岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

掘り下げよ!「新型ATS設定ミス」

2005-11-06 11:05:28 | JR西福知山線脱線転覆事故&安全
まとまった記事を待っていたJR西日本の「新型ATS設定ミス」
関係だが、今朝の毎日新聞で「追跡 新型ATS設定ミス」という
記事が本田健記者の著名記事として掲載された。
この記事で組織体制としてのJR西日本の問題点が、浮き彫りに
なっている。
しかし記事を読んで少々「追跡」がたりないとも思った。

問題点をあげておこう。

・設定ミスに気がついたのが、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会
であったことは定かだが、判明理由が、4.25事故※の運転手が
事故直前、始発駅(宝塚駅とは書いていない)に向う途中のカーブ
(どことは書いていない)で、速度を出しすぎたため新型ATSが
作動した。その経緯を調査したところで「ATS設定ミス]」と
わかった、とある。
この文章はここで終り、深くは掘り下げていない。

これは物足りない。なぜなら、運転士は制限速度内で運転していて
新型ATSが作動した可能性が高くなるからだ。
(設定ミスは5km/h低く設定されていた)

もし、制限速度内の運転であったことが判明すれば、運転士は
無用なプレッシャーをかけられたことになる。
JR西日本は低く設定されていたから問題はないと思った,
といっているが、低く設定されることで、危険が生じることが
あるとは考えが及ばなかったのだろうか。
「ヒューマンファクター」の知識がないJR西日本とて、許される
ことではない。
「ATS設定ミス」が、4.25事故の原因のひとつである可能性
もあるのだ。

今まで、「何度もATSを作動させた運転士というイメージ」を
結果として持たせていたメディアも、事実を明かにしなくてならない。

また、「新型ATS設定ミス」は、96ヶ所で見つかったというが
全体の何%にあたるかが書かれていないが、これは書いておくべきだ。

この記事は続いて社内の縦割りの問題点を指摘していくのだが、
それについての感想は後日に書きます。

本田さん、重ねての追及をお願いします。この記事があったからこそ、
見えてきたことも多いのです。

※4.25事故とは、JR西福知山線脱線転覆事故のことです。

最新の画像もっと見る