テデスキ・トラックス・バンド (6月12日 名古屋・Zepp Nagoya)
相変わらず”名古屋とばし”甚だしく、観たい聴きたいアーティストにはなかなか名古屋に寄ってもらえず。今回は2014年、2016年に続いて3回目のテデスキ・トラックス・バンド(Tedeschi Trucks Band)の名古屋公演。ダイヤモンドホール、市公会堂ときて今回は笹島のZepp Nagoyaにて。笹島(ささしまライブ駅)周辺は開発著しく、中京テレビや愛知大学キャンパス、ストリングスホテルなどが出来たので”新都市”みたくなってきた。それに伴った商業施設も出来ているが平日夕方とはいえどこもちょっと寂しい客入り。もとより自分はこういう施設で飲食することはほとんど無いが、上手くやっていけるのだろうか。
それはさておき会場入り。年齢層が高いのはいつものこと。大きくない会場とあってほぼ満席の入り。通常はスタンディングが多い会場だが指定席なのでパイプ椅子が並べられている。適当に取った席はステージ正面で悪くない席。銭湯に入ってからさんざ歩いてきたので有難い(笑)。シンプルなステージに和やかな雰囲気でメンバーが登場するも、デレク(Derek Trucks)のギブソンSGが鳴ると、その神々しい音が響き渡り、空気が変わる。元々ハスキーなスーザン(Susan Tedeschi)のヴォーカルは伸びもあってこれまたとてもイイ。と、ここまで書いて前回来日時とほとんど同じ記述だと気付く(笑)。ニューアルバムからの演奏曲が多くないのまで同じ。今回のカヴァー曲はドミノス(Derek & The Dominos)の「Keep On Growing」、ローランド・カーク(Roland Kirk)の「Volunteered Slavery」、先頃亡くなったドクター・ジョン(Dr. John)の「I Walk On Guided Splinters」など。相変わらずカヴァーが半分を占めている。
相変わらずの大所帯(12人)だが、キーボードとフルートを担当していたコフィ(Kofi Burbridge)が2月に急逝したので、新しいメンバーゲイブ・ディクソン(Gabe Dixon)が担当。ハモンドの音に迫力があり、ヴォーカルを担当する曲もあって大活躍だった。デレクは相変わらず愛想無しの地味な態度で、ほぼ横を向いたりスーザンの後ろに隠れがちなので、世界最高峰のブルース・ギタリストの手元を見たい観客にはフラストレーションが溜まる。しかしそこはバンマス、各自のソロやバンドの進行は全て彼の合図(アイコンタクト)で行われているのだった。スーザンのギターも本当に素晴らしいのだが、いかんせん現役ナンバーワンと評される夫のプレイの後では可哀想。それでも膝上15cmのダサいワンピース(笑・失礼)の彼女からは相変わらずガッツ溢れるプレイが聴ける。世界一エレクトリック・ギターの上手い夫婦で間違いないだろうナ。バンドの特徴のひとつ、ツインドラムではプログレッシヴなプレイもある新機軸。正直3回目ともなると退屈するかなと思っていたが、高い演奏力でしっかりと楽しめた。開演前のSEでJB(James Brown)がかかっていたけれど、ラッパ隊も重要な役目を持つこのバンドがファンキーな方向に振った演奏を聴いてみたい気がする。
<Setlist>
- Signs, High Times
- Do I Look Worried
- I'm Gonna Be There
- When Will I Begin
- Keep On Growing (Derek and the Dominos cover)
- All the World
- Leaving Trunk (Sleepy John Estes cover)
- The Sky Is Crying (Elmore James cover)
- I Walk on Guilded Splinters (Dr. John cover)
- Let Me Get By
- Show Me (Joe Tex cover)
(Encore)
- Don't Keep Me Wonderin' (The Allman Brothers Band cover)
- Made Up Mind