ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Best Of Berlin 1979-1988 / Berlin

2019年06月22日 | エイティーズ

Best Of Berlin 1979-1988 (1988)

80年代のエレクトロ・ポップ・バンドのひとつ、ベルリン(Berlin)のベスト盤。自分はこのバンドが大好きで、テリー・ナン(Terri Nunn)がヴォーカルを担当してからの「Pleasure Victim」はカセットテープ(!)で、次の「Love Life」はアナログで所有している。当時日本ではまだマイナーな感じだったが、アメリカのバンドなのにヨーロッパ的な雰囲気があり、当時流行していた”ニュー・ロマンティック”という括りにはもちろん入れられないが、共通するデカダンな香りのあるバンドだった。バンドの要だった(そしてテリーの恋人でもあった)ジョン・クロウフォード(John Crawford)が作るシンセ、キーボード主体の曲もセックスを題材にしたものが多く、PVもエロチックで退廃的な雰囲気が満載だった(今観ると他愛もないが)。例に漏れず、このバンドを好きになったきっかけは83年にテレビ朝日系列で放送された「Us Festival」(あの放送から受けた影響は計り知れない…)のライヴ映像。多分ベルリンは1曲くらい、それもダイジェスト的な放送だったと思うが強く印象に残った。その後に購入したアルバム「Love Life」は特にどの曲も完成度が高く、今でも80年代の自分の好きなアルバムを選ぶとしたら必ず入るだろうと思う。一般的にブレイクしたのは世界的に大ヒットした映画「トップガン」の主題歌「Teke My Breath Away」だったけれど、営業的に他人の作曲したこの曲を歌うことでバンドに亀裂が入ったらしい。

1曲目は1988年の作ということで、このベスト盤の為に録音したものだろうか。もうジョンどころかオリジナル・メンバーの影はみじんもないけれど、出来は決して悪くない。それだけテリー・ナンのヴォーカルが光っている。彼女はこの後もベルリンとして活動しているが、どうもバンド名の権利を買ったようだ。それでも80年代のバンドを1日だけ再結成させるTV番組企画の後もオリジナル・メンバーは時々ゲストとしてステージに立ったりしているようなので良好な関係にあるようだ。さすが抜粋だけあってどの曲も80年代のあの頃の雰囲気を伝えるにはピッタリ。どの曲もイイなァ。本当はもっと好きな曲もあるのだが…。最後の「All Tomorrow's Lies」は特に自分の大好きな曲だったので、これで締めるというのは素晴らしいと思っていたのに、聴いてみると何か違う…。どうも88年の再録音のようだ。ガッカリ。多分テリー・ナンにとっても特別な曲なのだろうが、オリジナルを超えることなんて出来るはずないのに…。 

ブックオフにて購入(¥500)

  • CD  (1988/11/15)
  • Disc : 1
  • Format: Import
  • Label : Geffen
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てんぐ @岐阜県岐阜市

2019年06月22日 | 岐阜県(岐阜)

西柳ヶ瀬の暗い路地に提灯が灯っていて前から気になっていた店、雲雀町の居酒屋「てんぐ」に入ってみた。随分と年季が入った店のように見えて、外看板には”居酒屋・割烹””炉ばた焼”なんて書かれていたが、ずっと続いている店なのかな。以前店の前を通った時もそうだったが店の前に自転車が10台以上停まっている。これ全部客のだったら満員のはず(笑)。戸を開けて入ってみると…おぉ、広くはない店だが満席。かろうじてビールサーバーの隣のカウンター席が空いていたので座らせてもらう。店内にはいわゆる炉端もあるが現在は使われていない様子。カウンターの向こうの調理場に年配の主人と女性給仕が1名。最初は夫婦かなと思っていたが会話とかを聞いていると違うようだ。品書きはホワイトボードのみ。どの品も安い値付けの物ばかり。割烹とか炉端焼をやっていたのは昔のことなのだろう。

