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今週も荒れ模様の一週間になりそうです。
今日は
■これでいいのだ蕎麦打ち男 です。
【「それでいいのか蕎麦打ち男」を読む】
知人の残間里江子さんが「それでいいのか蕎麦打ち男」という本を出版した。
残間さんとは掛川時代のシンポジウムで知り合いになって青山のオフィスを二度ほど訪ねて仕事の話をした事がある。それだけならどうということもないのだが、どうしたことかこんなタイトルの本を出されてしまった。
なにか私自身に向かって例のギャースカ口調で言われているようで気になって仕方がなかったのだ。
そもそも出会いも行けなかった。国土交通省では地域作りを支援する「全国地域作り実践プラン」という集まりを主催していて、そこで一昨年の12月にシンポジウムを市長が掛川へ持ってきたのだった。
メイン講師は東大経済学部長の神野直彦教授だったから、それもすごい人選でありなおかつ掛川へ来る事を承諾させるのだから市長のコネクションはすごかったと改めて思う。
そしてこのシンポジウムで行われたパネルディスカッションに女性パネリストとしてお招きをしたのが残間里江子さんだったのだ。
会場は400人ほどの人で満員状態だったが、彼女の発言のなかで何を思ったか「大体男もだらしないのよ!蕎麦打ってNPOばっかりやっているようじゃダメなのよ!」というせりふがあったのだ。
掛川で蕎麦を打ってNPO活動をしていると言えば掛川の人たちは皆私を頭に浮かべて、会場の右側の端に座っていた私を見てげらげらと笑い出した。
私の方は突然に名指しこそしないもののほぼ私と思われる非難に当惑して「えぇ?」という思いだった。
壇上の残間さんの方は自分の発言が随分と会場で受けた事が意外だったようだが、気分を良くしてさらに言いたい放題を言っていた。イベントが終わった後で会場を離れるときには多くの市民から「助役さん、随分な事を言われていましたね(笑)」と声がかかったものだ。
私の方はと言えば、なぜ残間さんがそんな発言をしたのかという真意が分からず苦笑いをするしかなかったのだけれど。
* * * *
それが、イベント後の残間さんを駅まで送るのはちょうど私の役回りだったので帰りの車の中ではついさっきの発言が当然話題になった。
「残間さん、さっきの『蕎麦打ってNPOばっかりやってちゃダメなのよ』という発言はどういう意味ですか?」
「え?どうして?」
「会場はみんな私の方を見て笑っていたじゃないですか。掛川で蕎麦を打ってNPOをやっているといえば、皆『あれは助役の事だ』と思ったはずですよ」
「なんだ、それで随分受けてたんだ。でも私はあなたが蕎麦打ちかどうかなんて知らないわよ」
「なんだ、僕の事じゃないんですね」
「あったり前じゃない!でも私の回りにも多いのよ、蕎麦打ってNPOやってますっていって喜々として満足しちゃっている男達がね。まあいいわ、いつか小松さんの打ったお蕎麦を食べさせてよ」
「はいはい。その世界に逃げ込んでいる訳じゃない蕎麦をごちそうしますよ」
…という会話をしたのがもう一年前の事である。
それがあろうことか彼女の本のタイトルは「それでいいのか蕎麦打ち男」と来た。これは読んでみなくてはなるまいと思ってさっそく手にしたのである。
* * * *
本の帯には「団塊世代に喝!」とあってさらに「人生80年、まだまだ老け込むには早すぎる。”小さな幸せ”に引き籠もるな」とある。
タイトルは目を引くように書かれているが、中身は彼女と同世代である団塊の世代論である。自分の回りに実際にいる知人達の姿に世代全体の縮図をみて、ともすると下の世代から疎まれているかも知れない(という)自分たちの世代を客観視しようと努めている。
それでいて、仕事の定年を迎えて(自分の社会での役回りは終わった)と半ば人生をあきらめてしまっている多くの同僚に女性の視点でカツを入れる一書になっている。
蕎麦打ちもNPOも、陶芸も世界遺産巡りもヨン様のおっかけも、そういったあきらめた後にくすぶっている状態に過ぎない。だから「団塊の世代よ、そんなものに興じている暇はない。主役に踊り出す最後のチャンスを逃すな」というのが著者のメッセージである。
あとがきで「タイトルとは別に、蕎麦打ちを誹謗しているつもりは全くない」と書かれているし、蕎麦打ちの世界も丹念に調べてあって誇張はないのでまあ良しとしよう。
残間さんは昨年7月にシニアに向けた新しいライフスタイルを提案する会社クリエイティブ・シニアを設立してますます意気軒昂。しょぼくれている同年代の男性女性に対して相変わらずギャースカと毒のある言葉を吐き散らしているようだ。
毒の矛先はこちらにも向かっているような気がして、自分自身もしょぼくれている暇はないと思い直した。
団塊世代が読めば私よりもさらに身につまされるエピソードも満載です。そうだ、いつかサインをもらいに行こうっと。残間さーん…。
* * * *
ホリエモン逮捕のニュースに驚く。彼のブログを開いてみると「ざまを見ろ犯罪者!」という罵倒派と「信じています。がんばってください」という擁護派にはっきり分かれて興味深い。
彼がときどき不機嫌そうに「金を儲けた方が勝ち」という口ぶりに私自身は違和感を持ってはいたがこういう人が成功するんだな、という評価の気持ちもあった。
まだ何かが決定したわけではないが、可哀想でもありもったいなくもあり、複雑な心境だ。実ほど頭を垂れれば良かったのに…。
