天気が良いので、妻と一緒に家の近くの三角山へ登ってきました。いつも見ている山なのに、上ったのは約10年ぶりくらいでしょうか。
少しは気温も冷え込んできたかと思って厚手の服を着て行ったところ、思いのほか風が生暖かく山道では随分汗をかきました。
カエデの類の黄色い落ち葉が敷き詰められた美しい登山道を上って行くと、若い家族連れや高齢者の夫婦など結構多くの人たちが山道を上り下りしています。
元気の良い子供たちに抜かれながら、小一時間もかからないくらいで頂上へ到着すると、快晴で札幌の中心部が一望でき気分は最高です。
山道の途中にはいろいろな山野草が生えていますが、道のすぐそばにフッキソウという背の低い植物がありました。
背丈は約25センチほどで漢字で書くと「富貴草」とされます。草と名がついていますが、分類上は小低木として樹木と分類されます。
過去に何度か書いているように、樹木と草本の違いは次年度に葉や花として開く冬芽が地上にあるか地下にあるかということ。
草本は夏の間にいくら大きくなっても翌年の芽は寒い冬を地上で過ごすということができません。だから毎年土の下から生長を始めるので大きくなれないのです。
それに対して進化の過程で冬芽を地上部で耐える力を身に着けたのが木本類。冬芽が冬期間に地上で耐えられれば、翌年はそこから生長を繰り返すことができるので、個体は年を重ねるごとに大きくなれるというわけです。
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フッキソウは冬芽を地上部で過ごすので木本類に分類されますが、それでも高木になることはなく地上を覆う程度の高さ25センチ程度にしかなりません。そういう道を選択したのですね。
フッキソウのすぐ近くにイタヤカエデの幼木がありました。高さはフッキソウと同じく約25センチ程度ですが、こちらは生長すればやがて20メートルにもなろうかという大木になります。
今は同じ高さ25センチほどの木ですが、これ以上は大きくならない木とやがて高木になるであろう木が同じところに生えているというのは面白いですね。
秋の景色を楽しんだ一日でした。