まずは瓶ビールをお願いする。付き出しは厚揚げともやし等の煮物。つまみには「イカゲソ天ぷら」をお願いした。主人は威勢よく、声も大きく、愛想もよい。注文が重なっているが軽口を叩きながら飄々と調理をこなしている。しかし次々と飲物の追加注文やお運びが入る給仕のお姉さんは手一杯のようで、結構主人に当たっている(笑)。そんな言い合いからすると身内の人かな。かなり時間がかかって出てきた「イカゲソ天ぷら」は、あんなに揚げ鍋から目を離していたにも関わらず、いい揚がり具合(笑)。添えてあるのはなぜかソース! 関西ではあることらしいが…。追加したのは「たたきマグロ」。赤身かなと思って頼んだのだが、白っぽいネギトロ用みたいなやつで、これはさすがにちょっと厳しい。ま、安酒場だから仕方がない。給仕のお姉さんは主人に「表の電気消したよ!もう出来ん。無理っ!」とぶち切れ寸前(苦笑)。主人はそんな言葉も意に介さず、自分でサーバーから直接ビールをコップに注いでクイッと喉を湿らせている(笑)。なんだか憎めない人だ。すぐには何も出てこなさそうだったので勘定してもらった。また寄ってみようっと。(勘定は¥1,600)

てんぐ

岐阜県岐阜市雲雀町1-13

 

( 岐阜 ぎふ 天狗 居酒屋 炉端焼 炉ばた焼 ろばた 酒場 )

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梅田屋 @名古屋市千種区・今池 (※閉店)

2019年06月21日 | 名古屋(千種区・守山区 老舗)

今池でウロウロしていたこの日、1人では入りにくいかなと思って何度も見送っていたホルモンの「梅田屋」の暖簾をくぐってみた。創業は昭和20年(1945)だとか。中に入ると大きなコの字のカウンター。これなら1人でも問題ない。奥にはテーブル席などもあるようで賑やかな声が聞こえてきた。まずはビール。サッポロ黒ラベルの瓶ビールをいただく。焼物は「ハチノス」に「センマイ」を注文。自分用のコンロが用意され、丸くて大きな鉄板が乗せられる。「ニンニク入れていいですか?」の質問には…、明日も仕事があるので少しにしてもらった(本当はジャンジャン入れたい)。調理は店の人がやってくれる。炒めたものに多めの唐辛子粉をかけたりして調理が完成。

「どうぞ。」の声に続いて鉄板から直接つまんでいく。味付けはかなり濃いめで、辛め。タレには味噌も使われているかな。「ハチノス」と「センマイ」それぞれの独特な食感(歯応え)もあって咀嚼するのが楽しい。玉ねぎやネギなどもたっぷり。これでビールだもん、言うこと無し。旨いなァ。1人でも全く問題ない。追加は何にしようかな。残りに豆腐やうどんという手も…。

Uの字カウンターに座っているのは自分とあと1人の年配のオッサンのみ。ちょうど向かい合わせに座る形になったのだが、このオッサンが1人でずっとしゃべり続けている…。最初は酒場には時々居るただのヨッパライの独り言かと思いきや、なぜか自分から全く目線を外さない。話しかけられているようでもあるので聞き耳を立ててみるが、何を言っているかは分からない。でも全く目線を外さないというのはかなりの苦痛。だんだん腹が立ってきて、こちらも強い目線で”これ以上こっちを見るな”のサインを送り返すが、あちらは動じず(完全にこちらに目が合った状態で)独り言を続けている。サイコ。イッちゃってる人かと思いきや、注文の時とかは普通。イライラ…。もう少しでおしぼりを投げつけそうになるのを我慢。気分は悪いし、あまりにも気色が悪いので追加はあきらめ、もう勘定してもらうことに。もっと呑みたかったけれどなァ…。勘定をしてもらう際には無礼なオッサンの振舞いに気付いていた店の方が「どうもすいませんねェ…。」と声を掛けてくれた(オッサンまだしゃべってるけど…・苦笑)。あぁ、気持ち悪かった。また出直します。(勘定は¥2,100程)

 


 

↓ 駅上、交差点の好立地にありながらスカスカで廃墟同然の「新今池ビル飲食店街」(1962年建造)。ここは一体どうなっていくんだろう? 

