今日の夜は掛川に招かれての景観シンポジウム。私はパネラーとして参加です。
立場的にはよそ者が三年間市民としてあちこちを歩き回り、また今は外からの定点観測者として掛川を見守っているというものです。
景観は視覚を通じた刺激なので、どんなに美しい景観でも常に身近にあると喜びがどんどん薄れてしまいます。そんなときこそ、よそ者が珍しがったり喜んだりする視点が必要なわけです。
さてシンポジウムはまず基調講演に、東京学芸大学準教授の鉄矢先生からお話。鉄矢先生は掛川での景観市民講座のアドバイザーとして2007年から掛川に関わってくれており、この町の良さを知り、町を見る視点についてお話をしてくださいました。
鉄矢先生のキーワードは資生堂のコマーシャルにも使われた「ゆれるまなざし」というもの。視点を固定せずに、ある価値観の幅の中で者を見た方が良いのではないか、という示唆です。
その幅とは、「結果・成果←→プロセス」、「止まってみる←→」、「見える景観←→見えない景観」、「知っている←→語れる」、「空間の奥行き←→時間の奥行き」、「決める←→割り切らない」といった6つの観点で、これらの観点のそれぞれの幅の中で見てご覧なさい、と言います。
景観は静的で固定的に捕らえるとどうも間違えやすいもので、一枚の写真では決して語りきれないものです。個人の価値観や経験、立場によってもその意味は大きく変わります。
保存する・残すことだけが景観を守るということではないし、残す・直す・取り除く・取り替える・新しく作る、といったことの組み合わせで対処すべき柔軟な者でもあるはずだ、とも。
普段は見慣れた景観も、物語や背景などを語ることで価値が違って見えるものです。そんなところまで自分の町の財産に関心を持つ人が増えると、そこから活気が出て面白みもわこうというものでしょう。
技術や材料、輸送力、予算などの制約によって仕方なく守られていたような景観が、それらから自由になったことで無秩序に陥っていたのがこれまでの高度成長の過程でした。
残された秩序を守ったり、新しい秩序を作るい言うことがどういうことなのか、たくさんの人たちの関心と参加を呼び起こしたいものです。
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こういう催しに招かれることでまだ掛川でも新たな出会いがありました。この出会いが明日の自分を変えるかも知れません。
今回も忘れずにいてくれてありがたいことです。
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