今日は
■これでいいのだ蕎麦打ち男 です。
【「それでいいのか蕎麦打ち男」を読む】
知人の残間里江子さんが「それでいいのか蕎麦打ち男」という本を出版した。
残間さんとは掛川時代のシンポジウムで知り合いになって青山のオフィスを二度ほど訪ねて仕事の話をした事がある。それだけならどうということもないのだが、どうしたことかこんなタイトルの本を出されてしまった。
なにか私自身に向かって例のギャースカ口調で言われているようで気になって仕方がなかったのだ。
そもそも出会いも行けなかった。国土交通省では地域作りを支援する「全国地域作り実践プラン」という集まりを主催していて、そこで一昨年の12月にシンポジウムを市長が掛川へ持ってきたのだった。
メイン講師は東大経済学部長の神野直彦教授だったから、それもすごい人選でありなおかつ掛川へ来る事を承諾させるのだから市長のコネクションはすごかったと改めて思う。
そしてこのシンポジウムで行われたパネルディスカッションに女性パネリストとしてお招きをしたのが残間里江子さんだったのだ。
会場は400人ほどの人で満員状態だったが、彼女の発言のなかで何を思ったか「大体男もだらしないのよ!蕎麦打ってNPOばっかりやっているようじゃダメなのよ!」というせりふがあったのだ。
掛川で蕎麦を打ってNPO活動をしていると言えば掛川の人たちは皆私を頭に浮かべて、会場の右側の端に座っていた私を見てげらげらと笑い出した。
私の方は突然に名指しこそしないもののほぼ私と思われる非難に当惑して「えぇ?」という思いだった。
壇上の残間さんの方は自分の発言が随分と会場で受けた事が意外だったようだが、気分を良くしてさらに言いたい放題を言っていた。イベントが終わった後で会場を離れるときには多くの市民から「助役さん、随分な事を言われていましたね(笑)」と声がかかったものだ。
私の方はと言えば、なぜ残間さんがそんな発言をしたのかという真意が分からず苦笑いをするしかなかったのだけれど。
* * * *
それが、イベント後の残間さんを駅まで送るのはちょうど私の役回りだったので帰りの車の中ではついさっきの発言が当然話題になった。
「残間さん、さっきの『蕎麦打ってNPOばっかりやってちゃダメなのよ』という発言はどういう意味ですか?」
「え?どうして?」
「会場はみんな私の方を見て笑っていたじゃないですか。掛川で蕎麦を打ってNPOをやっているといえば、皆『あれは助役の事だ』と思ったはずですよ」
「なんだ、それで随分受けてたんだ。でも私はあなたが蕎麦打ちかどうかなんて知らないわよ」
「なんだ、僕の事じゃないんですね」
「あったり前じゃない!でも私の回りにも多いのよ、蕎麦打ってNPOやってますっていって喜々として満足しちゃっている男達がね。まあいいわ、いつか小松さんの打ったお蕎麦を食べさせてよ」
「はいはい。その世界に逃げ込んでいる訳じゃない蕎麦をごちそうしますよ」
…という会話をしたのがもう一年前の事である。
それがあろうことか彼女の本のタイトルは「それでいいのか蕎麦打ち男」と来た。これは読んでみなくてはなるまいと思ってさっそく手にしたのである。
* * * *
本の帯には「団塊世代に喝!」とあってさらに「人生80年、まだまだ老け込むには早すぎる。”小さな幸せ”に引き籠もるな」とある。
タイトルは目を引くように書かれているが、中身は彼女と同世代である団塊の世代論である。自分の回りに実際にいる知人達の姿に世代全体の縮図をみて、ともすると下の世代から疎まれているかも知れない(という)自分たちの世代を客観視しようと努めている。
それでいて、仕事の定年を迎えて(自分の社会での役回りは終わった)と半ば人生をあきらめてしまっている多くの同僚に女性の視点でカツを入れる一書になっている。
蕎麦打ちもNPOも、陶芸も世界遺産巡りもヨン様のおっかけも、そういったあきらめた後にくすぶっている状態に過ぎない。だから「団塊の世代よ、そんなものに興じている暇はない。主役に踊り出す最後のチャンスを逃すな」というのが著者のメッセージである。
あとがきで「タイトルとは別に、蕎麦打ちを誹謗しているつもりは全くない」と書かれているし、蕎麦打ちの世界も丹念に調べてあって誇張はないのでまあ良しとしよう。
残間さんは昨年7月にシニアに向けた新しいライフスタイルを提案する会社クリエイティブ・シニアを設立してますます意気軒昂。しょぼくれている同年代の男性女性に対して相変わらずギャースカと毒のある言葉を吐き散らしているようだ。
毒の矛先はこちらにも向かっているような気がして、自分自身もしょぼくれている暇はないと思い直した。
団塊世代が読めば私よりもさらに身につまされるエピソードも満載です。そうだ、いつかサインをもらいに行こうっと。残間さーん…。
* * * *
ホリエモン逮捕のニュースに驚く。彼のブログを開いてみると「ざまを見ろ犯罪者!」という罵倒派と「信じています。がんばってください」という擁護派にはっきり分かれて興味深い。
彼がときどき不機嫌そうに「金を儲けた方が勝ち」という口ぶりに私自身は違和感を持ってはいたがこういう人が成功するんだな、という評価の気持ちもあった。
まだ何かが決定したわけではないが、可哀想でもありもったいなくもあり、複雑な心境だ。実ほど頭を垂れれば良かったのに…。
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