Best Of Berlin 1979-1988 (1988)
80年代のエレクトロ・ポップ・バンドのひとつ、ベルリン(Berlin)のベスト盤。自分はこのバンドが大好きで、テリー・ナン(Terri Nunn)がヴォーカルを担当してからの「Pleasure Victim」はカセットテープ(!)で、次の「Love Life」はアナログで所有している。当時日本ではまだマイナーな感じだったが、アメリカのバンドなのにヨーロッパ的な雰囲気があり、当時流行していた”ニュー・ロマンティック”という括りにはもちろん入れられないが、共通するデカダンな香りのあるバンドだった。バンドの要だった(そしてテリーの恋人でもあった)ジョン・クロウフォード(John Crawford)が作るシンセ、キーボード主体の曲もセックスを題材にしたものが多く、PVもエロチックで退廃的な雰囲気が満載だった(今観ると他愛もないが)。例に漏れず、このバンドを好きになったきっかけは83年にテレビ朝日系列で放送された「Us Festival」(あの放送から受けた影響は計り知れない…)のライヴ映像。多分ベルリンは1曲くらい、それもダイジェスト的な放送だったと思うが強く印象に残った。その後に購入したアルバム「Love Life」は特にどの曲も完成度が高く、今でも80年代の自分の好きなアルバムを選ぶとしたら必ず入るだろうと思う。一般的にブレイクしたのは世界的に大ヒットした映画「トップガン」の主題歌「Teke My Breath Away」だったけれど、営業的に他人の作曲したこの曲を歌うことでバンドに亀裂が入ったらしい。
1曲目は1988年の作ということで、このベスト盤の為に録音したものだろうか。もうジョンどころかオリジナル・メンバーの影はみじんもないけれど、出来は決して悪くない。それだけテリー・ナンのヴォーカルが光っている。彼女はこの後もベルリンとして活動しているが、どうもバンド名の権利を買ったようだ。それでも80年代のバンドを1日だけ再結成させるTV番組企画の後もオリジナル・メンバーは時々ゲストとしてステージに立ったりしているようなので良好な関係にあるようだ。さすが抜粋だけあってどの曲も80年代のあの頃の雰囲気を伝えるにはピッタリ。どの曲もイイなァ。本当はもっと好きな曲もあるのだが…。最後の「All Tomorrow's Lies」は特に自分の大好きな曲だったので、これで締めるというのは素晴らしいと思っていたのに、聴いてみると何か違う…。どうも88年の再録音のようだ。ガッカリ。多分テリー・ナンにとっても特別な曲なのだろうが、オリジナルを超えることなんて出来るはずないのに…。
ブックオフにて購入(¥500)
- CD (1988/11/15)
- Disc : 1
- Format: Import
- Label : Geffen