岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

『ここに人間あり』-写真で見るハンセン病の39年

2008-07-31 21:13:24 | ハンセン病
写真家 大谷英之さんの作品集 2007年1月30日発行
発行所:毎日新聞社。
岡山県立図書館で借りました

大谷さんは1931年生まれ。
1967年に新宿西口の赤提灯で、ハンセン病回復者と出会い、取材を始める。
以来39年間を記録した。
このような長期の記録が他にあるのだろうか。
長島愛生園にも1969年に訪問している。
多くの写真は多摩全生園で撮られている。

資料的価値も非常に高い、そして人を撮っている。
『ここに人間あり』の写真集だと思う。
残念ながら、写真集の写真をブログに掲載することはできない。
表紙は許されると思うので、表紙の説明をしてみたい。

舌で点字を読んでいるところです。
藤本としさんの著作『地面の底が抜けたんです』の269Pの文章を引用します。
「この病気はどこもかしこもみんな痺れてしまいますけれど、舌だけは麻痺しない。
私も目を失くしてから本当に助かりました」。
唯一、感覚のある舌を使って文字を読んでいるのです。
舌は柔らかな部位です。皮膚が破れて血まみれになるそうです。

この写真集には、数名の方が実名で特集されています。
どのかたの写真も説明文章も読ませてもらいました。
中でも、伊波敏男さんと伊佐真光さんのの履歴に驚きました。
ともに岡山県立邑久高等学校新良田分校出身だったのです。
これは次回に書いていきたいと思います。


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