 (後記)時々行っていたこのビルの中古レコード店が5月に閉店。その際に”ビル老朽化による解体のため”と記述があったもよう。

 

 


 

梅田屋

愛知県名古屋市千種区今池1-13-8

 

( 名古屋 なごや 今池 いまいけ うめだや 鉄板焼 ホルモン 焼肉 酒場 新今池ビル ピーカンファッヂ 閉店 廃業 解体 )

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久里庵(高澤観音) @岐阜県関市

2019年06月20日 | 岐阜県(中濃)

岐阜県関市にある「日龍峯寺(高澤観音)」が岐阜県下最古の寺だということは全然知らなかった。本堂前方が舞台造りで京都の清水寺に似ていることから”美濃清水”とも呼ばれ、境内の「多宝塔」(鎌倉時代)は国の重要文化財にも指定されているのだとか。あるネット記事を読んで訪問してみたくなり、せっかくならと記事にあったように第3日曜に日程を合わせてみた。結構な山道を車で上がり、駐車場に停めて山の上にある境内へ。この寺の庫裡はその第3日曜だけ「久里庵」と名付けられ手打ち蕎麦を提供している。庫裡から望む景色も新緑に彩られ目に眩しい。

定時になると中から女性(お庫裡さん?)と手伝いの女の子が出てきて座敷に案内してくれる。自分を含めて3組の客。広間には卓が6つほど並んでいて、そこから見える庭の緑も綺麗。品は蕎麦だけのようで注文も特になく、まずは蕎麦茶が運ばれた。蕎麦をいただく前に風味の強い蕎麦茶を出す最近の風潮には前から疑問なのだが、ここの蕎麦茶は色付きも香りも強くなく良かった。のどかな空間で涼しい新緑の風を浴びながら待っていると蕎麦が運ばれた。小皿には蕗の炊いたのや玉子焼き、それに天ぷらも付いている。

さっそく蕎麦を手繰る。蕎麦は平打ちの細切りでのど越しも良くとてもいい。正直ここまでの蕎麦が食べられるとは思っていなかった。つゆは辛過ぎず甘過ぎずの中庸なもの。天ぷらは揚げ置きで冷めてはいるが、ゴーヤ、かぼちゃ、人参の3種類。値段が値段なので付いているだけで有難い。蕎麦を手繰り終わるとちゃんと蕎麦湯も付いてきた。サラサラの蕎麦湯をつゆに足し、しっかりと全部飲み干した。手伝いの女の子(娘さんかな)に勘定してもらい、順番は逆になったが本堂への参拝に向かった。(勘定は¥700)

 


 

↓ 「大日山・日龍峯寺(にちりゅうぶじ)・本堂」(寛文10年・1670・建造)。通称:高澤観音。元は鎌倉時代に建てられたのだが「応仁文明の乱」(1467-1478)の戦火により焼失し、現在の建物は江戸時代に建て直されたものだとか。なるほど規模は小さいが”舞台造り”が清水寺に似ている。鶯が鳴いていた。

 

↓ 本堂にはいくつもの錦絵が飾られていた。名古屋鎮台~第十九聯隊(日清戦争)~第三師団という系譜の第日本帝国陸軍連隊が奉納したもののようだ。

 

 

↓ 普段は閉められているという本堂の隣の「籠堂(こもりどう)」(文化3年・1806・建造)。格子天井に1枚づつ天井絵が描かれている。よくここまで綺麗に残っているものだ。

 

 

 

 ↓ 国指定の重要文化財に指定されている「多宝塔」(写真下左・鎌倉時代・建造)。約800年もの月日の風雨に耐えている。「鐘楼」(写真下右・昭和11年・建造)では階段を上がって鐘を突くことが出来る。落書きの何と多いことか…。

 

↓ こちらにお供えされている野菜類の切り方が独特だった。境内では地元の方々によるお茶やほうば寿しの接待が。ありがたい。

 

 


 

手打そば 久里庵

岐阜県関市下之保4585

 

( 関 せき くりあん 日龍峯寺 にちりゅうぶじ 高沢観音 高澤観音 たかさわかんのん ゆく年くる年 NHK 縁日 蕎麦 そば ざるそば 重要文化財 )

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大幸飯店 @名古屋市北区・大曽根 (※閉店)

2019年06月19日 | 名古屋(東区・北区)

