北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

橋の寿命を延ばせ

2010-04-09 23:53:08 | Weblog
 テレビ局から取材撮影が一件ありました。

 市町村が管理する橋について、点検や補修をすることでその寿命を延ばす事業について教えてください、と言うもの。

 実は数年前にいくつかの自治体が管理する橋が落ちたり、橋の鋼材に大きなヒビが入っているのが見つかったりしたことで、過去に整備してきた橋梁の耐久性がクローズアップされたのでした。

 改めて橋の点検状況を調べてみると、7割以上の自治体で管理する橋の点検をしたことがないという結果が出たのですが、実際小さな自治体にしてみると、予算はない、人はいない、技術もないという「ないないづくし」のために、とても橋の点検をするだけの余裕がないということがわかりました。

 そこで、こりゃいかんということになり、国交省では平成19年から地方自治体に対して点検計画を策定するための補助制度を作り、さらに翌20年度からは点検事業に対しても補助しましょうという制度拡充をしたところです。

 北海道の橋で見てみると、昭和30年代から急速に道路の整備延長が伸びたのにつれて建設した橋梁の数が年々増えてきました。

 古い方の橋ではもう橋齢が50年を超えるものも現れてきているわけですが、これから先はそんな古い橋がどんどん増えてくる時期を迎えようとしているわけです。





 理想から言えば、古い橋は掛け替えて安心になればよいのですが、それほど潤沢な予算があるわけではありません。また掛け替えとなると交通に与える影響も大きいので、まずは点検や保守を行うことでその寿命を延ばし、トータルでのコストを下げるというのが賢明な対応となります。

 適切な時期に保守を行うことでコストを少なく寿命を延ばすというのは下記の図のようなイメージで、急速に劣化が進む時期の手前で少しだけコストをかけて健全度を高めてあげさえすれば、しばらくは劣化を抑えることが出来るのです。当然トータルのコストも下がるというわけでこれを『予防保全型管理』と言います。





 これからの公共インフラは新設も重要ですが、これまで作ってきた財産の適切な管理と言うことが重要になるわけですが、普段の我々の日常生活はこうしたインフラにあたりまえのように支えられていることを考えると、維持管理への適切な社会的支出の重要性についても関心をもってほしいものです。

 久しぶりに公共事業屋さんの仕事をしたかんじです。放送は5月半ばだそうです。 
コメント
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