監督は相田和弘さん。観察映画第8作目です。
ザ・ビッグハウスとは、ミシガン大学のスタジアムのことです。
一大学に全米最大のアメリカンフットボールのスタジアムがあるのです。
収容人数は11万人余り。その席が埋め尽くされます。
日本人にとってあまりなじみのないミシガン大学がとてつもなく巨大なのです。
この映画は、アメリカの大学、大学スポーツ、アメフト、チアリーディング、ブラスバンド、マーティングバンドに
興味のある方には超おすすめです。
多くの日本人は、「なんだこのスケールのデカさは」と思うに違いありません。
映画監督17名がカメラを回します。
冒頭のシーンは、ビッグハウスの満員の観衆の前に降り立つパラグライダーの兵士が
航空機から飛び降りるシーンから始まります。
スタジアムのフィールド上で繰り広げられるゲーム前のパフォーマンスの迫力に圧倒されながら、
11万人が集まるという大きなドラマの内側にもカメラが入り込みます。
厨房に、記者席に、セキュリティに、救護施設に、VIPルームに、もちろん観客、大学関係者にも。
カメラマンは、魔法の身分証をつけているようにどのにでも侵入できます。
実は、相田監督はこの大学の教員であり、大学側の強力なサポートがあるのです。
いままでの観察映画とは全く違います。
ある意味、光ばかりの大学スタジアムですが、その中にアメリカの影を映し出していくのは相田映画だと思います。
時は2016年。トランプが大統領候補として躍進している時期にあたります。
スタジアム周辺には、街宣車が走り回ります。
遠景になっています。
それにしても、アメリカの大学スポーツってけた違いです。
この映画を見て、初めて知ったことの一つは、
国歌『星条旗 The Star-Spangled Banner』は、戦場を描いた歌だったことです。
一番のみ転載します。(世界の国歌、行進曲より)
1. Whose broad stripes and bright stars, |
1. |
And the rockets' red glare, Oh, say does that star-spangled |
砲弾が赤く光を放ち宙で炸裂する中 |
愛国心を鼓舞する歌詞です。米英戦争の史実をもとに書かれています。
今も息づく、アメリカンスピリットです。
それにしても、この大学は、ホワイトが多いように感じましたがどうでしょうか。
アメリカという巨大国家を知るには最適の映画と思いました。