大曽根の銭湯「報徳湯」でたっぷり汗を流した後に、フラフラと駅方面で呑めるところを探すもピンとくる店が無く、結局ナゴヤドーム北の中華料理店「大幸飯店」まで来た。うっかりしていたのだが、この日はドームでドラゴンズ戦のデーゲーム(ボロ負け)があり、ちょうど観戦後の観客がぞろぞろと歩いている時間帯に当たってしまった。残念会(笑)で座れないかもと暖簾をくぐると、意外や客はまだ(もう?)多くなく、ユニフォームを羽織っていたり、メガホンを持っているファンも数名いるだけ。年配のご夫婦が切り盛りする調理場前のカウンターに腰を下ろして、何はなくともビール(キリンラガー大瓶)をお願いする。

乾ききった喉に滲みていくキンキンに冷えたビールはつまみなしであっという間に半分無くなった。旨いのなんの。注文したつまみは「餃子」。しばらくして運ばれた「餃子」は片側がしっかりめに焼かれたものが8つ。焼き面はカリッとはしていないが、中華料理屋らしい餡の味で、これもまた旨い。ビールをもう1本追加してメニューを眺める。内容はよく分からないが「三絲飯(サンスーハン)」、「蝦仁飯(シャーシンハン)」なんてところが気になるも、まだご飯で締めたくはなかったので、麺ならつまみになるかもと「焼そば」をお願いした。どんなタイプの「焼そば」か注釈は無かったが、出てきたものは甘めでとろみの付いた中華餡がたっぷりかかったもの。餡の下に細麺がたっぷりと隠れている。うーん、旨いけれどちょっと酒呑みには重かったかなァ。この後もう1軒くらいどこかへ呑みに行こうかと思っていたがお腹がいっぱいになってしまった。次は昼に来て気になったご飯物を頼んでみようかな。(勘定は¥1,900)

 


 

↓ 「大曽根駅」と「平安通駅」の間の路地にある「報徳湯」。大きくない浴場だがサウナもある。名古屋の銭湯らしく浴場の真ん中に浴槽が。果実湯と称して柑橘系の果実(ザボンかな)が袋に入った湯船も。

 


 

中華料理 大幸飯店

愛知県名古屋市東区大幸2-3-5

※閉店されたようです(令和4年1月現在)

 

( 名古屋 なごや 大曽根 おおぞね ナゴヤドーム前 だいこうはんてん 中華料理 中国料理 ギョーザ ギョウザ 中日ドラゴンズ 銭湯 ほうとく湯 閉店 廃業 )

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The Traveling Wilburys Collection (CD+DVD) / The Traveling Wilburys

2019年06月18日 | クラシック・ロック

 

The Traveling Wilburys Collection (CD+DVD) / The Traveling Wilburys (2016)

トラヴェリング・ウィルベリーズ(The Traveling Wilburys)の3枚組セットを安価で手に入れる事が出来た。1988年に発売されたアルバム「Volume 1」にドキュメンタリー+PVのDVD、それに90年の「Volume 3」を加えた3枚組。アルバムにはボーナス・トラックも加えられている(※「Volume 2」は録音されたと言われているが正式な発売は無し)。ご存じの通りトラヴェリング・ウィルベリーズは超の付く大物が集まったスーパー・グループ(←古い呼び方だ)。遊びで変名を使っているが、声だけでも誰か分かってしまう物凄い面子。Lefty Wilbury (Roy Orbison)、Lucky Wilbury (Bob Dylan)、Nelson Wilbury (George Harrison)、Charlie T. Jr. (Tom Petty)、Otis Wilbury (Jeff Lynn) 、それにジム・ケルトナー、レイ・クーパー他が参加(ちなみに次作では変名も変更)。偶然に集まった彼らが1曲作ったらぴったりと馬が合って、興に乗ってアルバムに発展したという奇跡のような話。このあたりはDVDに詳しい(輸入盤でも日本語字幕あり)。自分はファーストだけ所有していたが、その頃はそんなに盛り上がるでもなく、確かに曲の出来はいいなァぐらいにしか思っていなかったが、それぞれのアーティストを掘り下げていくうちに、このバンドがアルバムを”ササっと”作った奇跡に改めて驚嘆している。

