北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

豊平館と北大と

2006-06-25 23:24:18 | Weblog
 今日は朝から久しぶりの晴れ間が広がる好天でした。日曜日に晴れてくれると心がうきうきしますね。

【恩師の退官慰労会】
 卒業した大学の教授がこの三月を持って退官され、教室のOBや卒業生一同で記念の会合を開きました。会場は札幌の中島公園にある豊平館です。

 この豊平館は、明治十三年に今の大通りに面する今の市民会館のある位置に洋風ホテルとして建設されたもので、札幌を代表する開拓使時代の建築物です。

 豊平館のホテルとしての最初の宿泊者は明治天皇なのだそうで、明治天皇、大正、
 その後紆余曲折を経て中島公園に移設され、昭和39年には国指定重要文化財にもなっています。

 私の覚えている昔は全体が白かったのですが、1982年からの修復時に創建当時のオリジナルな色彩が復活しました。その結果、壁は白いのですが軒下や柱などにウルトラマリンブルーが用いられ、とても瀟洒な雰囲気を取り戻しました。

 この青の顔料にはラピスラズリというトルコ原産の石が用いられているという事も分析と研究の結果から分かったとか。なにもないところに新しいものを作ろうという当時の気概が伺えて、先人達の思いに触れる事が出来るのです。
 今日も青い空にウルトラマリンブルーの姿が良く映えました。

    *   *   *   * 

 さてパーティでは退官された先生の思い出を後輩などが面白おかしく語り、終始和やかな時間が流れました。

 ある方は「仕事に悩んだり、行き詰まったりしたときに懐かしい教室を訪ねると、いつも先生がおられて、何を話す事でもわけなく、とりとめのない話をよくしたのですが、そのたびに何か癒された記憶があるんです」と懐かしそうに述べられました。

 確かにあの頃の大学の教室にはそんな雰囲気がありました。

 教室の新しい教授になられた先生に現在の状況を伺うと、「大学改革の波が押し寄せてきて翻弄されていますよ」と苦笑いされていました。

「具体的にはどのような事が大学の先生に求められているのですか」
「一言で言うと、社会に貢献しなさい、お金は自分で稼ぎなさい、ちゃんと論文は書きなさい、ということでしょうかね。それでいて、退官された教授の定員は全部は補充しないという事ですから、職員の数は少なくなりながら求められるものは多くなりつつありますね」とのこと。

 助手になっても任期制が適用されるという話があったり、講義を持つ助手として助教というポストも出来るのだとか。

 破天荒な学生生活を送っていた多くの先輩の話を聞くにつけても、自分自身の事を思い出しても、大学が自由な空間だった時代を懐かしく思い出されました。

 先生、先輩、これからもお元気でご活躍ください。後輩としてこれからをもう少し支えてみますので。
 
コメント
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