知人の紹介で、あるマスコミ関係の方とお酒を交えながら懇親を深めました。
北海道には単身赴任とのことで、北海道の印象を尋ねると、「何を報道しても全国相手に伝えられるネタが豊富にあるというイメージですね」とのこと。
まだ着任してから半年足らずということではそういう印象なのかな、と思いながら、地元の様々な情報で話が盛り上がると、「いやあなかなか聞けない話を教えていただき、ありがとうございました」と感謝の言葉を述べてくれました。
「ところで」と私。「なんでしょう?」「私もいろいろなマスコミ関係の方とお付き合いをしてきましたが、しばしば見受けられるのが、先にストーリーがあって後からそれに合致する映像を撮るというスタイルです。何十分もインタビューを受けて、使われたのはメインの話ではなく雑談の時の受け答えだった、なんてこともありましたが、そういうことをどうお考えですか」
普段思っていることをお酒の力も借りて率直に訊ねてみました。
すると当の相手は、「それはまさに、やってはいけない報道姿勢として先輩からきつく言われてきたことですよ。少なくとも私は先輩の指導もあって、現場の状況を全体的に把握してそのうえで問題意識を持つように、ということを守ってきたつもりですが、そのように感じられることがあるというのは残念です」と実に正直な答え。
もっとマスコミ全体を擁護するかと思ったのですが、そういう報道姿勢は正しくないと言い切ってくれました。
ちょっと安心するとともに、こういう方がちゃんと良い仕事をしてくれることを期待したいと思いました。
最近はネットを使って、取材を受けた側が放送内容の裏側を暴露することも増えています。
放送内容を作る側に絶対的な優越がある時代からは様子が変わってきたようにも思いますが、まだまだマスコミの力は大きいものがあります。
地域の姿を正しく伝えて、そこから自分なりの感想を持つような視聴者を育てる様なことを願わずにはいられません。
当たり前のことを聞いただけなのかもしれませんが、今日ははちょっと嬉しくなりました。