これくらいの大物アーティスト達ならエゴの塊であってもおかしくないので、オレがオレが…になってあっという間に空中分解しても不思議ではないが、映像でレコーディング風景を見ても、何とも穏やかで、楽しそうで、それぞれに対するリスペクトが溢れ出している感じが伝わってくる。もちろんロック界最高峰の彼らだから技量も才能の引き出しも充分なのだろうが、1曲ならずアルバム2枚(正確には3枚分)を”ササっと”作ってしまうのだから凄い。惜しくもファースト録音直後にロイ・オービソンが亡くなってしまったが、他のメンバーのアイドルだったろう伝説の彼がバンドに居たことが良い影響を与えただろうことは間違いない。懐かしいロックンロールを下敷きに、カントリー、ラグ、ブルーズ、ポップス等の各自のルーツを内包しつつ上手くまとめあげ、しかもそれぞれの出番がちゃんとあるという完成度の高い内容。現在、すでにこのメンバーの中の3人が鬼籍に入ってしまったが、こうやって音楽作品として残って良かった。

オークションにて購入(¥1,039)

  • CD  (2016/6/3)
  • Disc : 3
  • Format: CD, CD+DVD, Import
  • Label : Concord Records
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菊川酒蔵東店 @岐阜県岐阜市 (2)

2019年06月18日 | 岐阜県(岐阜)

日曜日の夜、久しぶりに柳ヶ瀬の居酒屋「菊川酒蔵東店」へ。雨も当たらず便利なアーケード街だが、日曜夜ともなると店はことごとくシャッターを閉め、呑むことの出来る店は数えるほどしかない。西柳ヶ瀬にあった「菊川酒蔵」は2月に閉店してしまったがこちらは健在。自分が階段を昇って店に上がる前から何人もこの入口に吸い込まれていくのを見た。案の定中に入るとすごい混雑。閑散とした通りと全く違う熱気。呑ん兵衛がみんな集まっているのかな(笑)。あやうく一番奥にあるカウンター席からもあぶれるところだったが、少し詰めてもらいようやく座ることが出来た。調理も忙しく、すでに無くなった品もいくつか出ているようで、切り盛りしている男性店員が「〇〇もう無くなったよー。」「△△これで最後ねー。」とホールに伝えている。

まずは「お酒大」をお願いする。品書きに載っていた「しめさんま」は既に売り切れとのことで「砂肝焼・三本」をお願いした。厨房もてんてこ舞いのようで焼物にも時間がかかる。「遅くなってすいませんねー。」と出てきた「砂肝焼」は塩で小振りなもの。コリッとした食感を噛みしめながら塩味を酒で流す。自分の周りに座っている年配の客はみなバラバラで来ているのに、席に座る時や帰りがけに「ヤァヤァ」と挨拶している人が多い。きっとみんないつもの席で顔見知りなんだろうなァ。品書きの”菊川名物”のコーナーから「納豆天」を追加。これもやや時間がかかって登場。文字通り納豆の天ぷらで3つがこんがりと揚がっている。揚げ色は強め。大根おろしとすり生姜が添えられた天つゆでいただく。納豆の香ばしい香りでなかなか旨い。塩や醤油直接でも旨かった。まだまだ混んでいるのでこの辺で。(勘定は¥1,500程)

以前の記事はこちら (1

この後の記事はこちら (3)(4

 

 

味と心づくし 菊川酒蔵 東店

岐阜県岐阜市柳ヶ瀬通2-17

 

( 岐阜 ぎふ 柳ヶ瀬 やながせ 柳ケ瀬 柳ヶ瀬商店街 菊川 菊川株式会社 菊川酒造 菊川酒蔵 居酒屋 酒場 篝火 かかみがはら かがみはら うぬま )

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一八本店 @名古屋市中区・栄

2019年06月17日 | 名古屋(中区 老舗)

久しぶりに名古屋の住吉町辺りへ。現在の住所的には栄3丁目だけれど旧町名の”住吉”の方が分かり易いのになァ。夕方にこの界隈を久しぶりに歩くと、行き交う人は携帯電話片手にスーツケースを転がす大陸の人ばかり。その密度たるや日本じゃないみたい。もう”共産主義”って何だったっけ?という感じ。用事の前に軽く腹に入れておこうと「一八本店」の暖簾をくぐってみた。

