岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「SuPerの価値」  フィンランドの知恵

2010-09-25 13:28:59 | 社会福祉士


「フィンランドの地域ケアとラヒホイタヤ」 太田貞司先生
第18回日本介護福祉学会大会資料をbonn1979先生より。

とても興味深い資料です。
資料全体からフィンランドの人々の生活が感じられます。
ラヒホイタヤを職業としている人々の手記が資料に広がりと奥行きを
与えているように思います。


表題の「SuPerの価値」にあるSuPerとは、フィンランドのラヒホイタヤ等の全国組織の名称です。
この団体は、以下の「価値」を大切にするという。
(以下、資料よりの引用です)

第一に「義務」。
私たちは他の人々に対して尊敬と思いやりをもつ。
私たちはその人の個性、自己決定の権利を大事にする。
私たちは人間を中心におき、公正さを基本にする。
私たちは、主には、会員、患者、利用者、私たちの組織のために働いていることを
忘れない。
ともに作り上げてきた共通の目標、一致点に向かって努力する。

第二には「勇気」。
私たちは会員の将来に必要となるものは何かを考える。
創造的で、偏見を持たないで働くことである。
仕事のあり方を変える。
前例を踏襲しがちになる。
失敗は、創造していく過程のひとつであると理解している。

第三には「責任」
私たちは、自己開発、ともに作り出した成果に責任を持つ。
他の人びとへの信頼と支援が大切である。
熟達した、責任がある仕事をする。
臨機応変に、柔軟に仕事を遂行する。
SuPerの会員、私たちの協力者をいつでも助ける心構えを持つ。
誠実さを持ち、約束を守り、活動の発展に参加することが、私たちの将来の成功をおさめるということに、
私たちは確信をもつ。

引用終わり。

「義務」、「勇気」、「責任」。
「義務」は、人として、仕事を行うものとしての義務。
「勇気」は、創造することの重要さと、勇気を持って創造することの大切さ。
「責任」は、創造したことを実践する責任。仕事への責任。

「勇気」が、重要な「価値」となっている。
その通りだと思う。

ところで、この記事ではラヒホイタヤについてはなにも書いてません。
もちろん私の任ではないからです。

※ラヒホイタヤは、ラヒ(=身近な)+ホイタヤ(=世話をする人)とのこと。
引用文の訳は、在ヘルシンキの河田舜二氏です。


20代の初めにフィンランドの湖水地方で1週間を過ごしたことがあります。
森の中での静かな日々を思い出します。
宝物のような経験でした。

「森の人々」が生活の中で学び創造した「仕組み」に敬意を表します。


フィンランドに関するbonn1979先生のブログ記事集。すごい。

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