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朝日新聞8月16日朝刊
龍谷大学の廣瀬純先生の「異見新言」欄記事の見出しに惹きつけられた。
リードは、「格差社会の絶望の中から立ち上がる運動が、若い人を中心に目立つようになった....」。
(そうなのか。非正規労働とはマイナスばかりではないのか)
廣瀬先生は、新たな「主役」である非正規労働者の登場と社会運動の再生が、
南米では10年前に経験されていたという。
「例えば、メキシコの先住民運動、ブラジルの土地なし農民運動、アルゼンチンの失業者運動、
ボリビアの水道自主管理運動がよく知られている」。
90年代末から誕生が続いた左派・中道左派政権の誕生に背景でもあるという。
社会運動に共通する特徴は、
1. 主役が非正規労働者である点(正規労働者と主役交代)。
2. 運動の起こる場、交渉相手、その内容も変化した。
運動の震源は、工場、オフィスから外部へ。経営者相手から政府に対する社会政策の要求へとなった。
例として、アルゼンチンの失業者運動は、ピケを張るのは工場の門前ではなく、
首都ブエノスアイレスから地方を結ぶ幹線道路になった。
生産を止めるのではなく、流通を止めるのだ。
3. 運動が居住地区単位で組織された。
たとえば、「水道自主管理などを通じ、住民自治に基づく生活共同体の構築に着手した」(ボリビア)。
「今日のラテンアメリカの運動では、新たな生き方の集団的創造にこそ活動の中心がある。
社会政策の要求はそのための二次的な闘争に過ぎないとすら言える。日常生活は単なる生存、再生産の場ではもうない」。
廣瀬先生は、最後に「完全雇用」というのは偽りの理想だと断言し、「生きること」自体の中に
創造性を取り戻すための地平があると書いている。非常に興味深い内容だった。
このことは、私たちもうすうすながら気がついていたのではないか。
私はここ数年、「働くこと」について考えて続けてきたが、それは正規雇用から非正規雇用へと立場を変えた経験からである。
非正規雇用者のほとんどは、今後も正規雇用者にはならないだろう。その中での社会運動とはなにか。
示唆することの多い記事だった。
写真は、後楽園から岡山城を望む。後楽園の芝生で野外コンサートが開かれていた。
龍谷大学の廣瀬純先生の「異見新言」欄記事の見出しに惹きつけられた。
リードは、「格差社会の絶望の中から立ち上がる運動が、若い人を中心に目立つようになった....」。
(そうなのか。非正規労働とはマイナスばかりではないのか)
廣瀬先生は、新たな「主役」である非正規労働者の登場と社会運動の再生が、
南米では10年前に経験されていたという。
「例えば、メキシコの先住民運動、ブラジルの土地なし農民運動、アルゼンチンの失業者運動、
ボリビアの水道自主管理運動がよく知られている」。
90年代末から誕生が続いた左派・中道左派政権の誕生に背景でもあるという。
社会運動に共通する特徴は、
1. 主役が非正規労働者である点(正規労働者と主役交代)。
2. 運動の起こる場、交渉相手、その内容も変化した。
運動の震源は、工場、オフィスから外部へ。経営者相手から政府に対する社会政策の要求へとなった。
例として、アルゼンチンの失業者運動は、ピケを張るのは工場の門前ではなく、
首都ブエノスアイレスから地方を結ぶ幹線道路になった。
生産を止めるのではなく、流通を止めるのだ。
3. 運動が居住地区単位で組織された。
たとえば、「水道自主管理などを通じ、住民自治に基づく生活共同体の構築に着手した」(ボリビア)。
「今日のラテンアメリカの運動では、新たな生き方の集団的創造にこそ活動の中心がある。
社会政策の要求はそのための二次的な闘争に過ぎないとすら言える。日常生活は単なる生存、再生産の場ではもうない」。
廣瀬先生は、最後に「完全雇用」というのは偽りの理想だと断言し、「生きること」自体の中に
創造性を取り戻すための地平があると書いている。非常に興味深い内容だった。
このことは、私たちもうすうすながら気がついていたのではないか。
私はここ数年、「働くこと」について考えて続けてきたが、それは正規雇用から非正規雇用へと立場を変えた経験からである。
非正規雇用者のほとんどは、今後も正規雇用者にはならないだろう。その中での社会運動とはなにか。
示唆することの多い記事だった。
写真は、後楽園から岡山城を望む。後楽園の芝生で野外コンサートが開かれていた。
たしかに
雇用と社会との関係に
これまでとはない視点が可能なように思いました。
朝日の書評はふだん読みませんが
オンラインで書名だけは知ることできるとわかりました。
廣瀬先生はフランスで学ばれた方のようですね。龍谷大学のサイトで知りました。
私の頭には非正規雇用は格差社会の敗者という視点に対する懐疑はあったのですが、「主役交代」した世界があるという記事には驚くとともに目を見開かされました。世界は広いですね。