復活作「90125」や、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド(Frankie Goes To Hollywood)の一連のヒットなど、80年代の寵児と言っても過言ではない彼。ZTTレーベルを起し、彼が作った「オーケストラル・ヒット」というサンプリング音は瞬く間に広まり、様々なアーティストが猫も杓子もと自分の曲に採用した事を覚えている人も多いはず。自分もしっかりとハマったくち。このアルバムはその彼のプロジェクトのファースト・フル・アルバム。アナログで所有しているが、つい買い直してしまった。

このアルバムを買うよりも前に、彼が関わった一連のヒット曲や、その12インチ・シングル、あるいはアート・オブ・ノイズ自身の12インチ・シングルなどで、サンプリング音や過激なリミックス、それに斬新(当時)なPVなどはすでに経験済みだったので、当時、アルバムの最初の印象はずいぶんと大人しいな、という感じだったのを記憶している(今聴くとそうでもないのだが)。当時は「もっともっと」という過激なものに対する欲求が高まってそう感じたのかもしれない。女性の「Hey!」という掛け声や、衝突音、機械音、オーケストラル・ヒットを組み立てて音楽を作る。今では珍しくも何ともない事だし、それこそ誰にでも出来る所業だが、当時は違った。ある意味「革命」だったと思う。ただアルバムとしてどうかというと、やはりそればっかりだと面白みに欠けてしまうのは仕方のないところ(と、当時も思ったナ)。サンプリング音てんこ盛りよりも、一発の方が効果的だったりするのだ。ただ、コンセプト・アルバム、あるいはプログレッシヴ・ロックという視点で見るとなかなかの作品だとも思う。

中古店にて購入(¥300)

  • CD (1994/5/24)
  • Disc : 1
  • Format: Import
  • Label : Pgd/Polygram Pop/Jazz

 

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