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残暑とはいえない酷暑が続きます。
さすがに日中の外出は限定しています。
でも閉じこもりは嫌ですね。
はやく涼しい季節になってほしい。
テレビ、新聞はすっかりご無沙汰です。視聴、購読の習慣がなくなりました。
コンビニで週刊文春や文芸春秋を買って読んだりしています。
それでも読書という気分ではありません。
夜はネットで映画を観るのが楽しみです。
昨夜は『ミセス・ハリス パリに行く』を観ました。
1950年代のロンドンやパリを描いています。
ロンドンで働くミセス・ハリスは、家政婦として働いています。
夫の戦死公報を受け取っているのですが開封することができません。
ミセス・ハリスは今も新たに生まれ続けている戦争未亡人なのです。
ある時、仕事先の富裕層の家でパリの有名なオートクチュール、クリスチャン・ディオールのドレスに触れることになります。
そして、そのドレスの美しさに魅了されます。
価格を聞いてびっくりしますが、絶対買うぞと仕事を増やし貯蓄に励みます。
日本円にして数百万円を貯めることができました。
そして、ミセス・ハリス パリを目指します。
憧れのパリですが、ごみの街になっていました。不況だったのです。
それでもそこでは美しいファッションがつくられているのです。
ミセス・ハリスは幸運にもディオールの館で行われる購入者向けのファッションショーに入り込むことができました。
そのファッションには映画を観ている私たちも魅了されます。素晴らしい作品です。
ミセス・ハリスは、なんとか希望した作品を購入できました。
もちろん、既製服ではないので仮縫いを重ねる必要があります。パリに滞在することになります。
1950年代といえば、まだプレタポルテ(高級既製服)が生まれる前です。
でももうオートクチュールだけでは立ち行かなくなっていました。
モードの世界の大変革が迫っていたのです。
この映画では当時のディオールのアトリエの様子を詳細に再現しています。
ファッションの歴史に興味があるものにはたまりません。
アトリエでの素材選び、裁断、縫製過程やハウスマヌカンの仕事も見ることができます。
立体裁断をしているシーンもあります。
ミセス・ハリスがなぜこのアトリエに入ることができたのか。
実は彼女が持っていた現金に価値があったのです。アトリエにとってキャッシュが魅力だったのです。
大勢の職人を抱えていたアトリエは財政的に厳しい状態に追い込まれていました。
主な得意先である貴族層が衰退し、服の支払いも納品後です。
運転資金は足りません。
これでは職人の給与も滞ります。こうなると事業縮小、雇止めへと向かわざるを得なくなります。
ところが現実は一部富裕層のためのモードからファッションを愛する人々が購入できるプレタポルテへと改革が進んでいくことができたのです。
1960年代、私たちが知っているパリコレクションの世界が登場します。
これは映画の中でも少し触れられています。
ミセス・ハリスは完成した1点もののクチュールを持ってロンドンに帰ります。
ところが心優しいミセス・ハリスは彼女の友人(スターを目指す女性)にその服を貸してしまいます。
あろうことかその服を焦がしてしまいます。
失望するミセス・ハリス。
さてラストはどうなるのでしょうか。
お楽しみです。
お読みいただきありがとうございました。
ウクライナに平和を!