北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

都会の絵の具

2007-04-24 23:09:42 | Weblog
 恋人よ ぼくは旅立つ
 東へと向かう 列車で
 はなやいだ街で 君への贈りもの
 探す 探すつもりだ
 いいえ あなた 私は
 欲しいものは ないのよ
 ただ都会の絵の具に
 染まらないで 帰って
 染まらないで 帰って

 私の世代なら皆さんご存知の、太田裕美のヒット曲『木綿のハンカチーフ』の一番の歌詞。この曲が出たのは昭和50年(1975)年のことで、私高校2年生のころでした。

 作詞松本 隆、作曲は筒美京平という、この時代のゴールデンコンビ。本当にこの二人からは名曲の数々が誕生しています。

 曲は全部で4番までの歌詞からなっていて、男の子のほうが都会(東京を示唆)へ行くことになり、そこで次第に都会の暮らしに染まり素朴さを失ってゆく姿と、故郷に残った恋人の女の子がそれを悲しむ気持ちを歌い上げていて、私も良く聴いたものです。

 タイトルの「木綿のハンカチーフ」は、都会の男の子が高価なプレゼントをしよう、というのに答えて、欲しいのは悲しみの涙を拭く木綿のハンカチーフだけよ、と答え、歌はそこで終わっています。

 都会にあこがれ、そこで享楽的に過ごす生き方と、「故郷を忘れないで」と願う思いが絡まったまさに名曲といえるでしょう。

   *    *    *    *    *

 昨日は、うちの組織への補助制度についてディスカッションが行われました。  
 時限の補助制度で、今年度で自動的になくなってしまう補助を来年度以降も継続するということになると、新規要求と同じだけの理屈を用意しなくてはなりません。

「財務省は『こんな補助はもういらないんでしょ』という気持ちのようですよ。防災も国家的課題だと思ってはいない風ですよ」という状況の中で、どういう理屈を立てて、主張をして納得させるか、という理論構築と交渉の技術が必要。情は無用。

「とにかく理屈を考えろ、主張しろ」というのがこの世界の生き方で、これに染まることができなければ、お仕事にはなりません。物事を通すには、とにかく理屈と理由が絶対に必要なのです。

 地方が、こんな都会の生活に染まった人たちを相手にするのならば、自己の存在を主張するにも、理屈や理由が必要でしょう。

「この食べ物は体にどう良いから北海道の食材をどうぞ」
「こういう点がほかと違って楽しいから観光には北海道へどうぞ」
「北海道に住むと、ほかにはないこういうメリットがありますよ」

 日本中や世界中から情報が集まってくる中で、自分たちの地域をきらっと輝かせて、食べたり飲んだり訪れたりすると良いですよ、という理屈と理由はどこにあるのでしょうか。それが説明できるでしょうか。

 自分たちの主張が伝わるのかどうかは、都会に染まった目や耳や脳で判断してみないといけないかもしれません。そういう意味では、まだまだ北海道から聞こえてくる声は小さいし、主張の仕方もおとなしく感じられます。

 どこをどう変えたら都会に受けるのかを東京の視点で見てみたいと思います。決して都会の絵の具に染まりきらないようにしながらね。

 明日からは大阪出張です。
コメント (6)
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