北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

本当に試されていること

2010-04-11 23:58:15 | Weblog
 新党立ち上がれ日本が旗揚げをしました。

 立ち枯れ日本?、さらには第二自民党ではないかなどと、盛んに揶揄されていて、議員経験の長い高齢議員たちによる新党であることばかりが注目を浴びています。又同時に、どちらかというとそうした現象面だけを捕らえて、ちょっと冷やかしているだけのようなマスコミ論調が目立っているように思います。

 しかし本当の問題がどこにあるのかは、マスコミもあまり書こうとしていません。大事なことは、選挙戦に向かって初めて(いや、本当は初めてではないのですが)「社会保障を守るためには消費税を上げなくてはならない」ということを堂々と掲げて戦おうとしているということです。

---------- 【ここから引用】 ----------
民主打倒、日本復活、政界再編…新党「たちあがれ日本」旗揚げ 2010年4月11日(日)08:00
 http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/snk20100411047.html

■平沼代表、小沢氏と連携否定

 平沼赳夫元経済産業相(70)や与謝野馨元財務相(71)らが10日、都内のホテルで記者会見を開き、新党「たちあがれ日本(にっぽん)」の結党を正式に発表した。平沼氏が代表、与謝野氏は共同代表に就任。平沼氏は「政治生命のすべてをかけて、尊い日本のために、汗をかいていかねばならない思いで立ち上がった」と述べ、「打倒民主党」「日本復活」「政界再編」-を「使命」として取り組むことを表明した。

 メンバーは平沼、与謝野両氏のほか、前自民党幹事長代理の園田博之衆院議員(68)、元運輸相の藤井孝男参院議員(67)、中川義雄参院議員(72)。「応援団長」として石原慎太郎東京都知事(77)も記者会見に同席した。

 綱領では、(1)自主憲法制定(2)信頼される行政の実現(3)財源に裏打ちされた持続可能な社会保障制度と経済成長力強化-などを掲げた。政策では「消費税収」による社会保障制度の強化を示し、外国人参政権、選択的夫婦別姓に「断固反対を貫く」としている。

(以下略)

---------- 【引用ここまで】 ----------

 政党政治というのはあくまでも政策はパッケージなので、独占禁止法では禁止されている抱き合わせ販売みたいなもの。

 しかし日本という国とその国民は、過去には増税と看板を掲げた党は問答無用で切り捨ててきた歴史がある中で、いよいよこれ以上国民に負担を求めることをしなくては、福祉面での安心安全を担う社会保障がもたないということを説明しようとしている党が現れたということは特筆すべき事なのではないか、と思うのです。

 年寄りと言われようが、立ち枯れと揶揄されようが増税を掲げているところは今のところここだけです。

 ただし正確に言うと、自民党が与党だった政権末期の福田総理の時に消費税を福祉目的税課する、と言い始め、麻生総理の時には景気回復を前提に消費税を上げることを検討すると言っていますから、そんなことはとっくに忘れている国民にとっては、そこが目新しいことになるでしょう。

 しかも与謝野さんは以前から「消費税を上げるなどという大変なことは与党からはなかなか言い出せないし、それを選挙の争点にするべきではない。だから野党から先に言い出すのだ」とも語っています。

 ともすると与野党のどちらかが増税を公約に掲げれば、それに反対することで選挙を有利に戦おうという戦術を多用する日本の国政選挙にあってこれは快挙と呼んで良いのではないか、と思うのです。

 慶応大学の権丈先生の言葉を借りれば、「この国に必要なのはアイディアなんかじゃない、財源だよ」ということでしょうか。(「凝勿学問277 http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/korunakare277.pdf

 私は国が社会保障のために求める財源は、必ずしも消費税だけではなくて社会保険料率のアップだってありだと思います。

 しかしその前には日本の今の医療、介護、年金、教育などが一体どのくらい悲惨なことになっているのか、ということを徹底的に表に出すことが必要で、そこからあるべき理想の社会保障蔵を描いた時にどれくらいの負担が必要なのかというステップを踏まなければ、またぞろ「いや、まだまだムダはあるはずだ」という一桁も二桁の低い数字の議論にかき混ぜられてしまうことが心配です。

 国民がどれくらい自分たちの将来を考えることになるのかが試されているのだと思います。
コメント
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