北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

社会の信頼が揺らいでいます

2008-02-21 23:37:39 | Weblog
 冷凍食材から農薬が検出された問題で、今度は冷凍カツから今までとは異なる農薬が検出されたとか。

 高濃度のメタミドホスというショッキングな事件に比べると、どうやら使用している野菜の残留農薬らしいということで、世間も次第にこの話題には麻痺しかけている様子。

 しかしながら、見つかった製品も作った工場も、さらにはその時期も多岐にわたるということで、特別な事故や事件ではないという事が明らかになりはじめ、事態打開の方向が混迷をしています。

 つまりは今までは余りよく調べていなかったので分からなかったけれど、実は残留農薬が紛れ込んでいることは日常茶飯事だったということがわかったということ。

 もうこうなると、新たに残留農薬が見つかった製品を公表しても、消費者の側がいちいち覚えているとはとても思えません。説明責任はよいけれど、情報が洪水のように押し寄せてきたら手に負えないものです。

 危ないと分かった商品であれば販売会社の方が責任を持って回収をしているだろうという期待をして買い続けるという態度もありますが、中国の工場で作られた冷凍食材は当面は買わずにすませるという態度をとる消費者も多くなることでしょう。なにしろ他にも食べるものがあるのなら選ぶ側としては他の食材を選択するはず。

 商品が売れるためには、知らず知らずのうちに信頼という基礎があるのであって、その信頼の絆が切られてしまえば消費者なんて冷たい赤の他人に過ぎなくなってしまいます。

 その信頼の絆を形成するのにどれくらいの時間と努力と誠実さが必要だったかを思うと、信頼を失うのはほんの一瞬のことということがよく分かります。

    ※    ※    ※    ※

 同じように防衛に携わる人たちへの信頼を揺るがすような、高性能イージス艦と漁船の衝突事故も起きました。

 行方不明のお二人が早く見つかって欲しいと思いますが、これまた信頼を築き直すのにどれくらいの努力が必要になるでしょうか。

 自分たちを包む社会に対する信頼が失われると、人々は他人を顧みる事を拒否して、自己防衛に走りがちです。社会がその構成員からの信頼と忠誠を得ることが出来なければ不安が増して、社会は不安定になります。

 だから批判は批判としつつ、変えなくては行けないものは変えつつ、もう一度自分たちの手で社会を安定に向けるために何が出来るのかを考え、行動に移して行かなくてはなりません。

 不始末をアジるだけではなく、感情に溺れずに落ち着いてこれからをどうしてゆくかということを冷静で現実的に考えて行かなくてはならないと思います。

 身近な食から国を守るところまで、幅の広い信頼が揺らいでいます。

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