甲子園の戦いもいよいよ準決勝が終わり、決勝は石川県星稜高校と大阪府の履正社との対決となりました。
甲子園を見ていると、体格や才能など持って生まれた才能を開花させている選手もあれば、そういうものがなくてもひたすら練習をした結果、レギュラーを獲得して活躍する選手もいます。
決勝が楽しみですね。
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さて、以前私のブログで、「幸福」の"幸"と"福"の違いを書いたことがあります。
どちらも『身に降りかかると嬉しい良いこと』という意味ですが、そのうち"幸"とは、その原因が自分の中にはなく、自分が努力しなくても向こうからやってくる偶然的な良いことを言います。
たまたま金持ちの家庭に生まれたとか、両親がスポーツ選手の子供として際のあふれる運動能力を持っているというのはまさに「幸」なのです。
しかし実はこれは『当てにはならないもの』でもある、と古人は言っています。
これに対して良いことの原因が自分の中にあって、自分が苦労して苦心して勝ち得た良きこともあって、このことを「福」というのだそう。
福という文字は示偏が表す「神」と、つくりが表す「収穫を積み重ねた姿」の合成でできていて、農家で言えば神様の前に俵を積み重ねた姿なのだと。
そしてこれは当てになるものです。
つまり、自分にとって良きことも、自力で得るものと偶然に得るものの二種類があり、これを同列に感じることなく、福を得られるように精進すべきなのだと教えてくれています。
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似たような話をもう一つ。
私は子供の時から星を見るのが大好きで、望遠鏡を除いて星や惑星を見るのが楽しくて仕方ありませんでした。
数々の探査機によって、太陽系の惑星の不思議な姿も次々明らかになっていますし、子供の時にはただ不思議に思えたブラックホールも、ついに電波望遠鏡でその黒い穴を直接観察できる時代になりました。
日本では「はやぶさ」が遠く離れた小惑星リュウグウで、岩石の採取というミッションを行い帰還の最中。
宇宙のことは興味が尽きません。
おっと、そこでこの「宇宙」という単語ですが、これは"宇"と"宙"という感じの組み合わせです。
古書によれば、宇とは上下四方つまり空間の広がりのことで、宙とは往古来今という、昔から未来までの時間的な広がりのことなのだそう。
空間と時間のスケールを表した素晴らしい単語ですね。
さて、そんな広い宇宙の中で、この狭い甲子園を舞台に、今という一瞬に青春を燃やす選手たちがいます。
勝負には勝ち負けがありますが、勝っても負けても幸福な時間を過ごしてほしいものだと思います。