かつては愛三岐の東海3県はおろか、東京にまで暖簾分けの店があったという名古屋の麺類食堂きっての老舗屋号「一八」。高齢化、後継者のこともあって店舗数を減らしているが、それでもまだいくつもの店が現役。その本店と言えば橘の「一八本店」が思い浮かぶが、もう1軒”本店”を名乗っているのがこちら住吉の「一八本店」。創業は戦前だそうだが橘の本店よりは後発で、どういう経緯かは知らないがあちらの系譜を示す”一八会”の暖簾にはこの店を示す名前が載っていない様子(未確認)。関係があるのか、それとも全く別なのか。まぁ、歴史ある屋号だから色々とあるのかもしれない。

それはさておき、店に入るとテーブルが5つほど並ぶこじんまりとした店内に女将さんが1人。夜にはまだ早い、ちょっと外れた時間だったので先客は無し。壁に掛かったプラスチック製の札の品書きには「志乃田丼」や「木の葉丼」というこの地方ならではの丼物の名前も見える。歩いて店まで来たが、外は少し暑かったので「きしめん」を”ころ”でお願いした。品書きに”ころ”とは載っていないがすんなりと注文が通る。

仕事の着信やメールがあったかなと携帯電話を確認するために取り出していたら、もう「きしころ」が届けられた(笑)。その時間、冗談抜きで約30秒。麺を茹でたり、水で締めたような気配は無かったんだけど…。マジック(笑)。麺の上にはほうれん草、蒲鉾(もちろん赤い縁)、刻み揚げ、それに花かつおという「きしめん」の標準的なラインナップ。少量のつゆは甘さ控えめのすっきりとしたもの。味も色もあまり濃くない。きしめんはやや薄めで幅は標準的なもの。つるんとした食感で悪くない。スルスルっといただいて、冷たい(といってもキンキンに冷えている訳ではない)つゆも少し飲んでご馳走様。次は丼物もいただこうかな。(勘定は¥350)

 

きしめん 一八本店

愛知県名古屋市中区栄3-19-1

 

( 名古屋 なごや 住吉 すみよし 一八 いっぱち いっぱちほんてん きしめん うどん 丼物 麺類食堂 大衆食堂 老舗 一八会 一八のれん会 )

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三勝屋 @岐阜県加茂郡八百津町 (4)

2019年06月16日 | 岐阜県(中濃・老舗)

八百津で見逃していた近代建築を訪問した時に、神社前の駐車場にバイクを停めると「三勝屋」に”予約の為午後1時から営業する”旨の貼紙があった。ここはこういう事がよくある。店の前で戸惑っている人は遠くから来た人だろうか。建築を愛でた後に店に戻るとちょうど店の人が暖簾を掛ける所だった。何か軽く食べようかなと店に入るとすでに満席(汗)。以前自分も遇ったことがある”フライング入店”だろう。テーブル席で相席を案内されたので先客に声をかけて座らせてもらう。この日の給仕は若い(といっても名物お母さんと比べてという意味だが)夫婦と思しき方達。息子さんだろうか。注文はかねてから心に留まっていた「支度(したく)」。「支度下さい。」とお願いすると、給仕男性がびっくりした顔で「えっと、”支度”って魚とご飯だけやけど…。」と困惑顔。「ハイ、知ってます。」と無事に注文が通った(※以前お母さんに「ご飯とおかずだけやけど、もう”支度”が出来とるっていう意味やわ。」と教えてもらっていたのだ。

もちろん先客をさしおいてすぐに「支度」が配膳された。本当に煮魚とご飯と漬物(たくあんとしば漬け)のみ。魚は色も味付けもかなり濃いめ。醤油の他に味噌も使ってあるかな。かなり身が厚い。土地柄川魚かなと思っていたけれど、これは鯖かな? 濃くて味でも姿でもよく分からない(笑・訊くの忘れた)。ご飯のすすむ味付けだが、肝心のご飯の調子があまり良くない。水分が多く軟らかく崩れてしまっていて残念。品書きに「煮魚定食」っていうのがあるが、それだと100円アップなので汁が付くのだろう。どちらにしてもこの内容ではちょっと高く感じてしまうかな…。でも「パーコー」などを頼んだ人達を尻目にさっさと食べ終わることは出来た。(勘定は¥680)

