岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

映画『この空の花』大林宣彦監督作品を観る。

2013-09-15 22:51:11 | 映画・DVD 
「長岡花火」の素晴らしさは噂で知っていた。
NHKでライブ放映した時には小さな画面でも驚くほどすごかった。





3尺玉です。

筒は大砲のように太い。

この長岡花火の素晴らしさはエンディングロールで十分楽しめます。

映画は、長岡花火が単に「花火大会」ではないことを2時間半に渡って知らしめてくれる。

この映画は2011年7~8月の間、
東日本大震災から4~5月後の設定だ。

2011年3月11日は、私たちの存在自体を問い直された日だった。
私たちの頭は思考停止し、行動も停止せざるを得なかった。
映画人も同様だった。
震災以前と以後は決定的に変ったといわれるが、被災地以外の私たちは本当に変わったのだろうか。
2年半経った今は元の木阿弥ではないか。

元の木阿弥※にならない唯一といっていい方法はみんな持っている。
それは「想像力」だと大林さんはいう。
経験や体験をできなかった私たちは、「想像力」を働かすことで、疑似体験をすることができると。

その疑似体験の場がこの映画になっている。

この『この空の花』は、普通の映画とはかなり異質だ。
若い人に見てもらいたいと、最初に画面で流れる。
過去を生きた人間から未来を生きる人間への伝言だと。

この映画は、徹底した反戦争映画だ。
登場人物の多くは、戦争や原爆、空襲、地震、津波、原発事故を体験している。
主人公の熊本天草の女性記者は被爆2世だ。
元カレの男性は山古志に住んでいる。

長岡は、南相馬から多くの人が避難してきた。
かつて、戊辰戦争に敗れ、米百表で教育を育てた人々は、再び長岡大空襲で1400名を失った。
人口の倍の14万発の爆弾が落とされた。
B29が125機も飛来したという。
その惨劇をこれでもかこれでもと映像化する。
これが疑似体験だ。
日本の多くの都市が同じ規模の空襲を受けている。
これは、空襲のための戦術が同じシステムになっていることによるのだろう。
南海のテニアン島を飛び立ったB29機は100機以上で編隊を組む。
岡山市の空襲もまったく同じだった。死亡者数もほとんど同じだ。
防空壕で窒息したり焼夷弾で焼けただれ、熱さのために川に飛び込んだという話を同じだ。
映画はまるで岡山空襲の惨劇と同じだった。

私も記事にしています。

今夜は時間がなくなりました。
明日、続きを書きます。


「この空の花」のホームページ

「この空の花」映画制作委員会

※元の木阿弥とは、
いったんよくなったものが、再びもとの状態に戻ること。
[補説]戦国時代の武将筒井順昭が病死した時、死を隠すために、その子順慶が成人するまで、声の似ていた木阿弥という男を寝所に寝かせて外来者を欺き、順慶が成人するや順昭の喪を公表したために、木阿弥は再びもとの身分にもどったという故事からという。


知識がありませんでした(-_-;)


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