
映画『神々と男たち』はDVDを購入して
映画『メルー』はアマゾンビデオで観ました。
『神々と男たち』は、アルジェリアの内戦に巻き込まれた修道院の修道士たちの実話です。
『メルー』は、インドにある未だ登攀されていない「メルー・シャークスフィン峰」に挑む3人のドキュメンタリーです。
一見、無関係の二つの映画ですが、同時に観るとお互いの映画がなにか関連しあっているように感じました。
ほとんど私の思い込みでしょうが。
同時に二つの映画について書くというのは、読まれる方を混乱されるもとです。
そこで、まず『神々と男たち』からです。
1990年代のアルジェリアの政治状況は非常に複雑です。wikiを読んでもよくわかりません。
とにかく非常に危険な状態になっていました。
フランス政府も修道院(厳律シトー会)の修道士たちに帰国要請をしていました。
しかし、修道院は地域社会に根付いた活動をしており、医療活動も行っていました。
地域に欠かせない修道院になっていたのです。
人びとを「置き去り」にして帰国できるのか。
修道士たちは悩みます。
キリストの行いを信じるものにとっては、愛する隣人を捨て置くことができるのか。
修道士は全員独身ですが、
選ばなかった未来の妻や子どもたちを思います。
親兄弟そして親族とのつながりは強く、祈りの生活の中で仲間とともに苦悩します。
内戦は長く続き、追い詰められる修道士たち。
心苦しくなる展開です。
「殉教」という言葉が重くのしかかります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
映画『メルー』は、
人が未だ到達したことのない大岩壁への挑戦です。
登場人物も3人です。
コンラッド・アンカー、ジミー・チン、メナン・オスターク
最も優れたクライマーであり撮影者の集まりです。
しかし、難攻不落のメルーです。
一瞬の判断ミスで命を落とすこともあります。
そのリスクをなんとか抑えてどうにか無事下山する力量が3人にあります。
ただ、予想できない事象も起こります。
雪崩、岩崩などは防ぎきることはできません。
多くのベスト・クライマーが命を落としています。
「生きて帰る」という執念がどこから生まれるか。
やはり、待っている人々です。
ジミー・チンは、母親から「登山を続けるなら私より先に死ぬな」と約束させられます。
その母が危篤になったときに彼はエベレスト登攀中でしたが、すぐさま下山し米国に戻りました。
母の死後、何かが吹っ切れたと話します。
だからと言って無謀な登山をすることもなく、今も存命中です。
他の二人の人生の進め方も強い印象を与えます。
「クライマーは徒弟関係」だと、コンラッド・アンカーは言います。
師に学び、受け継ぎ、後から来る人に受け継いでもらうことが必要なのだと。
修道士は、キリストを思い、先達に学び、同輩と考え行動し後から来る人々に思いを伝えました。
人間は強いようで弱く、弱いようで強いと思いませんか。
お読みいただき有難うございました。