以前の記事はこちら (1)(2)(3

この後の記事はこちら (5

 


 

↓ 八百津の街中の交差点に建つ建物(建築詳細不明)。この辺りはちょっと寂れてしまっているが、銀行もあるし昔はメインの通りのひとつだったに違いない。

 

 

 


 

お食事処 三勝屋

岐阜県加茂郡八百津町八百津4118-1

 

( 八百津 やおつ 三勝屋 さんかつや パーコー 百年食堂 大衆食堂 麺類食堂 老舗食堂 洋食 ラーメン 中華そば にっぽん全国百年食堂 椎名誠 近代建築 )

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松月 (3) @名古屋市中区・栄 (※閉店)

2019年06月15日 | 名古屋(中区 老舗)

栄町ビル地階の天婦羅「松月」へ。広小路通を挟んだ向かいの丸栄百貨店が取り壊された跡地に食をテーマとした商業施設が出来ると最近発表があったが一時的な物らしく、この栄町ビルも含めた再開発という方針は変わっていないようだ。相変わらず1階は都心の商業ビルとは思えないほどガランとしているし、地階の”グルメフロア”も、とんかつの「いし河」が店を閉めてしまったりと寂しい。ただ「うめや」の後に寿司屋が入ったりと、何とか踏み留まってはいる。今入っている店は将来的には新しい商業施設の方に移転、そしてビルを取り壊し、なんてことになるのだろうか(※)

(※)入店している「バナナレコード」のHPによると、現在のところ取り壊し予定はまだないそう。

閑話休題。こちら中休みが無い便利な店なのだが、店に入ると半端な時間にも関わらず、5組ほども入っていて盛況。まずは(なぜか壁の品書きに書いていないが)「日本酒」をぬるめでお願いする。ご飯を食べる気は無かったので天ぷらは「天ぷら盛合せ」をお願いする。天つゆと守口漬が用意され、「大関・上撰」の小瓶が運ばれた。この日の揚げ方は若い衆と兄貴分の2人。まだ要領を得ない若い衆に兄貴分がイライラ。客も多く、天ぷらを出す順番が一緒でないのでやや混乱。確かにこれカウンターに座った人全ての順番を覚えないとダメだもんなァ。

まず小さめの海老が2本、分厚いかぼちゃ、ピーマン、穴子、鱚(きす)がやや間を開けながら置かれる。ちょっと時間がかかっているので酒を追加。「大関・しぼりたて・生貯蔵酒」の小瓶。隣の女性が「天ぷら定食」を注文していたので、タネは同じように出てくるのかと思いきや、定食の方がタネが多く、椎茸、玉ねぎ、かしわなどが置かれている。しかもこっちの「盛合せ」が終わった時に定石通り「これで終わりです」と言ってくれなかったので、まだ何か出てくるのかと待ってしまった。こちらから訊くと、もう全部出ています。」との事。うーん、今まで盛合せを頼むことが多くても気にならなかったが、酒は余してしまうし、これなら100円高くても「天ぷら定食」を頼んでご飯を遠慮した方が絶対お得だ。横に定食の人が居なきゃ気付かなかったが…(笑)。(勘定は¥1,800)

以前の記事はこちらこちら

 


 

↓ 近い将来取り壊しが確実な「栄町ビル」(昭和39年・1964・建造)の地階への階段にある店舗のハニカム看板。こういうデザインは昭和でなけりゃなかなか出てこない。

↓ 長いことそのままだった「明治屋栄ビル」(昭和13年・1938・建造)もやっと取り壊しが決まったそうだ。明治屋が撤退してからすぐに取り壊しだと思っていたら、長いことそのまなのでひょっとして存続?なんて思っていたのに…。もう見納めかと一周回って姿を記録しておいた。

 

 

 

 

 


 

天婦羅 松月 (松月栄町店)

愛知県名古屋市中区錦3-23-31 栄町ビルBF

 

( 名古屋 なごや 栄 さかえ 松月 栄町店 しょうげつ 天ぷら 天麩羅 近代建築 取壊し 明治屋ビル取壊し 栄町ビル 再開発 )

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