岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

耐震偽造の発覚経緯は今だ藪の中

2005-12-02 11:03:41 | 国民と国会と政治
12月1日に書いた記事の
○横浜市内の建築設計事務所の社長(44)が2005年10月下旬に
「グランドステージ藤沢」の設計で気づいた偽造に対する告発が、
この事件発覚の発端だったのだろうか。

11月29日の衆院国土交通委員会での、「イーホームズ」藤田社長の
話は、違っている。

○10月上旬ある建築士から現在建築中の「グランドステージ北千住」
の耐震偽造の情報提供があったという。
先の横浜市の建築士は10月下旬に「グランドステージ藤沢」の
耐震偽造に気づいていたわけだから、別の建築士の情報提供という
ことになる。

ほぼ同時に情報提供があったのだが、「イーホームズ」藤田社長は
1つの情報を取り上げて話している。
これは、横浜市の建築士の建築士からはすでに1年9ヶ月前に告発が
あったにも関わらず、調査していないという事実を隠すか、ぼかす
意図があったと思われてもしかたない。

○10月20日 
「イーホームズ」内部監査でデータ偽造が判明。
情報提供から10日~20日経過をしている。これは不自然、
1日で十分わかる。
放置していたか、内部検討時期が長かったか、
「グランドステージ北千住」の耐震偽造の情報提供が虚偽だったか。
どれかだろう。

○10月22日
「イーホームズ」が「ヒューザー」に偽造の事実を報告。

○10月24日
国土交通省が「イーホームズ」に立入検査。
国土交通省の立入検査は匿名情報によるという。
この時点の立入調査も不思議だ。
この検査により、耐震偽造が直ちに判明したわけではない。

○10月25日
「イーホームズ」社に、「ヒューザー」小嶋社長、設計事務所
「スペースワン」、姉歯建築士が訪問。姉歯建築士が偽造を認める。

○10月26日
「イーホームズ」藤田社長が、国土交通省にメールで偽造の事実を
報告。ただ建築物の特定はしていない。
国土交通省は、「そちらで解決を」と回答。
(国土交通省が問題を公表する23日前のこと)

この10月26日の時点で、関係していると思われる主な顔ぶれ
には耐震偽造の事実は知らされていることになる。

10月25日の「イーホームズ」社での対談内容が物議を醸して
いるのだが、公表するな、という「ヒューザー」小嶋社長の言葉に
反発した「イーホームズ」藤田社長がすぐさま国土交通省にメールを
送ったということになる。

○10月27日
「ヒューザー」社に、「イーホームズ」藤田社長、姉歯建築士が集り、
対策会議。
小嶋社長が藤田社長に問題の公表をしないように要求する。

○10月28日
藤田社長が国土交通省を訪問、「ヒューザー」社物件に耐震偽造が
あることを報告。
この時点で国土交通省は、事態をやっと把握して慌てたに違いない。
(国土交通省が問題を公表する21日前のことである)

この事件が国土交通省に報告される経緯には、小嶋社長の恫喝に
対する藤田社長の反発があったことは確かだ。
この反発(憎悪)によって事件の発覚は進んでいくことになる。

この時点では、「ヒューザー」小嶋社長は、藤田社長が国土交通省に
報告したことを知らない。

(この文章は、毎日新聞に掲載されている記事を元にしています)

続く。

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