北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

日本の品格とは

2006-06-04 23:46:48 | Weblog
 富士会議の二日目です。今日は分科会ごとに討論が行われます。テーマは「二本の品格」です。どんな意見が出るでしょうか。
 
【日本の品格】
 昨日川勝先生の講演の中で、「品格とは心が形に表れるものではないか」という示唆をいただきました。

 そこでどのようなことに「心が形に表れているのか」ということを議論しました。…といっても、論客ばかりなのでそのことだけに話が集中するわけではなく、メンバーそれぞれの分野で好き勝手なことを言い合う中で、心が形に表れているものを探り出して行く作業となりました。

 日本人の祖先崇拝やアニミズムなどは漠然と生きている価値観だ、という話がある一方で、その精神性が崩れている例も多いのです。

 「給食費を払っているのだから、『いただきます』なんて言わなくていいのよ、お礼なんて言うこと無いんだから」と子供に言い放つ親もいるとか。いやはや、ここまできたのでしょうか。

 私は「品格を求める求め方は多種多様にあるけれど、それらを一言で言うと『徳目』ということになるのではないでしょうか。そしてそれらは極めて具体的で、誠実に生きろとか、分をわきまえろとか、盗むな、というように具体的な価値観に裏付けられた行動を求めると言うことではないでしょうか」と言って、一定の賛同を得られました。

 また、品の良さや徳目にはどこか「我慢する」という要素があるようにも思いました。メンバーの一人はクリスチャンでしたが「シスターから『忍耐』ということを強く言われます」と賛同してくれましたが。

 しかしメンバーの一人であった柔道家の山下泰裕さんは、「実は私は努力の人と思われているかも知れませんが、私は我慢が嫌いです」と言いました。
「我慢して、いやいやするのではなくて、自律、セルフ・コントロールという事だと思っているのです」という表現をされました。

 これもある種の品格なのでしょう。

    ※    ※    ※    ※

 次に外から見た日本の品格について意見が交わされました。

 南米に日系移民の三世として生まれ、20年前に日本に留学して以来日本に住み着いてしまったというAさんは、「私達は一世から日本の心を伝えられて育ちました。一世からは、誠実に、勤労で、真面目に生きて、嘘をつくな、盗むな、と教えられました。この教えは移民として苦労した一世が南米で生きて行く知恵だったかも知れませんが、今日そのお陰で、日本人だというだけで信用されているのです」と熱いメッセージが寄せられました。

「こんなに正直者が多くて、安心できて、社会のインフラや制度が整っていて、落書きもしないし、皆倫理観を持って暮らしています。こんな国は世界中にありませんよ、なんでもっと自信をもたないのですか」とも。きづかなかったことですが、ありがたいことです。

 また、ハワイのホノルルには日系二世が作った日本文化センターがあるそうです。ここには「おかげさまで」とか「ありがとう」と刻まれた石碑があって、開拓移民一世の心を失うまいとする二世の気持ちが表れています。

 まだまだ残っている日本の品格を共有し伝えて行くには、自分たちが信じる価値観について、声を上げて伝えて行く事が大事なのではないでしょうか。最近の教育では「押しつけになっては行けない」ということを良く聞きますが、自分の価値観を自分の関わる範囲で伝える努力は大事な事でしょう。

 日本の品格というと難しいのですが、まずは一人一人が自分を律して自分の回りに対して伝えるところから始めよう、というのが我が分科会の結論でした。

 そういうことを思うだけでも自分が変われそうな気がしませんか。

コメント (4)
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