岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「市場原理」と「民営化」

2005-08-21 23:09:13 | 国民と国会と政治
「民営化」について、私にはよくわからないことが多い。
ここは郵政に限らず、「民営化」全般について少し考えてみよう。

昨夜、NHKで放送していたのは、水道の民営化だった。
英国の話だったが、ある地域で水道供給を民営化することに
なった。民営化すると、料金が下がると思ったが、
そうはならなかった。
その上、水道会社は、ドイツの会社に買収されてしまった。
(これは大いに困った話だ)
水道供給の場合は1社独占になるから、競争原理が働かない。
そういうことが料金アップの原因というが、そんな単純なことが
事前にわからないのだろうか。

日本の話。
国鉄の民営化=JRは成功例といわれる。
しかし「市場原理」では「安全」を経費と考えてしまうから、
どうしても「安全」が軽視されてしまう。
尼崎列車転覆事故は「民営化」のひとつの結論である。
例えば、民営化で、ダイヤ編成もJRの判断に任される。
運転士資格もJRに任される。
「市場原理」に都合のよい改革(改悪)が行なわれる傾向がある。

もちろん、国鉄がそのままでよいかといえばノーである。
ポイントは公的機関がどこまで関与するかだ。

介護保険の市場化にしてもしかり。
民間が参入すれば、やはり彼らは儲かる部分の仕事しかしない。
援助を必要とされる方々の中には、公的な機関でカバーする
しかすべがない人が多い。

「安全」「環境」など、国民の生活に直結する部分は、簡単に
民営化できない。熟慮のうえに熟慮が必要だ。

「大きな政府」VS「小さな政府」の議論も、
単純に「小さな政府」がいいとはならない。
「小さな政府」は経費は少ないかもしれないが、国民の生活を
守れないかもしれない。

「民営化」と「小さな政府」、どちらも当たり前の話ではない。
世界中の国が試行錯誤している大問題だ。
「民営化」=改革という単純な考えでは問題の解決にはならない。

このようなレベルで考えています。

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